コロナが招く「分断景気」 過熱と冷え込み混在 経済 1月24日 新型コロナウイルスが引き起こす混乱で景気の「デカップリング(分断)」ともいえる状況が起きている。半導体や自動車など製造業が急回復し過熱感すら漂う一方、旅行や外食などサービス業は冷え込みから抜け出せない。物価は強弱が入り交じり、金融緩和が招く株高は実体経済との乖離(かいり)が鮮明だ。インフレとデフレの両方の懸念が併存する異例の状況は経済・金融政策のかじ取りを難しくしている。 半導体大手ルネサスエレ コロナが招く「分断景気」 過熱と冷え込み混在
経済再生、脱炭素の試練 グリーン復興で欧州先行 経済 環境エネ・素材 1月17日 世界を大きな混乱に陥れた新型コロナウイルス危機には思わぬ副産物もあった。その一つが大幅な温暖化ガスの排出量の減少だ。もっとも経済活動の急収縮に頼った排出削減は経済の回復とともに後戻りしかねない。コロナ後の復興をどう脱炭素につなげていくか。グリーンリカバリーの知恵が問われている。 2020年は都市封鎖や工場停止で化石燃料の需要が減った。国際共同研究グローバル・カーボン・プロジェクトによると20年の 経済再生、脱炭素の試練 グリーン復興で欧州先行
雇用難、非正規・若者に集中 格差固定化も 新型コロナ 経済 1月10日 新型コロナウイルス禍で失業するにとどまらず、就労を諦める人が増えている。日米英など10カ国で働き手や働く意欲がある人の合計は2020年7~9月期に前年より少なくとも660万人減った。労働市場からの退出者の多くを占めるのは非正規雇用や若者など不安定な立場の人たちだ。株式市場の高騰で富裕層が潤う陰で民主主義や資本主義の足元を揺るがす貧富の格差が一段と拡大しかねない。 20年春以降の感染拡大の影響は、 雇用難、非正規・若者に集中 格差固定化も
東京郊外へ移住じわり 都心100キロ圏内に関心 神奈川 茨城 地域総合 東京 群馬 関東 千葉 埼玉 栃木 山梨 1月3日 新型コロナウイルスの感染拡大を境に、東京から人口が流出している。移住先として浮かぶのは主に東京都心から50~100キロメートル圏内だ。コロナ禍が東京一極集中に変化をもたらしつつある。 「通勤時間にこだわらない人も増えている」。 横浜銀行の担当者は、最近の住宅ローンの申込者の特徴に驚く。同行の2020年9~11月の住宅ローン受付件数は前年同期比4割強増。湘南地域や東京湾沿いが人気だ。太平洋に面した 東京郊外へ移住じわり 都心100キロ圏内に関心
コロナが促す企業選別 株価純資産倍率、20年ぶり格差 新型コロナ 川崎 健 編集委員 株式 12月27日 世界の株価指数が歴史的な高値をつける中、個別銘柄の株価の二極化が進んでいる。株価純資産倍率(PBR)でみると、銘柄間の格差はIT(情報技術)バブル以来20年ぶりの高水準に開いた。新型コロナウイルス下でも成長を期待できる銘柄に資金が集中する一方、環境急変に対応できないと判断された銘柄は放置されている。いずれ来る構造変化がコロナで早まったとの見方が強い。 11月に日経平均株価が29年ぶりの高値を記録 コロナが促す企業選別 株価純資産倍率、20年ぶり格差
転職停滞にスキルの壁 コロナ下で10年ぶり減 新型コロナ ネット・IT サービス・食品 12月20日 国内の労働移動が停滞している。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業などの雇用は縮小。IT(情報技術)や金融など今も雇用吸収の余力がある業種はあるが、求められる知識や技術の違いもあり業種をまたいだ転職が進まない。職業教育への助成など、転職を後押しする政策が求められている。 転職者数は近年、増加を続けていた。労働力調査によると19年は351万人と過去5年間で2割増え、比較可能な02年以降で最高だった 転職停滞にスキルの壁 コロナ下で10年ぶり減
債務不履行が世界で倍増 今年223社、経済に潜在リスク 企業決算 新型コロナ 企業業績・財務 為替・金利 12月13日 新型コロナウイルスの影響で債務の返済や利払いをできない企業が世界で増えている。2020年に社債の債務不履行(デフォルト)に陥った企業は足元で223社と前年の2倍に上る。金利が歴史的低水準にもかかわらず債務不履行が増えているのは、過剰債務企業がここ数年、世界で増殖しているためだ。市場がこうした企業への懸念を強め社債利回りが上昇すれば、倒産が増えて経済の波乱の芽となる可能性もある。 山西省系の国有企 債務不履行が世界で倍増 今年223社、経済に潜在リスク
異常降雨、アジアに脅威 経済停止リスク年8.5兆ドル 12月6日 地球温暖化による自然災害の増加がアジア経済の脅威になってきた。世界で河川水害などにより経済活動が停止する恐れのある場所の経済規模は、2030年時点で年間17兆ドル(約1770兆円)になることが日本経済新聞とNIKKEI Asiaの分析で分かった。中国やインドなどアジア地域の危険区域は半分の8兆5千億ドルを占める。被害を最小限に抑えるインフラ整備を急ぐ必要がある。 長江中流に位置する四川省楽山市。 異常降雨、アジアに脅威 経済停止リスク年8.5兆ドル
中国輸出シェア、再び増勢 2020年は過去最高ペース 経済 中国・台湾 11月29日 世界経済の「中国頼み」がまた鮮明になってきた。トランプ米大統領による対中分断政策と新型コロナウイルス感染拡大で物流が滞り、いったんサプライチェーン(供給網)の脱・中国依存の機運が高まった。しかし足元では世界主要国の輸出に占める中国のシェアが上昇し、過去最高を上回るペースだ。このほど合意した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定がさらに中国の存在感を高めるとの見方も出ている。 中国が高い 中国輸出シェア、再び増勢 2020年は過去最高ペース
経済の脱炭素 25年停滞 日本、技術革新が急務 環境エネ・素材 11月22日 温暖化ガスの排出削減を巡り、日本の産業界の足踏みが続いている。同じ国内総生産(GDP)を生み出すためにどれだけ二酸化炭素(CO2)を排出したかを国ごとに比較すると、日本は1990年代から横ばい。再生可能エネルギーが普及した欧州各国はこの間、2分の1から3分の1に圧縮した。日本政府は2050年に排出量を実質ゼロにする目標を打ち出すが、環境を軸に成長を探る世界は先を走っている。 「日本では再生エネ調 経済の脱炭素 25年停滞 日本、技術革新が急務