岸田首相が引き継ぐ改憲の壁 政治カレンダーも綱渡り 日経ヴェリタス 日経ヴェリタスセレクト 清水 真人 岸田政権 安倍元首相銃撃 編集委員 8月6日 岸田文雄首相が憲法改正への意欲を鮮明にし始めた。自民党保守派のリーダーとして改憲を悲願とした安倍晋三元首相の「思いを受け継ぐ」と表明。「できる限り早く国会発議に至る」目標を掲げる。ただ、改憲プロセスには「安倍1強」でも突破できなかった独特の壁がある。難しさは変わらない。 ■9条に自衛隊明記、公明は慎重 改憲の手続きは、まず衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が改憲原案を発議する。発議から6 岸田首相が引き継ぐ改憲の壁 政治カレンダーも綱渡り
強い首相とキングメーカー 安倍元首相が残した2つの顔 清水 真人 岸田政権 安倍元首相銃撃 Think! 編集委員 コラム 7月28日 憲政史上最長の首相在任を果たした安倍晋三元首相。「安倍1強」の力の源泉は衆院解散権を都合よく行使し、政権選択の総選挙に勝ち続けたこと。同時に首相への権力集中を加速し、自民党も官僚機構も抑え込んだことだ。半面、退任後は最大派閥の領袖としてキングメーカーのように振る舞った。矛盾をはらんだ2つの顔を残した。 連発した「小刻み解散」、政界の〝相場観〟崩す 安倍氏は2012年12月の衆院選で野党・自民党総 強い首相とキングメーカー 安倍元首相が残した2つの顔
「黄金の3年」解散権手放せぬ岸田首相 10増10減が関門 清水 真人 岸田政権 参議院選挙2022 編集委員 コラム 7月14日 参院選を勝ち切った首相の岸田文雄に「黄金の3年」は訪れるのか。元首相の安倍晋三の死去で自民党内は不安定化しかねず、2024年の総裁選での再選に向け綱渡りの権力操縦が続く。党内統制の手段は2つ。近く実施する内閣改造・党役員人事と、高い内閣支持率の維持を含め、いつでも衆院解散・総選挙に打って出られる構えだ。 任期満了年の総選挙は高リスク 「黄金の3年間などという考え方はとっていない。新型コロナウイル 「黄金の3年」解散権手放せぬ岸田首相 10増10減が関門
令和臨調が狙うシン・政治改革 党派超え共通の基盤探る 清水 真人 岸田政権 編集委員 コラム 6月23日 経済界、学界、労働界などから有識者100人超が集まった令和国民会議(令和臨調)が発足した。平成時代に政治改革、地方分権改革など統治構造改革の旗を振った「民間政治臨調」などの後継組織だ。令和の「シン・政治改革」を追い求めるのと並行し、財政・社会保障や人口減少問題でも党派を超えた改革の共通の基盤を探る。 各党首に問うた「持続可能性」 19日に都内のホテルで開いた令和臨調の発足大会。首相の岸田文雄(自 令和臨調が狙うシン・政治改革 党派超え共通の基盤探る
GX国債20兆円のからくり 投資促す「首相の決意」演出 日経ヴェリタスセレクト 税・予算 清水 真人 カーボンゼロ 岸田政権 コラム 編集委員 学ぶ 6月18日 岸田文雄首相は脱炭素社会を目指し、10年間で150兆円超の官民協調投資を急ぐ構想を表明した。民間の長期大型投資の呼び水として、多年度にわたる20兆円の財政支援枠を検討する。当面は「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」と呼ぶ国債で予算を賄い、いずれ温暖化ガスの排出量に応じて課税する炭素税などの「カーボンプライシング」で償還財源を確保するからくり。複雑で大がかりな枠組み作りに課題は山 GX国債20兆円のからくり 投資促す「首相の決意」演出
パンドラの箱開ける「反撃能力」 自衛権の限界論争再び 清水 真人 日米首脳会談 岸田政権 参院選2022 編集委員 コラム 6月9日 日本を武力攻撃する国のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」。首相の岸田文雄は自民党の提言も受け、防衛力強化の一環としてこの保有の検討を表明した。国会では、憲法9条で自衛権の行使として許容される「必要最小限度」の実力行使との整合性を巡る議論が白熱。9条改正論議にも波及し、パンドラの箱を開けた格好だ。 ■首相「あらゆる選択肢を排除せず」 5月26日の衆院予算委員会。自民党安全保障調査会長の小野寺 パンドラの箱開ける「反撃能力」 自衛権の限界論争再び
分断の果て「野党第1党」争い 政権交代の声なき参院選 清水 真人 岸田政権 参院選2022 編集委員 コラム 5月26日 有権者が政権を選択する選挙は衆院選だ。今夏の参院選は昨秋の衆院選に勝った首相の岸田文雄への中間評価の機会だ。それにしても、次の衆院選を見すえて、与野党が政権交代を懸けて対峙する機運は薄れがちだ。参院選で野党各党はそれぞれの生き残りを優先し、分断が止まらない。「野党第1党」争いが焦点になりそうな雲行きだ。 立・共「共闘」巡り温度差 5月9日、衆院第2議員会館。参院選に向け、安全保障法制廃止を求める 分断の果て「野党第1党」争い 政権交代の声なき参院選
行政は「無謬神話」から脱却を 牧島かれんデジタル相 清水 真人 岸田政権 編集委員 4月29日 牧島かれんデジタル相は日本経済新聞社のインタビューに応じ、目視点検の義務づけなど行政の「アナログ規制」の一括見直しプランを5月に打ち出す方針を表明した。官僚に失敗や誤りを認めない「無謬(むびゅう)神話」からの脱却を要請。行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進もテコに、政策の点検や見直しを機動的に繰り返す「アジャイル」型の政策形成プロセスへの転換を目指す考えを示した。 5月に「アナログ 行政は「無謬神話」から脱却を 牧島かれんデジタル相
デジタル社会に憲法学者の危機感 際立つ国会との温度差 清水 真人 岸田政権 編集委員 コラム 4月28日 日本国憲法は5月3日で施行75年を迎える。今国会でも自民党は9条改正や緊急事態条項の新設の旗を振る。政策シンクタンクPHP総研の報告書「憲法論3.0」はまるで趣が違う。第一線の憲法学者が声をそろえるのは、デジタル社会で「個人の尊重」原理や民主政が揺らぐことへの危機感だ。政治の現場とアカデミズムの落差は大きい。 「9条改正」「緊急事態」に自民固執 「ロシアがウクライナに求めているのは非武装化で、『 デジタル社会に憲法学者の危機感 際立つ国会との温度差
「年金見える化」旗振る補佐官 国民の不安どう和らげる 日経ヴェリタスセレクト 税・予算 清水 真人 年金 日経ヴェリタス 岸田政権 コラム 編集委員 コラム 4月23日 「将来受け取れる年金額を簡単な操作でパッと知りたい」「働き方を変えると年金額はどう変わるのか」。厚生労働省はこんな声に応え、スマートフォンですぐ試算できる「公的年金シミュレーター」を25日に開設する。個人ベースの「見える化」で年金制度への不信を減らし、家計簿アプリなどと連携を可能にして資産形成・運用の後押しも狙う。旗振り役は村井英樹首相補佐官(国内経済・特命事項担当)だ。 村井氏「年金を個人ベー 「年金見える化」旗振る補佐官 国民の不安どう和らげる