世界標準の自動運転OSへ 無償公開でGAFAに挑む 自動運転 1月12日 巨大な自動車産業を根本から変える技術として、国内外の企業がしのぎを削る自動運転。その弱肉強食の世界で、海外の有力企業と手を組み、名をとどろかせているのがスタートアップのティアフォー(名古屋市)だ。創業者で最高技術責任者(CTO)を務める加藤真平(38)は自動運転の基本ソフト(OS)を世界に先がけて公開し、新たなプラットフォーマーとして頭角を現しつつある。 「ぜひ参加してもらえないでしょうか」―― 世界標準の自動運転OSへ 無償公開でGAFAに挑む
「正しい情報」ネット利用者へ 検索の主導権取り戻す 村山 恵一 政治 本社コメンテーター 1月5日 米国のIT(情報技術)起業家、ハワード・ラーマン(40)は「インターネットは壊れている」と考える。不必要な広告が目につき、古く誤った情報があふれる。これでは役立つ情報が人々のもとに届きにくい。 最高経営責任者(CEO)をつとめる米イエクストは、企業から最新の情報を集めナレッジグラフと呼ぶデータベースを構築。175を超す検索や地図サイト、音声アシスタントなどに正しい情報を流す。顧客は世界で2300 「正しい情報」ネット利用者へ 検索の主導権取り戻す
韓国の家庭に「本物のおいしさ」届ける スタートアップ 12月22日 自分の人生をかけて取り組む課題は何か--。韓国で食料品の早朝宅配サービスを手掛けるカーリーの創業者、キム・スラ(37)は10代の頃から悩み続けてきた。米国に留学し米ゴールドマン・サックスに入社、その後も米マッキンゼー・アンド・カンパニーなど華々しい経歴を重ねながら解を探し求めた。たどり着いたのが、31歳で始めた「マーケットカーリー」だった。 マーケットカーリーは主にソウル首都圏で展開する食料品中 韓国の家庭に「本物のおいしさ」届ける
投資利益を社会変革の原資に カリスマが見つけた解 Think! 北海道 株式 12月15日 株式投資家の片山晃(38)といえば、独学の企業分析でダイヤモンドの原石のような有望銘柄を見つけ出し、150億円もの個人資産を築いたカリスマだ。ところが、成功者の胸中にも一抹のむなしさがよぎることがある。「自分は何かを生み出したわけではない。投資は単なる金稼ぎゲームではないか」。こう自問した片山はいま、利益を社会変革に還元する企業グループの青写真を描く。 北海道新冠町の競走馬牧場「ハクレイファーム 投資利益を社会変革の原資に カリスマが見つけた解
難民の情熱 企業で生かして 日本での就労支援 12月8日 夜は24時間営業のファストフードで朝を待ち、日中は電車で寒さをしのぐ。2016年冬、当時大学院生だったNPO法人「WELgee(ウェルジー)」(東京・渋谷)代表、渡部カンコロンゴ清花(29)が東京で見た「難民」の姿は悲惨だった。 「当初は爆弾の落ちてこない日本に感謝したが、難民認定を待つばかりの毎日は生きている気がしない」。1人の難民のつぶやきが渡部の原点になった。難民と呼ばれる人々の多くは難民 難民の情熱 企業で生かして 日本での就労支援
「かっこよく、稼げる水産業」三陸から 後継者育成へ 12月1日 かつて世界一と呼ばれた日本の漁業がピンチにある。魚も漁師も減り続け「このままじゃ20年後、魚をとるやつおらんくなる」。水産業を「かっこよく、稼げる、革新的な産業にしよう」。阿部勝太代表理事(34)が率いる、若手水産事業者の団体、フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市)は6年で40人の新人漁師を育て上げた。その挑戦は、全国の浜を巻き込み始めている。 三陸のワカメ漁師の3代目として生まれた。 「かっこよく、稼げる水産業」三陸から 後継者育成へ
もっと身近な行政、デジタルで描く スタートアップ ネット・IT 11月24日 行政のデジタル化のラストチャンスだ――。行政手続きの非効率さの解消に取り組む異才がいる。グラファー(東京・渋谷)最高経営責任者(CEO)の石井大地(34)だ。医学部からプロの小説家になり、起業家に。IT(情報技術)を駆使し行政と市民の距離を近づける。 新型コロナウイルスの感染が広がる6月。神戸市は独自に設けた中小企業への補助金をオンラインで申請できるようにした。コロナ禍で打撃を受けた企業や個人に もっと身近な行政、デジタルで描く
フェンシングをエンタメに 意表突く発想でイメージ刷新 Tokyoオリパラ 11月17日 「やれることは全て注ぎ込んだ。ちょっと詰め込み過ぎたくらい」。9月に東京で開催されたフェンシングの第73回全日本選手権。新型コロナウイルスの影響で無観客開催を強いられたが、日本フェンシング協会会長の太田雄貴(34)は転んでもただでは起きなかった。 無観客を逆手に取り、「徹底的にリモートで楽しめる大会をつくった」。発光ダイオード(LED)を存分に使い、カメラアングルにこだわった迫力ある映像を「Ab フェンシングをエンタメに 意表突く発想でイメージ刷新
命のドローン、新興国飛ぶ 時速100キロで医療品輸送 スタートアップ サービス・食品 ヨーロッパ 11月10日 小型無人機ドローンが時速100キロメートル以上のスピードで南太平洋の島国バヌアツの空を駆け抜ける。医療施設がない過疎地に暮らす人々にワクチンを運ぶためだ。機体には「WINGCOPTER(ウイングコプター)」と書かれている。 「命を救うことこそが、ドローンの真の用途だ」。ドイツのヘッセン州ダルムシュタットに本社を置くドローン製造スタートアップ、ウイングコプターの最高経営責任者(CEO)のトム・プル 命のドローン、新興国飛ぶ 時速100キロで医療品輸送
空き家で自分らしい生き方を 被災地と都市つなぐ 住建・不動産 11月3日 宮城県石巻市。中心部から外れた砂利の駐車場の裏手に木造の平屋建てがある。築年数は推定70年。草が生い茂り、斜面の上にあるため通りかかっただけでは目につかない建物の中で、2人の職人がそれぞれ合板と洋裁による創作活動に打ち込む。 合同会社の巻組(石巻市)は、資産価値がほとんどなくなった空き家を改修し、住居やアトリエとして再生させる事業を手がける。収入が不安定だったり、活動場所に悩んだりしている芸術家 空き家で自分らしい生き方を 被災地と都市つなぐ