自然に身を浸し、踏み出せ 海のカナリアに聞く 12月27日 0歳の君は自然豊かな海や山へ出かける機会はどれほどあるだろうか。インターネットが進化し、端末の前にいるだけで世界の名所を実際に行ったかのように楽しめるかもしれない。私(33)は仕事や人生に悩むといつも山などを訪れ、美しい自然から生きる力をもらってきた。ところが最近自然が失われている。新たな生きる力を求め、島民自ら自然保護に立ち向かう沖縄県の慶良間諸島を訪ねた。 沖縄本島からフェリーで西へ1時間半 自然に身を浸し、踏み出せ 海のカナリアに聞く
AI時代こそ失敗に学ぶ 脱・受け身の思考 12月20日 学習イコール暗記。そんな小中高校時代を過ごした僕(36歳)とは異なり、君たちの周りには人工知能(AI)を搭載したデバイスが整い、計算や語学も大いにサポートしてくれるに違いない。「生きる力」と言うけれど、どんな能力が必要なんだろう。 アップルにグーグル……、平成に新しく登場した商品やサービスの発信源は米西海岸のシリコンバレーだった。1月、そんなイノベーションの聖地とも呼べる場所にユニークな高校が誕 AI時代こそ失敗に学ぶ 脱・受け身の思考
人生100年職は変えるもの 学び直しで三毛作 12月19日 坂本龍馬(享年31)やモーツァルト(同35)のように、40年も生きずに歴史を変えた偉人や名作を残した芸術家は数知れない。一昔前まで人生50年、太く、短い生き方も多かったろう。だが今や人生80年、そして君たちには100年近い時間がある。 僕(41)が生まれた頃、男子平均寿命は70余年。大学を出て定年まで一つの会社に勤め上げ、あとは悠々自適でちょうどよかった。「人生100年時代」にはレールに乗ってい 人生100年職は変えるもの 学び直しで三毛作
AI 過信せず付き合う 姿形を超えた仲間 12月6日 「平成」の次の時代の社会像を探る「ポスト平成の未来学」の連載も終わりに近づいた。最終部の4話はポスト平成を生きる、いま0歳の君にメッセージを残したい。 平成生まれの若者がインターネット革命の中で育ったように、0歳の君は人工知能(AI)の進化とともに成長するのだろう。どんな形でAIと共に働き、暮らすのか。ヒントを求めて私(35)はAIが働く"職場"を訪ねた。 「いらっしゃいませ」。三菱UFJモルガ AI 過信せず付き合う 姿形を超えた仲間
冬眠が導く不治なき世界 死期を延ばす 科学&新技術 11月29日 不治の病にかかったとき、特効薬が開発される日まで冬眠できないか――。人類の生存を脅かす感染症などを克服してきた歴史からみれば、こんなSFのような未来が実現するかもしれない。人体凍結に向けた取り組みはないのか。ヒントを求めて私(30)は静岡市に向かった。 「『キモカワ』で女子に人気なんですよ」。静岡大学の岡田令子講師は研究室にある飼育ケースの内側に張り付いたアマガエルを見ながらこう話す。その横では 冬眠が導く不治なき世界 死期を延ばす
デジタル遺品、生前管理へ さまよう故人データ 11月22日 2016年に交通事故で亡くなった友人のSNS(交流サイト)アカウント。久しぶりに名前を検索してみると、亡くなる1カ月前に友人限定で投稿した写真は色あせず、当時のまま残っていた。 故人が現世に置いていったスマートフォン(スマホ)やSNSアカウントは「デジタル遺品」と呼ばれる。デジタル化で思い出を整理したり、残したりすることは容易になった。だが暗証番号や生体認証など生前に個人を守っていた技術が、故人 デジタル遺品、生前管理へ さまよう故人データ
迫る多死社会 死は皆で悼む都市の日常になる 11月15日 高齢化社会の先に待つ「多死社会」。大都市では墓地や火葬場の不足は避けられず死を悼む行為そのものが大きな負担となりかねない。日常と折り合いをつけながら大切な人たちを身近に悼み続けることはできないのか。私(48)は都市における新しい悼み方を探る人たちを訪ねてみた。 まず向かったのは東京・牛込柳町、神楽坂近くの幸国寺だ。都内で納骨堂は増えているが、ここの「琉璃(るり)殿」は一風変わっている。 「仏教で 迫る多死社会 死は皆で悼む都市の日常になる
「生きた証し」誰に 大相続時代、さらに多様化 経済 11月8日 人が亡くなれば相続が生じる。日本で1年間に相続されるお金は50兆円以上という推計もある。僕(34)の両親はまだ60歳代で幸い元気だ。だから遺産を受けることも、ましてや贈る未来もあまり想像できない。しかし価値観や家族のあり方が多様になり、相続のかたちも変わりつつあるという。相続は長い人生の決算。どんな変化があるのか、探ってみた。 「留学生を大事に」交流会館建設費用を寄付 東京工業大学の大岡山キャンパ 「生きた証し」誰に 大相続時代、さらに多様化
自分らしい人生の最期とは 自宅で穏やかなみとり 11月1日 日本は年間約130万人以上が亡くなる「多死社会」だ。ピークの2039年の予想死者数は約166万人となり「みとりの場」が足りなくなると懸念されている。今は約8割が医療機関で亡くなっているが、自宅で最期を迎えたいと願う人は多い。どう人生の終末期を迎えるのか。よりよい、自分らしい最期とは何か。元気なうちに考える必要があるかもしれない。 在宅での終末期医療 重い病を抱えていても、患者が望む「穏やかな最期」 自分らしい人生の最期とは 自宅で穏やかなみとり
太陽光と風、砂漠の恵み ゴビの潜在力 10月25日 広大な砂山を悠々と歩むラクダの列。満天の星空。記者(40)の抱く砂漠はどこか幻想的だった。だが実際は雨が極端に少なく、気温変化も激しい、人間が暮らすには過酷な場所。そんな極地に潜在する力を引き出す計画がモンゴルで動き出していると知り、ゴビ砂漠に飛んだ。 10月上旬の夜、氷点下に冷え込む首都ウランバートルに降り立つ。翌早朝から車で南東へ走ること約650キロメートル、中国との国境近くのザミンウードに 太陽光と風、砂漠の恵み ゴビの潜在力