低成長で税収増の不思議 22年度、初の70兆円超えへ 税・予算 新型コロナ 経済 5月27日 経済が成長すれば税収が増えるという連動が崩れている。日本の2020年度の税収はマイナス成長にもかかわらず60兆円強と過去最高で、22年度も70兆円を超すペースだ。本来は個人消費や企業業績が拡大すると税収が伸びる構図で、いびつともいえる。新型コロナウイルス禍からの回復途上なのになぜ税収が増えるのか。 税収は物価上昇などの影響を加味した名目国内総生産(GDP)に連動しやすいとされ、国際的にもその傾向 低成長で税収増の不思議 22年度、初の70兆円超えへ
転職増加、賃金の「天井」突く 3人に1人が1割以上増 Think! 経済 5月13日 【この記事のポイント】・中途採用の平均年収は2023年に3%上がった・これまで給与水準が下がる「キャリアダウン型」が多かった・経済の好循環を生み出す人材の流動性を高められるか 転職が賃上げのけん引役になりつつある。中途採用の平均年収は2023年に約3%上がり、平均賃金上昇率の1.2%を上回った。国内の転職は給与水準が下がる「キャリアダウン型」が多かったが、22年は1割以上増えた人が過去最高の33% 転職増加、賃金の「天井」突く 3人に1人が1割以上増
東京の夜の光、コロナ前比1割減 曲がり角の飲食文化 経済 5月6日 【この記事のポイント】・22年の東京の光量はコロナ前より1割少ない・六本木や新宿など繁華街の落ち込みが顕著・ナイトエコノミーの新たな需要開拓カギ 東京の夜の明るさが戻らない。衛星データでみた2022年の光量は新型コロナウイルス禍前より1割少ない。パリやロンドンなどは既に復活している。コロナの影響にとどまらず、仕事の延長のつきあいが多かった日本の飲食文化のもろさも浮かぶ。観光客や家族連れでも安心して 東京の夜の光、コロナ前比1割減 曲がり角の飲食文化
農業再生、企業が耕す 販売額比率4割に拡大 Think! ネット・IT サービス・食品 4月29日 農業への企業型経営の導入が浸透してきた。法人経営は3万2200社と5年で3割増え、国内で生産された農産物の販売額に占める割合も4割に達した。異業種の参入や大規模農家の企業への転換が進む。日本の農業は主要国で突出して高齢者の比率が高い。農業離れが進むなか、若い世代を取り込む受け皿になりつつある。 千葉県柏市の大規模農場。22棟のハウスが並び、イチゴの栽培棟では農薬を散布するロボットが動き回る。日射 農業再生、企業が耕す 販売額比率4割に拡大
訪日消費回復、地方の出番 富裕層に温泉やゴルフ人気 インバウンド 4月22日 インバウンド(訪日客)消費で地方の伸びが鮮明だ。カード決済や携帯位置情報といったデータを分析すると温泉やゴルフ場が人気で、山形県や佐賀県などは新型コロナウイルス禍前を大きく上回る。アジアの富裕層を意識した誘致戦略が功を奏している。安定した成長軌道に乗るには、受け皿の宿泊業の人手不足などが壁になる。 3月下旬、山形県の銀山温泉は外国人客でにぎわっていた。インドネシアから家族で訪れた建築家のノビー・ 訪日消費回復、地方の出番 富裕層に温泉やゴルフ人気
留学生は「グローバルサウス」へ 学費・就職機会に魅力 グローバルサウス Think! 南西ア・オセアニア 中東・アフリカ 4月15日 新興国の大学に留学する学生が世界で急増している。かつては米英など先進国で学ぶのが一般的だったが、グローバルサウス(南半球を中心とする新興国・途上国)の台頭で、トルコやアルゼンチンなど、「南」に向かう流れが顕著だ。グローバル人材育成の裾野が広がっているが、日本は乗り遅れ気味だ。 トルコの大学で外国人留学生が増えている。2020年には、20年前の10倍となる18万人を受け入れた。アンカラ大で国際関係 留学生は「グローバルサウス」へ 学費・就職機会に魅力
