140円台達成も、円一段安阻む米長期金利4%の壁 ポジション コラム 為替・金利 編集委員 5月30日 円安・ドル高の勢いが再び強まり、円相場は1ドル=140円の節目をあっさり抜けた。米国の根強いインフレ圧力を受け、米利上げ継続観測から円売り・ドル買いに弾みがついたためだ。ただ、140円台達成は市場の想定範囲内の反応。むしろ円相場との連動性が強い米10年物国債利回り(長期金利)の上値の重さを意識し、一段の円売り・ドル買いに慎重な空気も消えていない。 「浮上する1ドル=140円説」。このコラムに、ち 140円台達成も、円一段安阻む米長期金利4%の壁
帰ってきたミセス・ワタナベ 日経ヴェリタス 為替・FX コラム 為替・金利 編集委員 増やす 5月28日 東京市場の為替相場動向に大きな影響力を持つ個人投資家の外国為替証拠金(FX)取引に異変が生じている。昨年秋には約32年ぶりに1ドル=150円の節目を超える大幅な円安・ドル高が進むなど、為替取引が再び活況を示すなかで、かつて「ミセス・ワタナベ」と呼ばれた中高年層の投資家が市場に帰ってきた。そして彼らの復活は、為替相場動向にも少なからぬ影響を及ぼしつつある。 昨年秋、FX仲介大手の外為どっとコムのコ 帰ってきたミセス・ワタナベ
消えた「悪い円安」 株高との好循環再び マネー底流潮流 Think! コラム 株式 為替・金利 編集委員 5月21日 日経平均株価が19日、バブル経済崩壊後の高値を更新した。株高の背景にあるのは、円安に再び弾みがつき、輸出企業の業績を押し上げるとの期待が高まったことだ。原材料価格の高騰を製品価格に転嫁しきれない「悪い円安」への警戒感が和らぎ、円安・株高の好循環の復活を後押ししている。 円安に対する市場の見方が一変した。象徴的な変化が、4月に入って輸出物価の前年比伸び率が輸入物価の伸び率を約2年ぶりに上回ったこと 消えた「悪い円安」 株高との好循環再び
インバウンド急回復、円安抑止の効果じわり ポジション コラム 為替・金利 編集委員 4月25日 歴史的な円安局面を下支えしてきた需給構造に変化の兆しが表れてきた。新型コロナウイルス発生後の経済混乱が収束に向かい始めているからだ。象徴的なのがインバウンド(訪日外国人)の急回復。ロシアのウクライナ侵攻も相まって高騰した資源価格の上昇も峠を越えつつある。米欧の大幅利上げによるインフレ沈静化を見据え、円安の進行にブレーキがかかる可能性が強まっている。 日本政府観光局が19日に発表した3月の訪日客数 インバウンド急回復、円安抑止の効果じわり
個人マネー、育てる時代へ 今こそ資産形成 マネーの未来面 編集委員 学ぶ 4月25日 日本に資産形成の時代が訪れようとしている。2022年から高校での金融教育が始まったのに続き、来年からは資産形成手段の柱になる少額投資非課税制度(NISA)が大幅に拡充される。金融商品の販売から、資産形成の支援へ。金融機関もまた、発想の転換を求められている。 54%から55%へ。家計の金融資産に占める現預金の割合は、この10年間でほとんど変わっていない。アベノミクスによる急激な円安・株高、新型コロナ 個人マネー、育てる時代へ 今こそ資産形成
植田日銀の緩和修正を読む 株式・外貨は当面慎重に 為替・FX 株式投資 国債・社債 住宅ローン 編集委員 増やす 4月21日 日銀の植田和男新総裁が就任した。最大のテーマは、前総裁の黒田東彦氏の下で進めてきた大規模金融緩和路線の修正だろう。新体制で市場環境はどう変わるのか。就任記者会見の言葉をひもときながら、個人の資産運用への影響を探ってみた。 「現状の経済・物価・金融情勢にかんがみると、現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)を継続することが適当であると考えております」 現行の大規模緩和は、とても複雑 植田日銀の緩和修正を読む 株式・外貨は当面慎重に
新生・植田日銀 「物価の番人」は復活するか マネー底流潮流 コラム 編集委員 4月2日 3月28日に成立した国の2023年度予算。歳出総額が11年連続で過去最大に膨らんだ要因の一つは物価高対策だ。値上げラッシュはなお収まらず、国民のインフレ不安も高まったままで、政策対応を求める声は引き続き強い。 ただ、どこかおかしい。歴史的なインフレに見舞われた米欧では、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などの中央銀行が大幅な利上げを続け、インフレ抑制の先頭に立った。「物価の番人」 新生・植田日銀 「物価の番人」は復活するか
世界に羽ばたく「クラフト醤油」 赤橙色のいざない The STYLE 編集委員 3月31日 醤油(しょうゆ)は何色か。赤橙色(せきとうしょく)の液体をそっと揺らすと、ときに艶やかな光を放つ。どこかで見た色。そう、ほの暗い木樽にじっと寝かされたウイスキーやワインと同じ輝きだ。日本各地の醤油蔵で新世代のつくり手たちが、個性に富んだ魅惑の味わいを世界に届けようと情熱を注いでいる。赤橙色に誘(いざな)われ、多種多彩な「クラフト醤油」の時代がいま幕を開ける。 風土が育む 世界に一つの味 日本国内 世界に羽ばたく「クラフト醤油」 赤橙色のいざない
よみがえる「ゆる円高」シナリオ ポジション コラム 編集委員 3月28日 2023年は緩やかな円高基調になるとの見方が再び強まってきた。世界的なインフレの勢いが次第に弱まる一方、米欧では大幅な利上げの反動で実体経済が減速・後退に向かい、急速に進んだ円安も反転するという見立てだ。利上げの副作用で金融不安などの兆候が表れ始めたことが「ゆる円高」シナリオを後押ししている。 「米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB) は、実体経済に深刻な悪影響を及ぼし得る金融システ よみがえる「ゆる円高」シナリオ
学べなかった金融スキマ世代 20〜30代、投資尻込み 日経ヴェリタス 家計 NISA Think! 編集委員 コラム 学ぶ 3月25日 最近出てきた個人マネーの数字は少し考えさせられるものになった。日銀が3月17日に発表した2022年10〜12月期の資金循環統計。22年末の個人金融資産は約2023兆円と過去最高を更新したが、このうち現預金も約1116兆円と過去最高になり、引き続き金融資産全体の半分以上を占めた。 ちょうど1年前。日本では若い世代を中心に米国株投資が活況を示した。22年4月から高校で金融教育が始まったほか、岸田文雄 学べなかった金融スキマ世代 20〜30代、投資尻込み