フェイクニュースに弱い日本 確認法「知る」2割どまり Think! 東南アジア 6月3日 民主主義を支える正確な情報。その基盤を脅かすフェイクニュース(偽ニュース)に日本の備えが乏しい。日本経済新聞などの調査で、情報の真偽を確認する「ファクトチェック」の手段を知る人の割合はアジア主要国で最下位に沈んだ。監視機関も海外に比べて少ない。人工知能(AI)の普及で、ネット上には本物と見分けのつかない画像もあふれる。対策の強化が急がれる。 この2月、ベネズエラで数百万人が休暇中に旅行に出かけた フェイクニュースに弱い日本 確認法「知る」2割どまり
低成長で税収増の不思議 22年度、初の70兆円超えへ 税・予算 新型コロナ 経済 5月27日 経済が成長すれば税収が増えるという連動が崩れている。日本の2020年度の税収はマイナス成長にもかかわらず60兆円強と過去最高で、22年度も70兆円を超すペースだ。本来は個人消費や企業業績が拡大すると税収が伸びる構図で、いびつともいえる。新型コロナウイルス禍からの回復途上なのになぜ税収が増えるのか。 税収は物価上昇などの影響を加味した名目国内総生産(GDP)に連動しやすいとされ、国際的にもその傾向 低成長で税収増の不思議 22年度、初の70兆円超えへ
転職増加、賃金の「天井」突く 3人に1人が1割以上増 Think! 経済 5月13日 【この記事のポイント】・中途採用の平均年収は2023年に3%上がった・これまで給与水準が下がる「キャリアダウン型」が多かった・経済の好循環を生み出す人材の流動性を高められるか 転職が賃上げのけん引役になりつつある。中途採用の平均年収は2023年に約3%上がり、平均賃金上昇率の1.2%を上回った。国内の転職は給与水準が下がる「キャリアダウン型」が多かったが、22年は1割以上増えた人が過去最高の33% 転職増加、賃金の「天井」突く 3人に1人が1割以上増
東京の夜の光、コロナ前比1割減 曲がり角の飲食文化 経済 5月6日 【この記事のポイント】・22年の東京の光量はコロナ前より1割少ない・六本木や新宿など繁華街の落ち込みが顕著・ナイトエコノミーの新たな需要開拓カギ 東京の夜の明るさが戻らない。衛星データでみた2022年の光量は新型コロナウイルス禍前より1割少ない。パリやロンドンなどは既に復活している。コロナの影響にとどまらず、仕事の延長のつきあいが多かった日本の飲食文化のもろさも浮かぶ。観光客や家族連れでも安心して 東京の夜の光、コロナ前比1割減 曲がり角の飲食文化
農業再生、企業が耕す 販売額比率4割に拡大 Think! ネット・IT サービス・食品 4月29日 農業への企業型経営の導入が浸透してきた。法人経営は3万2200社と5年で3割増え、国内で生産された農産物の販売額に占める割合も4割に達した。異業種の参入や大規模農家の企業への転換が進む。日本の農業は主要国で突出して高齢者の比率が高い。農業離れが進むなか、若い世代を取り込む受け皿になりつつある。 千葉県柏市の大規模農場。22棟のハウスが並び、イチゴの栽培棟では農薬を散布するロボットが動き回る。日射 農業再生、企業が耕す 販売額比率4割に拡大
訪日消費回復、地方の出番 富裕層に温泉やゴルフ人気 インバウンド 4月22日 インバウンド(訪日客)消費で地方の伸びが鮮明だ。カード決済や携帯位置情報といったデータを分析すると温泉やゴルフ場が人気で、山形県や佐賀県などは新型コロナウイルス禍前を大きく上回る。アジアの富裕層を意識した誘致戦略が功を奏している。安定した成長軌道に乗るには、受け皿の宿泊業の人手不足などが壁になる。 3月下旬、山形県の銀山温泉は外国人客でにぎわっていた。インドネシアから家族で訪れた建築家のノビー・ 訪日消費回復、地方の出番 富裕層に温泉やゴルフ人気
留学生は「グローバルサウス」へ 学費・就職機会に魅力 グローバルサウス Think! 南西ア・オセアニア 中東・アフリカ 4月15日 新興国の大学に留学する学生が世界で急増している。かつては米英など先進国で学ぶのが一般的だったが、グローバルサウス(南半球を中心とする新興国・途上国)の台頭で、トルコやアルゼンチンなど、「南」に向かう流れが顕著だ。グローバル人材育成の裾野が広がっているが、日本は乗り遅れ気味だ。 トルコの大学で外国人留学生が増えている。2020年には、20年前の10倍となる18万人を受け入れた。アンカラ大で国際関係 留学生は「グローバルサウス」へ 学費・就職機会に魅力
データセンター、東京圏で急増 中国回避で「特需」 コラム 4月9日 東京圏でデータセンターが急増している。施設規模は今後3〜5年で倍に膨らんでシンガポールを抜き、アジア首位の北京に迫る見通しだ。デジタル化の加速で高まる需要が、経済安全保障の観点から中国を避ける流れにも乗って集まる。勢いを保つには、割高な電力コストを低減する構造改革も欠かせない。 グーグル、アマゾン・ドット・コム、NEC――。千葉県印西市には国内外のIT(情報技術)企業が使う巨大データセンターが立 データセンター、東京圏で急増 中国回避で「特需」
「影の金利」米国で2%弱、インフレ再加速を警告 Think! 4月2日 【この記事のポイント】・量的緩和を勘案すると実際の政策金利を下回る・景気抑える効果は限定的、インフレが再加速も・金融不安への対応とバランスが問われる局面に 米連邦準備理事会(FRB)による金融政策のかじ取りが難しさを増している。インフレ抑制のために利上げを続ければ金融不安を強めかねず、バランスが問われる局面に入ってきた。総合的な引き締め度合いを試算した「影の金利」は政策金利で2%弱と実際の4.75 「影の金利」米国で2%弱、インフレ再加速を警告
日本の賃金「時給」は増加 時短先行、付加価値が課題 Think! 経済 3月26日 【この記事のポイント】・時間当たり賃金は10年で12%増、雇用の多様化が背景・労働時間や密度減による「ステルス賃上げ」の可能性も・「守りの生産性向上」で経済を縮小均衡に陥らせかねず 日本は低成長が続き、賃金も伸び悩んできた。尺度を変えると違った姿も浮かぶ。賃金は時間あたりなら直近10年間で12%増えている。雇用形態の多様化や働き方改革で年間の労働時間が7%減ったのが大きい。時給上昇の3分の2が効率 日本の賃金「時給」は増加 時短先行、付加価値が課題