ハンドドライヤー禁止は正解か 経団連、問われる検証力 経済 コラム 1月15日 「ハンドドライヤーを禁止にした国は日本くらいだ」――。オフィスや商業施設などのトイレにあり、手を洗った後に乾かすドライヤーは新型コロナウイルスの感染拡大後に使用が軒並み禁止された。政府が2020年5月に出した感染拡大防止に向けた方針を踏まえた動きだが、経団連は「ハンドドライヤーは感染拡大につながらない」と同年秋から政府に見直しを働きかけている。 ハンドドライヤー禁止の要請後、「手を乾かす手段」を ハンドドライヤー禁止は正解か 経団連、問われる検証力
賃上げ税制見直しに映る「官製春闘」終えん 税・予算 経済 1月8日 安倍晋三前首相が第2次政権を発足させて以降、政府が経済界に賃上げを呼びかける「官製春闘」の流れが続いてきた。新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変。多くの企業はこの先の成長より存続することに重きを置くようになってきた。昨年末の政府・与党の税制改正論議にも、コロナを受けた企業、政治、官僚の変化がにじんだ。 政府・与党が官製春闘の流れを税制面から後押ししようと導入したのが賃上げ税制だった。現在は大 賃上げ税制見直しに映る「官製春闘」終えん
NHK改革、抜け落ちたネット時代の役割定義 経済 コラム 12月25日 「2.4万局を展開する郵便局のノウハウを(NHKの)受信料の徴収に生かすことができないか、実務担当者同士で研究をしてもらいたいと言っている」。21日の閣議後の記者会見。武田良太総務相は「一つのアイデア」とした上で、NHKと日本郵便に対し連携を検討するよう指示したと明かした。 指示の背景には「NHKの営業経費があまりにも膨らんでいることが問題とされている」(武田氏)ことがある。2019年度で759 NHK改革、抜け落ちたネット時代の役割定義
鶏卵疑惑で揺れる農水省 畜産局格上げに暗雲 経済 12月18日 鶏卵生産大手から元農相への現金受領疑惑――。その第一報が霞が関・永田町を駆け巡った12月1日、別の元農相周辺からこう打ち明けられた。「これはちょっと大きな話になるかもしれない」 その懸念通り、疑惑は影響を広げつつある。農相在任中に計500万円を受け取っていた疑いのある吉川貴盛元農相は自民党の役職などを辞任。さらにその鶏卵生産大手の元代表は元衆院議員で農相も務めた西川公也氏にも現金数百万円を渡した 鶏卵疑惑で揺れる農水省 畜産局格上げに暗雲
厚労省の失われた20年 コロナ禍で浮き彫りに 新型コロナ 経済 12月11日 2001年の中央省庁の再編から来月6日で20年になる。省庁再編は21世紀の社会・経済に合った行政への転換を理念の一つにおいたが、旧厚生省と旧労働省の統合で発足した厚生労働省は働き方の多様化などの変化に追いついていない。節目の時期に起きた新型コロナウイルス危機が「失われた20年」を浮き彫りにしている。 5日に閉会した臨時国会。休業手当を受け取れなかった休業者のために、国が直接、賃金補償をする新制度 厚労省の失われた20年 コロナ禍で浮き彫りに
大学研究、巨額ファンド構想への甘い期待 大学 経済 政治 12月4日 政府・与党が大学の研究基盤整備に充てる費用を確保するために10兆円規模の「官学ファンド」を創設する調整を進めている。国の財政支出を元手に株式や債券で長期的に運用し、利益の一部を政策経費に使う。財務省は国家財政の根本を危うくすると警戒感を強めている。 萩生田光一文部科学相は11月12日の参院文部科学委員会で「大学などの研究力強化を長期的な視野で安定的に支援していくため、ファンド創設などの具体的な検 大学研究、巨額ファンド構想への甘い期待
電力、安定供給への負担で溝 小売り「後出し」と不満 経済 11月27日 電力改革の一環として政府が導入した「容量市場」を巡る議論が続いている。発電所の維持や更新に必要な資金を確保するために創設された仕組みだが、7月に実施した初の入札結果に資金を拠出する側の小売事業者が「高すぎる」と猛反発した。経済産業省は電源の新設費用をまかなうための新たな仕組みも検討しており、容量市場を巡る騒動は改革の先行きに不安を感じさせる。 容量市場は売り手と買い手が自由に商品をやり取りする一 電力、安定供給への負担で溝 小売り「後出し」と不満
ものづくり補助金、身内から効果に疑念 経済 11月13日 2020年度の第3次補正予算案の策定が始まった政府内で経済産業研究所(RIETI)が6月にまとめた報告書が話題になっている。長年にわたり補正予算で巨額を計上してきた中小企業向けの「ものづくり補助金」について「政策効果があるとは言い切れない」と指摘したのだ。 ものづくり補助金は中小企業が試作品の開発や新サービスの導入、設備投資の費用に充てる経済産業省の補助金。生産性の向上につながる事業を公募して選 ものづくり補助金、身内から効果に疑念
「甘すぎた」サプライチェーン補助金 後味苦い財務省 経済 11月6日 2021年度予算編成が佳境を迎えつつあるなか、経済産業省が金額を定めない「事項要求」として要望したサプライチェーン強靱(きょうじん)化策が財務省内で議論の的になっている。20年度第1次補正予算で新設された補助金は募集額の10倍以上の応募があった。利用者が殺到する人気政策を継続することの何が問題なのか。 特定の国に生産拠点が集中する品目などについて国内拠点の整備費を助成する「サプライチェーン対策の 「甘すぎた」サプライチェーン補助金 後味苦い財務省
不妊治療、厚労省が悩む「患者負担の減らし方」 コラム(経済・金融) 医療・健康 10月30日 「不妊治療への保険適用を早急に実現する」。菅義偉首相は26日の所信表明演説で改めて高額な治療費を軽減する決意を述べた。ところが厚生労働省は医療制度の壁に直面。患者負担をどう減らすかに頭を悩ませている。 「不妊症は疾病とは言えない」との解釈から不妊治療は自由診療として扱われてきた。治療法や薬剤、機器はほとんどが保険外で、治療費は高額になりやすい。 負担緩和のカギを握るのは「混合診療」だ。保険適用さ 不妊治療、厚労省が悩む「患者負担の減らし方」