戦争孤児に光 関連本の出版相次ぐ 12月5日 戦後75年の節目に、戦争孤児が戦後、社会でどう生き延びてきたかに光を当てる本の出版が相次ぐ。国が実態を解明せず、当事者も口を閉ざしたため、戦争孤児は長く闇に埋もれてきた。体験者が減るなか、現在の児童福祉の原点に連なる課題もあるとして研究者らが関心を高めている。 「心のケアなんて言葉は戦後長らくなかった」。1945年の東京大空襲で家族を失い、9歳で孤児になった埼玉県蕨市の金田茉莉さん(85)は語気 戦争孤児に光 関連本の出版相次ぐ
SNSで揺らぐ平和意識 戦争容認、簡単に「いいね」 10月24日 戦後75年を過ぎ、過去の戦争や悲劇の歴史について、若者が簡単に肯定的な姿勢を示すケースが目立っている。真偽不明のSNS(交流サイト)の投稿に大量の「いいね」が付いたり、戦争は「仕方ないこと」と捉えたり。専門家は「戦後培ってきた平和への意識が局所的に崩れてきた」と警鐘を鳴らしている。 「いくらユダヤ人を殺したと言われていても、ヒトラーにも人の心があった」。6月、ユダヤ人の大量虐殺を命じたヒトラーが SNSで揺らぐ平和意識 戦争容認、簡単に「いいね」
被爆建物「被服支廠」、耐震性の再調査公開 広島 広島 中国 10月20日 広島県は20日、広島市に残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」の耐震性を再調査する様子を報道陣に公開した。2017年度の診断結果に疑義が生じ、今月から始めている。耐震化費用を圧縮できる可能性があり、県は年内にも新たな見積もりを出し、解体か保存かで揺れる議論に道筋をつけたい考えだ。 被服支廠は太平洋戦争の終わりまで軍服や軍靴などを製造していたれんが造りの施設。爆心地から約2.7キロの住 被爆建物「被服支廠」、耐震性の再調査公開 広島
旧陸軍墓地、保全に課題 専門家「文化財指定を」 大阪 和歌山 関西 9月1日 太平洋戦争などで犠牲になった旧陸軍の兵士らが眠る国所有の「旧陸軍墓地」。全国に44カ所あり近年は耐震不足が判明する施設もあるが、国の予算の制約などで補修が進まないケースがある。管理する遺族会などの高齢化も課題だ。専門家からは「戦争の実態を伝える重要な遺構。文化財として保存すべきだ」との声も上がっている。(堀越正喜、川野耀佑) 大阪府和泉市の黒鳥山公園の高台にある信太山忠霊塔(旧信太山陸軍墓地)。 旧陸軍墓地、保全に課題 専門家「文化財指定を」
1945年の若者へ 高校生ら、戦争証言者に手紙 8月28日 1945年に若者だった人たちに手紙を書きませんか。全国の戦争経験者を訪ね歩いて証言集をまとめた編集者らが、戦後75年の今を生きる10~20代に証言者への手紙を書いてもらう企画を始めた。「自分事として戦争や平和を考えるきっかけになれば」と願っている。 東京純心女子高校(東京都八王子市)の2年生約70人は今春、新型コロナウイルスによる休校期間中に手紙を書く課題に取り組んだ。相手は戦争体験の証言者。メ 1945年の若者へ 高校生ら、戦争証言者に手紙
戦没者慰霊碑、滞る管理 ひび・倒壊の恐れ780基 8月24日 全国に建てられた戦没者慰霊碑の管理が行き届かなくなっている。厚生労働省が昨年集計した調査では、ひびや倒壊の恐れがある碑が780基に上った。遺族らの高齢化が進み、維持・管理の担い手が不足している。専門家は「戦争記憶の伝承のためにも公的支援が必要」と指摘する。 「かなり劣化していて、大地震でも来たらどうなるか分からない」。神奈川県伊勢原市で地元遺族会の支部長を務める越水澄夫さん(79)は、市内の神社 戦没者慰霊碑、滞る管理 ひび・倒壊の恐れ780基
シベリア抑留者に祈り コロナで参加者少なく 8月23日 戦後にシベリアやモンゴルに抑留され、強制労働に従事し死亡した日本人犠牲者を追悼する集いが23日、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれた。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で集会後の懇談会などは中止。遠方の遺族らは参加を控え、例年より少ない約100人がマスク姿で祈りをささげた。 厚生労働省によると、シベリアやモンゴルに抑留された約57万5千人のうち、約5万5千人が抑留中に死亡した。同省は昨年 シベリア抑留者に祈り コロナで参加者少なく
「対馬丸」撃沈から76年 沖縄と広島で慰霊祭 8月22日 太平洋戦争後期に沖縄を出港した学童疎開船「対馬丸」が鹿児島県沖で米潜水艦に撃沈され、子どもら1500人近くが犠牲になった事件から76年の22日、那覇市と広島市で慰霊祭が営まれた。 新型コロナウイルス対策のため、那覇市の碑「小桜の塔」と広島市の比治山陸軍墓地の2会場とも規模を例年より縮小。初めて両市をオンラインでつないで同時開催した。 那覇市の会場で参列した同市の照屋恒さん(80)は一緒に乗船した 「対馬丸」撃沈から76年 沖縄と広島で慰霊祭
戦後75年、歴史と向き合う(複眼) 佐藤卓己氏/クラウス・シュレーダー氏/田所智子氏 赤川 省吾 時論・創論・複眼 8月20日 第2次世界大戦の終戦から75年が過ぎた。日本では戦後生まれが人口の8割を超え、体験者が「昭和の戦争」を語る時代は終わりつつある。欧米でも記憶の風化が進み、ポピュリズムの台頭などを許している。我々は歴史とどう向き合い、語り継げばいいのか、専門家に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ■「異なる終戦」問い直しを 京都大学教授 佐藤卓己氏 戦後75年を迎え、戦争を経験した世代が一段と減り、アジア・太平洋戦争は人々の「 戦後75年、歴史と向き合う(複眼)
「KAMIKAZE」の実像、世界に 特攻隊員の苦悩伝える 九州・沖縄 8月19日 太平洋戦争末期、旧日本軍が飛行機などを敵艦船に体当たりさせるために編成した「特別攻撃隊(特攻隊)」。海外では「KAMIKAZE(カミカゼ)」として自爆テロと重ねる報道もある。こうしたなか特攻隊員らの苦悩に光を当て、実像に迫る取り組みが海外でも広がりつつある。 「特攻は悲惨だ。無念だ」。佐賀市の元特攻隊員、鳥谷邦武さん(93)は唇をかむ。75年が過ぎてなお、作戦を実行した軍上層部への憤りが消えるこ 「KAMIKAZE」の実像、世界に 特攻隊員の苦悩伝える