超情報社会、豊かさの向こうに危うい進歩 データの世紀 7月16日 企業や国がデータの力で競争力を高める「データエコノミー」が勃興する。ヒト・モノ・カネが生み出す情報資源は爆発的に増え、経済から政治、社会、日常の生活にまで影響を及ぼし始めた。技術革新は止まらない。私たちもいや応なく大きな変化を迫られる。 ■「滴滴使えず」 4月、中国・上海。飲食コンサルタントの小原あかねさん(48)は重い足取りで中心部へ向かう大通りを歩いていた。「街はどんどん洗練されるが、私には不 超情報社会、豊かさの向こうに危うい進歩
誰より知っている 「最適な広告」心を操作 データの世紀 7月17日 「うわ、またこの広告か……」。7月上旬、交際相手の実家に初めてあいさつに行った帰り道。都内の女性公務員(32)はフェイスブックにあふれる結婚式場や指輪の広告を見て顔をしかめた。「結婚はまだ職場でも秘密なのに、気持ち悪い」 検索、閲覧履歴などの個人情報を元に配信されるターゲティング広告。フェイスブックでは広告主が対象を細かく絞り込める。1億円以上の住宅を持つ資産家、遠距離恋愛中、大学中退者――。周 誰より知っている 「最適な広告」心を操作
AI依存どこまで マネー・信用…人生すら データの世紀 7月18日 2017年12月、米ロサンゼルス近郊。3カ月に及んだ人工知能(AI)の国際競技が幕を閉じた。世界90チーム以上の技術者が集結したが、人は脇役。戦いはAI対AIで繰り広げられた。 「現金支払機の画像にフィルターをかけ、防御システムを欺け」。課題を受けたAIが見えない空間で超高速の自動攻撃を繰り返す。街頭の監視カメラへの応用を想定した競技だ。攻撃側が認識を狂わせるノイズを埋め込むと、防御側のAIが検 AI依存どこまで マネー・信用…人生すら
消え去る業種、競争力はかけ算に データの世紀 ネット・IT 中国・台湾 7月18日 「40歳代男性、立ち上がっている」 「ここから先が車線、横断歩道はこの範囲」 中国・瀋陽近郊のオフィスビル。300人近い若手社員がパソコンに向かい、画面上の映像をマウスでなぞり続ける。 香港発の人工知能(AI)スタートアップ、センスタイムの「データ工場」だ。街頭カメラの動画1秒を24~30枚に分割し、人海戦術で意味をAIに教え込んでいく。すでに「数億人単位」(同社)の顔データを学習。そのデータに 消え去る業種、競争力はかけ算に
乱造されるフェイク、高騰する民主主義 データの世紀 ネット・IT 7月19日 不法移民問題で揺れる米国。6月、ネット空間で論争が巻き起こった。 「この残虐な行為に黙っていては駄目」。SNS(交流サイト)に著名歌手のジェニファー・ロペスさんが画像を投稿すると、即座に37万件もの「いいね!」がついた。 写っていたのは泣きじゃくる移民の女の子。トランプ政権の取り締まりで、親と引き離された悲劇の象徴として拡散した。だが後に父親と名乗る人物が否定、保守系メディアも一斉にフェイク情報 乱造されるフェイク、高騰する民主主義