データセンター、東京圏で急増 中国回避で「特需」 コラム 4月9日 東京圏でデータセンターが急増している。施設規模は今後3〜5年で倍に膨らんでシンガポールを抜き、アジア首位の北京に迫る見通しだ。デジタル化の加速で高まる需要が、経済安全保障の観点から中国を避ける流れにも乗って集まる。勢いを保つには、割高な電力コストを低減する構造改革も欠かせない。 グーグル、アマゾン・ドット・コム、NEC――。千葉県印西市には国内外のIT(情報技術)企業が使う巨大データセンターが立 データセンター、東京圏で急増 中国回避で「特需」
「影の金利」米国で2%弱、インフレ再加速を警告 Think! 4月2日 【この記事のポイント】・量的緩和を勘案すると実際の政策金利を下回る・景気抑える効果は限定的、インフレが再加速も・金融不安への対応とバランスが問われる局面に 米連邦準備理事会(FRB)による金融政策のかじ取りが難しさを増している。インフレ抑制のために利上げを続ければ金融不安を強めかねず、バランスが問われる局面に入ってきた。総合的な引き締め度合いを試算した「影の金利」は政策金利で2%弱と実際の4.75 「影の金利」米国で2%弱、インフレ再加速を警告
日本の賃金「時給」は増加 時短先行、付加価値が課題 Think! 経済 3月26日 【この記事のポイント】・時間当たり賃金は10年で12%増、雇用の多様化が背景・労働時間や密度減による「ステルス賃上げ」の可能性も・「守りの生産性向上」で経済を縮小均衡に陥らせかねず 日本は低成長が続き、賃金も伸び悩んできた。尺度を変えると違った姿も浮かぶ。賃金は時間あたりなら直近10年間で12%増えている。雇用形態の多様化や働き方改革で年間の労働時間が7%減ったのが大きい。時給上昇の3分の2が効率 日本の賃金「時給」は増加 時短先行、付加価値が課題
「住宅難民」東京から隣県へ 30・40代、転出超過2万人 Think! 生活 3月19日 ■住宅費高騰の東京都から周辺3県には転出者が超過 ■転入者受け入れへ新築住宅が増えればだぶつく懸念 ■シニアを既存住宅に誘致して地域活性化を果たす県も 「住宅難民」東京から隣県へ 30・40代、転出超過2万人
インフレが問う貯金神話 実質目減り、48年ぶり規模 株式 為替・金利 海外 投資信託 3月12日 【この記事のポイント】・インフレが家計の資産の目減りにつながり始めた・2022年の預金の購買力低下度合いは48年ぶり規模に・デフレ時代の預貯金偏重に転機。投資機会探る動きも インフレが家計の資産を静かにむしばんでいる。2022年には、預貯金の購買力の低下度合いが48年ぶりの大きさとなった。物価が下がるデフレ環境では成功だった預貯金偏重が問われている。 「個人が肌感覚でインフレを実感し始めたのが大き インフレが問う貯金神話 実質目減り、48年ぶり規模
先細る日本の「ノーベル賞人材」 30年代に受賞者急減も ノーベル賞 Think! 科学&新技術 3月5日 【この記事のポイント】・世界で高い評価を受ける日本人研究者は14年と比べ半減した・注目される論文数も2000年代前半の世界4位から12位に後退・日本人のノーベル賞受賞が2030年代に急減する可能性がある 日本で将来のノーベル賞候補となる先端研究人材が減っている。世界で注目される論文数はピークから2割近く減り国別順位で12位と2000年代前半の4位から後退した。優れた成果を出す研究者も14年から半減 先細る日本の「ノーベル賞人材」 30年代に受賞者急減も
