働き方の研究者 長時間労働の構造にメス 8月31日 月60時間を超える残業をする人の45%が強いストレスを抱えている。残業は同調圧力によって感染し、帰りにくさを感じる20代は50代の倍近い。社員1万人の企業が「ムダな会議」に費やす人件費は年間15億円――。 立教大経営学部教授の中原淳さん(43)が2018年末、全国の企業で働く約2万人への調査を基にした「残業学」と題した本で日本の長時間労働の構造に斬り込んだ。ネットなどで「データが示されることで、 働き方の研究者 長時間労働の構造にメス
夏の作業着に涼風を 「空調服」開発、市ケ谷弘司さん 8月17日 暑い日が続く。熱中症対策の欠かせない工事現場や工場で、いまや必需品となっているのがファン付きの作業着だ。元祖の「空調服」は今年、130万着の販売を見込む。開発したのはその名も「空調服」という東京都板橋区の会社の会長、市ケ谷弘司さん(71)だ。「前例のないアイデアを形にし、世の中の役に立つのが発明の醍醐味だ」 空調服は背面にある半径約5センチの2個のファンで風を取り入れ、汗が気化する際に体温を下げ 夏の作業着に涼風を 「空調服」開発、市ケ谷弘司さん
23センチの分身が会議に出席 スマホでロボを遠隔操作 コラム(社会・くらし) 8月10日 人工知能(AI)で動くのではない。パソコンやスマートフォンで遠隔操作できる「分身ロボット」だ。マイクとスピーカーによる会話はもちろん、眉間のカメラが目となり、うなずきや手ぶりも交えて喜怒哀楽を表す。結婚式や花見、会議――。海外や入院先にいても、誰かと大切な時間をともに過ごせる。 高さ23センチの「オリヒメ」を開発したのは、ベンチャー企業、オリィ研究所(東京・港)。代表の吉藤健太朗さん(31)は「 23センチの分身が会議に出席 スマホでロボを遠隔操作
山駆ける研修医、世界の頂点めざす 高村貴子さん コラム(社会・くらし) 8月3日 雪にストックを突き刺して急斜面を駆け上がり、下りは岩をつかみながら走る。後続に押されて怒鳴られもするが、そんな激しい駆け引きも楽しい。「生身の自分の力がぎりぎりまで問われる」のが厳しい自然の中でのレースの醍醐味だ。 研修医の高村貴子さん(26)は「スカイランニング」のトップ選手だ。標高2千メートル級の山で20~60キロを上り下りしてタイムを競う。国際競技連盟の公認レースの参加者が年間延べ5万人を 山駆ける研修医、世界の頂点めざす 高村貴子さん
国際理解、寺子屋で レストラン経営ジャスティスさん コラム(社会・くらし) 7月13日 アフリカの文化を子供たちに伝える寺子屋が神奈川県内にある。食事を無料で提供する子供食堂と合わせ、主宰するのは約30年前に来日したガーナ人のトニー・ジャスティスさんだ。 日本に住む外国人が増え、子供のうちから異文化への理解を深める大切さが高まる中で注目を集める。「様々な理由で生きづらさを抱える子供たちが安心できる居場所にもなれば」と願う。 6月上旬の週末、相模原市内のイベントスペースに軽快な音が響 国際理解、寺子屋で レストラン経営ジャスティスさん
障害の垣根、アートで壊す デザイナー今中博之さん 関西 6月29日 2020年東京五輪・パラリンピックに伴い、伝統芸能から現代アートまで日本の文化を世界に発信する数々のイベントが同年春から行われる。 デザイナーの今中博之さん(56)はこれらの文化イベントを企画する組織委員会の中心メンバーの一人だ。15年以上にわたり、知的障害を抱える絵画アーティストを支援してきた。「障害、健常者などというとらえ方はアートを作る上でも、楽しむ上でも関係ない」 イベントの準備はこれか 障害の垣根、アートで壊す デザイナー今中博之さん
大腸がん啓発、ゲームで 医師の石井洋介さん コラム(社会・くらし) 6月15日 一風変わったスマートフォン(スマホ)用ゲームの配信が7月にも始まる。女神の問いかけに答えて美少女キャラクターを集めるというありがちな設定だが、女神の質問は「今日の便の色や形は?」という内容で、腸内の細菌を擬人化したキャラクターが敵と戦う。 その名も「うんコレ」というゲームは医師、石井洋介さん(38)らが開発に当たる。若い世代を中心に毎日の便のチェックを促し、女神を通じ便の状態を解説する。がんなど 大腸がん啓発、ゲームで 医師の石井洋介さん
日用品 視点変え別世界 ミニチュア写真家、田中達也さん 6月8日 ブロッコリーは葉が生い茂った大きな木、皿洗い用のスポンジは大海原――。普段見慣れているはずの物なのに、小さな人形と組み合わせると別の世界が見えてくる。ミニチュア写真家の田中達也さん(37)はモノを何かに見立て、箱庭サイズの独自の風景を生み出し続ける。作品はテレビドラマのオープニング映像にも採用され、毎日撮影した画像をアップする投稿サイト「インスタグラム」のフォロワーは198万人を超す。 作品作り 日用品 視点変え別世界 ミニチュア写真家、田中達也さん
作家と読者つなぐ書店、座談会200回 二村知子さん コラム(社会・くらし) 関西 5月25日 作家や出版関係者らが全国から足を運ぶ書店が大阪の街角にある。創業70年を迎える隆祥館書店(大阪市中央区)だ。店長の二村知子さんは作家と読者をつなぐ座談会を200回以上開いている。出版不況の中、ネット通販や大型書店に負けない魅力を放つ。 約40平方メートルのこぢんまりとした店内に、座談会の写真や手書きの推薦文が至る所に貼られている。客の多くは顔なじみで、店に入ると笑顔であいさつを交わす。 「小さい 作家と読者つなぐ書店、座談会200回 二村知子さん
まひに負けず挑む富士山 会社員・杉田秀之さん コラム(社会・くらし) 5月18日 つえなしでは満足に歩けないし、体を支えきれないため満員電車には乗れない。12年前にラグビーで頸髄(けいずい)を損傷し手足にまひの残る東京都の会社員、杉田秀之さん(31)が8月、富士山登頂に挑む。限界を定めず、少しずつでも前に進んできた時間の集大成として、自分の足で日本一の頂を目指す。 けがをしたのは慶応大1年の2007年8月、長野・菅平高原で行われたラグビー部合宿での練習中だった。医師に一生歩け まひに負けず挑む富士山 会社員・杉田秀之さん