アカデミー賞「エブエブ」衣装デザイナー 日本と縁深く 3月24日 2023年の全米で、賞レースを総なめにしたのが映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」、通称「エブエブ」だ。全世界興行収入1億ドルを突破する大ヒット。ゴールデングローブ賞で2部門、全米映画俳優組合賞で最多4部門、アカデミー賞では作品賞など最多7部門で賞を獲得した。 内容は奇抜で、コインランドリーを営み、娘がLGBTQであることを悩むアジア系女性(ミシェル・ヨー)が、マルチバース アカデミー賞「エブエブ」衣装デザイナー 日本と縁深く
森鷗外「小倉日記」をたどる 中年の挫折と晩年の奮起 3月24日 小説家と陸軍医官。二足のわらじをはき続けた森鷗外の足跡を追うと、2つの疑問が浮かんできた。ひとつは、超エリートだった彼が37歳で九州の小倉に左遷されたという挫折を、どのように克服したのか。そして日本を代表する文豪となり、軍医として組織の頂点を極めた晩年、なぜ病をおして死の直前まで働き続けたのか。起点となる小倉に飛び、鴎外が残した「小倉日記」をたどって考えた。 失意の地で充電 器広げる 左遷先でど 森鷗外「小倉日記」をたどる 中年の挫折と晩年の奮起
高級アルパカで作るニット 南米先住民への思い乗せて 3月17日 「ファッションで社会を改革する」。そんな大きな目標を掲げる兄弟がいる。最上級のアルパカ素材でニット製品を手がける井上聡(さとる)さん(44)と清史(きよし)さん(42)だ。ブランド名は「ザイノウエブラザーズ」。真摯な仕事をするという誓いをこめて本名を使った。 アルパカは南米原産のラクダ科の動物で、コロンビア、ペルー、ボリビア、チリなどの高地で放牧されている。1日の寒暖差が大きく厳しい気候に鍛えら 高級アルパカで作るニット 南米先住民への思い乗せて
週末は哲学しよう 解なき時代、対話が生む考え抜く力 3月17日 時代が大きな節目にさしかかっていると、多くの人が感じているのではないだろうか。予想もしていなかった出来事が国内外で起き、新たな疑問が次々に浮かぶ。インターネットには膨大な情報があふれているが、答えはなかなか見つからない。頼りになるのは、むしろ心のモヤモヤを大切にし、問題を根本から考え抜く力だ。週末は哲学してみませんか。 「手ぶら」で訪れ、対話を始める JR西国分寺駅(東京都国分寺市)からすぐのと 週末は哲学しよう 解なき時代、対話が生む考え抜く力
WBC強豪国、ドミニカ共和国のパワー育むスープ WBC 窪田 直子 3月10日 3月8日に開幕する野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。過去4回行われた大会の優勝を日本、米国と分け合うのが、カリブ海の島国、ドミニカ共和国だ。野球は「国技」ともいわれ、ペドロ・マルティネス、サミー・ソーサら多数の選手を米大リーグに送り出してきた。野球をこよなく愛するドミニカ人。そのパワーの源が、主食のプラタノと呼ばれる緑色の料理用バナナと米だ。 「どちらも WBC強豪国、ドミニカ共和国のパワー育むスープ
ニッポンのイヌの物語 歴史が紡いだ人との絆を感じて 毛糠 秀樹 編集委員 3月10日 キッと顔を上げ、空を見据える。まっすぐで利発そうな面差しに、歴史がはぐくんだ人との良きパートナーシップがにじむ。新型コロナウイルス禍で犬との距離がさらに縮まったことに加えて、生物多様性の観点からも、天然記念物に指定されているような希少な種をはじめ、そのつながりは太さを増している。走れ、跳べ、ニッポンの犬たち! 人々の歴史に寄り添って 南北に長い日本列島で、多様な環境の中、人との絆を深めてきた犬た ニッポンのイヌの物語 歴史が紡いだ人との絆を感じて
東京の「今」見つめた観察眼 今和次郎の考現学 3月3日 100年前、関東大震災で瓦礫(がれき)の山と化した東京。復興の途上、新しい生活や風俗を得意のスケッチで記録し続けた学者がいた。「考現学」の生みの親、今和次郎(こん・わじろう)だ。過去を調べるのが考古学なら、考現学は目の前の出来事が相手。カフェ店員の服装、街ゆく人の髪形……。膨大な記録の数々は、人々の暮らしや復興の力強さを描き出す。路上を見つめ続けた今和次郎の視線は、形を変えながら生き続けている。 東京の「今」見つめた観察眼 今和次郎の考現学
日本の「すごい」を未来に 技術とデザインが出合う時 2月28日 代名詞はカラフルなニット素材のバッグ。市松模様やボーダー柄、ニットの伸縮によって色が見え隠れする配色の効いたものも。買い物袋のかたちをしたものや、着物の帯から着想を得たころんとしたフォルムなど、シンプルでありながら心くすぐるデザインだ。 2018年にスタートした日本のブランド「LASTFRAME(ラストフレーム)」。国内のセレクトショップはもちろんのこと、イギリス、イタリア、アメリカ、中国、シン 日本の「すごい」を未来に 技術とデザインが出合う時
摘みたて完熟イチゴの菓子 川崎の農家のパティスリー 2月24日 真っ赤に完熟した艶々(つやつや)のイチゴに思わず顔がほころぶタルトやショートケーキ……。口に運べばイチゴの香りがいっぱいに広がり、みずみずしい果汁と甘さがじゅわっと弾け、「イチゴって、こんなにおいしかったんだ!」と再発見の驚きと幸福感に包まれる。 ケーキを作るのは、2022年、川崎市麻生区早野のイチゴ農園内にオープンした「SLOW SWEETS(スロースイーツ)」。隣のハウスから運ばれた摘みたて 摘みたて完熟イチゴの菓子 川崎の農家のパティスリー
暮らすような温泉旅「湯治」 日本型バカンスに熱気 2月24日 数週間にわたって疲れた体をゆっくり温泉に浸して癒やし、またやってくる重労働の季節へ備える。農家をはじめ、かつて多くの日本人にとってなじみ深く、暮らしに溶け込んだ「湯治」は、日本のバカンスの原型ともいわれる。1泊2日のぜいたくを味わう温泉旅行に押されていたが、リモートワークなどライフスタイルの再考を機に、健康と心の豊かさをもたらし、今の暮らしに合う小さなバカンスとして人々を呼び寄せている。 暮らす 暮らすような温泉旅「湯治」 日本型バカンスに熱気