ソフトバンクG、英アーム売却に独禁法の壁 法務・ガバナンス ネット・IT 1月13日 ソフトバンクグループは2020年9月、傘下の英半導体設計大手アームを米半導体大手エヌビディアに売却すると発表した。売却額は最大400億ドル(約4兆1000億円)と、世界的な話題となった。M&A(合併・買収)を巡っては事前の届け出を求める国が多い。国際的なM&Aに詳しい専門家らは、買収実現には競争が阻害されないかという独占禁止法(競争法)と、国家安全保障を巡る外資規制の2つの要素をクリアする必要が ソフトバンクG、英アーム売却に独禁法の壁
「巨大ITは民主主義に脅威」 EU新規制ににじむ危機感 逆境の巨大IT 瀬川 奈都子 法務・ガバナンス 編集委員 ネット・IT 12月23日 欧州連合(EU)が巨大IT企業への新たな規制に乗り出す。15日に欧州委員会が公表したプラットフォーマー規制案は、競争法(独占禁止法)の限界を見据えて新法を制定し、事後規制から事前規制へと切り替えようとする内容だ。背景には巨大ITが消費者に不利益をもたらすだけでなく、民主主義への脅威となるという考え方がある。 膨張する競争法 公表したデジタルサービス法(DSA)とデジタル市場法(DMA)の2法案は 「巨大ITは民主主義に脅威」 EU新規制ににじむ危機感
企業が選ぶ弁護士 危機管理は木目田裕氏、M&A太田洋氏 法務・ガバナンス 12月16日 日本経済新聞社が実施した第16回「企業法務・弁護士調査」で、企業が選んだ弁護士をランキングしたところ、新型コロナウイルスの感染拡大で企業が抱えた課題に丁寧に向き合った弁護士が高い評価を得た。2020年に活躍した弁護士を(1)危機管理(2)M&A(合併・買収)(3)企業法務全般(M&A除く)――の3部門について、企業の法務担当者に2人ずつ選んでもらい、得票数を集計した。 危機管理部門、首位は木目田 企業が選ぶ弁護士 危機管理は木目田裕氏、M&A太田洋氏
SNS規制めぐる議論、各国の状況は ネット・IT 法務・ガバナンス 12月2日 米大統領選を巡り、SNS(交流サイト)運営企業の投稿規制が議論された。投稿内容に手を入れたり、放置したりしても事業者の法的責任を問われない「通信品位法230条」は、トランプ大統領だけではなく、今回の選挙で当選を確実にしたバイデン氏も逆の立場から撤廃を求めている。SNSにおける表現の自由を確保する法律が揺れるなか、各国のネット事業者を取り巻く規制はどうなっているのか。米国、欧州、日本の状況について SNS規制めぐる議論、各国の状況は
「ビジネスと人権」取り組み遅れる日本 渋谷 高弘 法務・ガバナンス 編集委員 11月18日 企業内部やサプライチェーン(供給網)での人権侵害をなくすための計画を日本政府が10月、初めて策定した。「ビジネスと人権に関する行動計画」と呼ばれ、国連が2011年に作った国際ルール「ビジネスと人権に関する指導原則」を広める効果が期待される。ただ、日本は他国と比べて取り組みに積極的ではなく、指導原則や行動計画の知名度も低いとの課題も指摘される。 外務省を事務局とする政府関係府省庁が10月16日、策 「ビジネスと人権」取り組み遅れる日本
在宅勤務の情報管理、「社員任せ」は厳禁 瀬川 奈都子 法務・ガバナンス 編集委員 11月4日 社員の在宅勤務が常態化する職場が増えるなか、企業の情報管理にも新たな規律が必要になっている。契約書などの重要情報は野放図な持ち出しを許せば営業秘密としての保護が受けられなくなるリスクがある。ビデオ会議やチャットで大量に行き交う情報は、将来企業が法的紛争に巻き込まれた際には証拠になり得るので、適切に保存もしくは消去しなければならない。あなたの職場の情報管理ルールは、急速な業務のオンライン化に適応し 在宅勤務の情報管理、「社員任せ」は厳禁
Googleを斬れない「さび付いた独禁法」 瀬川 奈都子 ネット・IT 法務・ガバナンス 編集委員 10月27日 米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで米グーグルを提訴した。同社が端末メーカーなどに自社の検索サービスを標準設定させたことなどを問題視した。同省は昨年来、米連邦取引委員会(FTC)と共に、巨大IT(情報技術)企業4社を様々な観点から調査してきた。執行第1弾となった今回の提訴の論点は、独禁法の運用上は新規性が乏しい。手堅く動いたはずの司法省だが、勝算について専門家からは厳しい見立てが目立 Googleを斬れない「さび付いた独禁法」
「非正規」格差 曖昧な理由付け、紛争の種に 法務・ガバナンス 10月21日 有期雇用の非正規社員と正社員の待遇格差が不合理かどうかが争われた計5件の訴訟で、最高裁判決が相次いで下された。退職金と賞与を巡る13日の判決と、手当や休暇などを巡る15日の判決とで判断が分かれる結果となった。この違いをどう解釈すべきかについては専門家の間でも意見が分かれており、引き続き従業員と企業の間の訴訟の火種となる可能性がある。企業は従業員間の待遇差に関する説明を再点検する必要がありそうだ。 「非正規」格差 曖昧な理由付け、紛争の種に
Apple対フォートナイト訴訟、手数料30%は安全の対価か ネット・IT 法務・ガバナンス 北米 10月7日 米アップルによるスマートフォンのアプリ配信の課金システムは反トラスト法(独占禁止法)違反なのか――。人気ゲーム「フォートナイト」を開発する米エピックゲームズが8月に起こした訴訟は妥協案がまとまらず長引き、本格的な論戦は2021年以降に始まる見通しだ。「アップル税」とも言われる30%の手数料は安全の対価であるというアップルの主張は認められるのだろうか。 「エピックはこの訴訟を起こして不公平で反競争 Apple対フォートナイト訴訟、手数料30%は安全の対価か
東証システム障害、投資家の賠償請求難しく 東証システム障害 法務・ガバナンス 10月5日 東京証券取引所のシステム障害で1日、終日売買が停止し、約3兆円規模の売買機会が失われた。東証はシステムの設計・開発を手がける富士通に損害賠償を求めない方針を早々に表明したが、期待していた売買ができずに損をしたと考える投資家などから賠償責任を追及されることはないのだろうか。専門家によると、復旧体制が十分だったかは問われる可能性がありそうだが、損害額の立証の難しさなどから提訴のハードルは高い。 今回 東証システム障害、投資家の賠償請求難しく