高被引用研究者(HCR)とは 高評価の論文執筆、米最多 科学&新技術 3月5日 ▼高被引用研究者(HCR) 他の研究者の論文に多数引用される論文を執筆した研究者。科学研究は先人の研究成果の上に新しく得られた知を積み重ねるため、研究者は学術論文の中で参考にした先行研究の論文を引用する。重要な研究成果ほど応用される裾野が広く高頻度で引用され、評価が高いことを示す。 英調査会社クラリベイトは引用される回数が多い上位1%の論文を過去10年に複数出した研究者を「高被引用研究者(Hig 高被引用研究者(HCR)とは 高評価の論文執筆、米最多
生成AIにマネー流入、企業価値2年で6倍 ChatGPTで脚光 ChatGPT Think! ネット・IT 2月26日 【この記事のポイント】・世界の生成AI企業の価値は480億ドルと2年で6倍に拡大・生成AI企業への22年の投資額は21億ドルで20年比10倍に・長所と短所を見据え、いかに活用していくかが問われている 文章や画像を自動生成する人工知能(AI)への投資が活発になっている。米マイクロソフトが投資する米オープンAIを筆頭に多くのスタートアップが巨額の資金調達に成功。世界の生成AI企業の価値は計約480億ド 生成AIにマネー流入、企業価値2年で6倍 ChatGPTで脚光
生成AI企業価値ランキング、OpenAIが首位の290億ドル ChatGPT スタートアップ ネット・IT 2月26日 人工知能(AI)を活用した文章などの自動生成技術を持つ企業が急成長している。オランダの調査会社ディールルームによると、未上場で企業価値10億ドル以上のユニコーン企業がすでに6社誕生し、1億ドル以上の新興勢は30社以上に達する。大手テック企業による投資競争も激しくなっている。 ディールルームによると、生成AIの企業価値トップは米マイクロソフトが投資する米オープンAI。利用者が1億人を超えたといわれ 生成AI企業価値ランキング、OpenAIが首位の290億ドル
中国「エネルギー消費」再起動 世界のインフレ左右 Think! 商品 2月19日 中国が原油などエネルギーの輸入を増やしはじめている。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」政策を突如終え、落ち込んでいた需要が急速に回復してきた。中国の景気低迷はエネルギー価格の抑制要因だった。今年は一転、上昇圧力となり、インフレ沈静化を目指す世界の懸念材料になる。 中国「エネルギー消費」再起動 世界のインフレ左右
核戦力、危うい「2極崩壊」 中国台頭で米ロ以外1割超 北朝鮮 Think! 中国・台湾 朝鮮半島 政治 2月12日 【この記事のポイント】・中国が核弾頭を増やし米ロ2極から米中ロの三つどもえに・力の均衡による抑止が機能しにくく核はさらに拡散の動き・核兵器を持たない日韓は米国と結束して作戦を練る必要 世界の核戦力のバランスが変わってきた。中国が第3の勢力として台頭し、冷戦期から続いた米国と旧ソ連・ロシアの「2極」がほぼ独占する構図が崩れた。インドやパキスタン、北朝鮮などにも拡散し、核軍縮は停滞し始めた。勢力図が複 核戦力、危うい「2極崩壊」 中国台頭で米ロ以外1割超
糖尿病、過食の新興国蝕む アジア・アフリカ45年に5億人 新型コロナ ASEAN Think! 東南アジア 南西ア・オセアニア 2月5日 アジア・アフリカ地域で糖尿病患者が急増している。経済成長とともに過食による肥満が増えたことや、新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖や外出制限で運動量が減ったことも重なった。放置すれば、心臓病や脳卒中、失明などの深刻な合併症を引き起こす。健康寿命を延ばすための対策が急務となる。 南アジアのパキスタンでは2021年までの10年間で糖尿病患者が5.2倍に急増した。20〜79歳の人口の3割が糖尿病 糖尿病、過食の新興国蝕む アジア・アフリカ45年に5億人