企業収益から見える日本経済の課題 株式投資 日経ヴェリタス 学ぶ 5月26日 2023年3月期の企業決算はどうなりそうか。上場企業ベースの純利益は報道によると過去最高となった。バブル後の高値を更新した株価もここにきて決算が支えになっている印象である。 筆者はマクロ・エコノミストなので、決算を予想する材料を経済統計の中から探し出して分析することとしたい。考える材料は財務省「法人企業統計」である。22年10〜12月までのデータを使うと、22年暦年の売り上げと経常利益の伸び率が 企業収益から見える日本経済の課題
金融リテラシー、「自信過剰」こそリスク ライフプラン 日経ヴェリタス 備える 5月19日 今年、金融業界では金融リテラシーの向上が大きなテーマになりそうです。昨年、私も議論に参加させていただいた金融審議会の「顧客本位タスクフォース」ではいくつかのテーマが議論されましたが、そのなかには中立的アドバイザーの定義や金融教育を推進する組織の必要性などが含まれていました。今年はそうした議論を踏まえて、具体的な仕組みや組織を準備する年になるでしょう。 資産形成とトラブル回避 ところでそもそも何の 金融リテラシー、「自信過剰」こそリスク
「年後半は株高」シナリオの死角 株式投資 日経ヴェリタス 株式 増やす 5月12日 昨年、主要国のインフレ率が高まる中で、株式と債券が共に下落して分散投資が役立たなかった。株式は長期的にインフレに強い資産であると言われており、投資家にショックを与えた。 インフレ下では企業の利益が伸びるため、株価が割高でない限り株式投資は高いリターンを上げると期待される。1960〜2022年、米国では消費者物価が年率3.7%上昇する中で、配当込みの株式のリターンは同10.0%だった。日本では消費 「年後半は株高」シナリオの死角
魅力あるストーリーで株価は上がる 株式投資 日経ヴェリタス 増やす 5月5日 日本株低迷は長期化しており、結果としてバリュエーション(投資尺度)は著しく低い。そこで東京証券取引所が上場企業に対して株価重視の経営改革を要請している。こうした取り組みは大いに評価したいが、株式市場に40年以上携わってきた筆者の感覚では、これらだけで株価が本格的に上昇するのは容易でないと思う。 2月26日号の当欄「割安日本株の逆襲が始まる」では、短期的に株価を上げる手段を紹介した。そこで今回は中 魅力あるストーリーで株価は上がる
シニアこそ個人旅行に出かけるべし 株式投資 日経ヴェリタス 備える 4月28日 4月の初めから10日間ほど妻と海外旅行に出かけた。筆者は団体旅行が嫌いで、国内であれ海外であれ、自由気ままに行ける個人旅行しかしないことにしている。 実は以前訪れたスペインのバスク地方にあるサンセバスチャンという街へ3年前に再び行く予定にしていたのだが、当時はコロナ禍で緊急事態宣言が出たばかりだったため、旅行を断念した。今回はそのリベンジということで出かけたわけである。 サンセバスチャンは世界一 シニアこそ個人旅行に出かけるべし
20代が活躍する企業を見極めよ 株式投資 日経ヴェリタス 増やす 4月21日 4月は新入社員が職場に配属される時期。希望にあふれた顔つきの新入社員だが、しばらくすると辞めてしまう人も多い。 厚生労働省は新卒入社の社員が3年以内に離職する割合を毎年発表しているが、これを見ると過去25年間、離職率は33%前後で推移している。 従業員1000人以上の大手企業の場合、3年以内の離職率は20.5%(2009年)から26.5%(17年)へと、毎年少しずつ上がってきている。 せっかく入 20代が活躍する企業を見極めよ
たまる金融不安のマグマ 株式投資 日経ヴェリタス 学ぶ 4月14日 3月上旬から米銀が連鎖的に3行破綻した。その直後に、スイス大手銀の経営不安に飛び火する。スイス政府は速やかに合併を促して鎮静化を図った。だが、筆者はまだ危機が去ったとは思っていない。足場が不安定な状態はしばらく続くと覚悟しておく方がよいとみる。 ひとつの教訓を示しておこう。かつてのリーマン・ショックのときの経過である。 リーマン・ブラザーズの破綻は2008年9月。その前に米連邦準備理事会(FRB たまる金融不安のマグマ
シニアが日本の「資産」になる ライフプラン 日経ヴェリタス Think! コラム 備える 4月7日 地方自治体の方と60代の地方都市移住の可能性について話をしたときに、60代よりは「子どものいる若い世代が来てほしい」と反論されました。確かに60代はあと10〜20年もすると介護などの負担が増えますから、移住によって人口が増えても自治体には負担も増え、近い将来の"負債"になるとみているのでしょう。しかし、違った目線を持つと、60代、70代こそが、その地域の経済ひいては日本経済を救う"資産"になるの シニアが日本の「資産」になる
植田日銀、日本株は長期上昇気流に乗る 株式投資 日経ヴェリタス 植田和男氏 コラム 増やす 3月31日 植田和男新総裁下の日銀は、政策を大きく転換するとみられる。そして筆者は、それが長期的に日本株にとって大いにプラスになると期待している。 植田氏の優れた分析力と判断力を示すエピソードが、ゼロ金利解除への反対だ。2000年初、世界的にIT(情報技術)バブルが崩壊し、00年2月高値から03年3月安値まで東証株価指数(TOPIX)は56.1%下落した。さらに、当時は厳しいデフレが続いていた。ところが日銀 植田日銀、日本株は長期上昇気流に乗る
90歳までにお金を使い切るという発想 株式投資 日経ヴェリタス コラム 備える 3月24日 作家の森博嗣氏が書いた「お金の減らし方」という本がある。これはなかなか面白い本で、氏が述べている「お金に振り回されて生きるのではなく、楽しくお金を使って生きるべきだ」という考え方は、我々シニア層にとっては実に示唆に富む内容だった。 森氏は、人生を通じて自分の好きなことをするためにお金を使おうということを主張している。収入の一定割合をあらかじめ好きなことに使ってしまおうという「天引き消費」という考 90歳までにお金を使い切るという発想