国税当局で相次ぐ不祥事、国民からの信頼を失うな 1月17日 国税当局で職員の不祥事が相次いでいる。現職の税務署職員が新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕されたほか、消費税の不正還付や大麻関連の事案も起きている。 人事院の資料によると、在職者数が約5万8千人いる国税庁では年間50件前後の懲戒処分がある。懲戒処分数を在職者数で割った比率は0.09%(2019年)で、他の省庁と同程度。20年は1~9月で28件と処分数が突出して 国税当局で相次ぐ不祥事、国民からの信頼を失うな
子どもに託すコロナ禍の社会支援、学びの場で考える 東京 コラム 1月12日更新 コロナ禍での生活困窮者などを支援するために集まった寄付金の使い道を、中高生に託す取り組みが始まった。社会に横たわる問題・課題について各分野の支援団体の活動から学んだ生徒が、寄付文化の普及を目指すNPOが募った寄付金の使い道を決める。他者の困難をわが事として受けとめ、共生社会を担える若者が育つ姿を学びの場に見た。 2020年11月6日午後3時すぎ。兵庫県立小野高校の教室で国際経済科3年の社会貢献を 子どもに託すコロナ禍の社会支援、学びの場で考える
多様化する寄付、コロナ禍で意識変化 1月3日 店舗の片隅に置かれた箱には乾麺やレトルト食品、缶詰などが入っていた。大阪市鶴見区の生協、おおさかパルコープつるみ店。「箱がいっぱいになってしまうときもある。協力してくれる人が増えています」と職員の一人は話す。 パルコープは家庭で消費しない食品を組合員に寄付してもらい、大阪市内や周辺市のこども食堂に運んでいる。最初は賞味期限の関係などで店頭販売や配送ができなくなった食品を無償で提供してきたが、取り 多様化する寄付、コロナ禍で意識変化
部活動と体罰、根絶への道遠く 対症療法の効果に疑問 12月27日 生徒2人に体罰で重軽傷を負わせたとして、兵庫県宝塚市の市立中学校の男性教諭=傷害罪で起訴=が11月末に懲戒免職となった。教諭は柔道部の顧問で有段者。9月下旬、道場の冷凍庫にあったアイスを部員が無断で食べたことをとがめ、投げ技や寝技による暴行を加えたという。 「報告を受け、我が耳を疑った」。同市の中川智子市長は市民への謝罪の中でこう吐露した。教諭は過去に3度も体罰で処分を受けていた。学校側はなぜ顧 部活動と体罰、根絶への道遠く 対症療法の効果に疑問
受刑者が電子商取引サイト、デジタル訓練で再起促す コラム 12月20日 秋芳洞やカルスト台地の美景で知られる山口県美祢市。観光客や住民が立ち寄る「道の駅 おふく」では、台地の肥沃な土壌で育った特産品の根菜などの商品が人気だ。 この道の駅は、電子商取引(EC)サイト「ヤフーショッピング」に出店し、ゴボウを原料としたスナック菓子や麺類などの加工品を全国に販売している。 でも、このサイトを作ったのが、官民協働の刑務所「美祢社会復帰促進センター」の受刑者であることはあまり知 受刑者が電子商取引サイト、デジタル訓練で再起促す
「森林療法」に科学の光、心身癒やす効果解明 コラム(社会・くらし) 12月5日 札幌に初雪が舞った11月初め、野幌森林公園の遊歩道を約20人の男女が落ち葉を踏みしめて歩いていた。江別市の江別すずらん病院に通院する患者のグループだ。樹齢200年を超す巨木を見上げ、野鳥の声に耳を澄ます。樹木の清冽(せいれつ)な香りが漂い、時折森の奥から吹く風が木々を揺らす。 同病院には、このグループが月2回森の中をウオーキングするほか、中高生の思春期グループが3~4カ月に1度、森歩きや釣りなど 「森林療法」に科学の光、心身癒やす効果解明
やはり「異形」の参院選買収事件 説明責任ともなう捜査の裁量 坂口 祐一 コラム(社会・くらし) 編集委員 11月29日 「捜査における裁量」について、警察幹部と話していたときのこと。「極力、裁量は排除すべきでは」との素人質問に業を煮やしたか、その幹部はあえて分かりやすく、こう説いた。 「自転車泥棒はもちろん犯罪。だが年間何十万件起きるすべてに警察力をつぎ込むのは適切でも現実的でもない」「たとえば母一人子一人の家庭で、ようやく息子に買ってあげた自転車が盗まれたとする。他のケースと同じ窃盗なのに、部下の刑事がこの事件 やはり「異形」の参院選買収事件 説明責任ともなう捜査の裁量
学校現場に自動翻訳機 「頼りすぎ」は禁物? コラム(社会・くらし) 11月22日 幼稚園や小学校で小型自動翻訳機を目にすることが増えた。様々な国の文化的背景を持つ子どもを受け入れ、多言語対応を迫られている公教育の現場には頼もしい助っ人だ。ただ、学校は言葉やコミュニケーションを学ぶ場でもある。望ましい使い方をめぐる検討も同時に進められている。 10月、東京都新宿区の区立落合第三幼稚園。外のジャングルジムに夢中になっていた男児(3)に女性教諭が「教室の中に入りましょう」と呼びかけ 学校現場に自動翻訳機 「頼りすぎ」は禁物?
ようやく戻った鑑真由来の国宝 日中両国の「絆」示す 毛糠 秀樹 コラム(社会・くらし) 編集委員 11月15日 鑑真に由来する国宝が日本に戻った。昨年末、中国へ出品されながら、コロナの影響で現地に留め置かれていた。関係者の尽力で実現した帰還。両国の絆を示し、今後の示唆ともなる。 昨年12月、中国有数の規模を誇る上海博物館で日本の唐招提寺(奈良市)の宝物などの展覧会が始まった。開会式では同寺の西山明彦長老らが博物館の楊志剛館長と親交を深めた。 同寺の創建は鑑真和上。8世紀、6度目の航海で来日した唐の僧だ。会 ようやく戻った鑑真由来の国宝 日中両国の「絆」示す
被災者結び共助促す 台風19号1年、住民と協業し農業も コラム(社会・くらし) 10月25日 東北、東日本を中心に死者・行方不明者が100人以上に上った台風19号被害から1年が過ぎた。各地で頻発する水害の被災地で感じるのは発生前の避難対応、泥出しなどの復旧支援と同じく、被災者の生活再建を見据えた共助の必要性だ。東日本大震災の津波と台風被害を受けた岩手県に共助の実践を見た。 昨年10月12日夜から13日朝の記録的豪雨が後背の山から流れ込んだ岩手県山田町船越田の浜地区。2011年3月の津波被 被災者結び共助促す 台風19号1年、住民と協業し農業も