集団的自衛権、違憲から合憲へ 憲法のトリセツ 編集委員 コラム 政治 7月1日 長年のルールを変えようとすると、反発を招くのはどこの集団でも同じです。政府が2014年に集団的自衛権の行使に関する憲法解釈を違憲から合憲に変更し、翌15年に安全保障関連法(政府は平和安全法制関連2法と呼称)を制定した際にも、世論は大きく割れました。 国際情勢は常に変化するので、それに応じて法制度が変わることはあっておかしくありません。ただ、戦後日本の安保論争を振り返ると、「ここが限界で、さらに踏 集団的自衛権、違憲から合憲へ
首相が見据える2年後の総裁選 参議院選挙後もにらむ 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス Nikkei Views 編集委員 6月27日 参院選が22日に公示され選挙戦が始まったが、すでに政界では「ゲームセット感」が漂っている。話題の中心は選挙戦を通り越し、秋の臨時国会の召集前に見込まれる内閣改造・与党役員人事に向きつつある。 岸田文雄首相は選挙後、どこへ向かおうとしているのか。早期に衆院を解散しない限り、しばらく国政選挙がない「黄金の3年間」を迎えるので、政権は当分安泰である、との解説をよく耳にする。だが、首相の視線はそんな先に 首相が見据える2年後の総裁選 参議院選挙後もにらむ
10増10減が生む政変の芽 岸田政権の屋台骨揺るがす 岸田政権 参院選2022 Think! Nikkei Views 編集委員 6月20日 衆院の選挙区の1票の格差を是正するための新しい区割り案が発表された。人口が増えた地域に新しい選挙区を10カ所つくり、過疎地で10カ所削減する「10増10減」である。自民党内には、地盤である地方の議席が減ることへの異論が根強く、この案がすんなり実現するかどうかはなお不透明である。岸田文雄首相の足元を揺さぶり、政変を生む要因になりかねない。 本格攻防は参院選のあと 衆院選挙区画定審議会(区割り審)が 10増10減が生む政変の芽 岸田政権の屋台骨揺るがす
焼け太りに終わった国会の文通費改革 経費見える化渋る 岸田政権 参院選2022 Nikkei Views 編集委員 6月15日 きょう15日、通常国会が閉幕する。61本の政府提出法案がすべて成立する運びになるなど、岸田政権の思い通りの国会だった。与党主導になった最大の理由は、2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、国民の政府支持ムードが高まったからだが、その結果として内政の課題への関心は低下した。代表例が、国会議員の文書通信交通滞在費(文通費)の見直しである。 ■国会議員の収入は国民の10倍超 国会議員が国から受け取 焼け太りに終わった国会の文通費改革 経費見える化渋る
自衛隊の海外派遣は違憲なのか 憲法のトリセツ 編集委員 コラム 政治 6月1日 今回取り上げるのは自衛隊イラク派遣差し止め訴訟です。2003年に始まったイラク戦争に派遣された航空自衛隊が従事した空輸活動の是非が争われ、08年4月に名古屋高裁は「他国による武力行使と一体化した行動」であり、武力行使を禁じた憲法9条違反との判決を出しました。 中途半端な決着 この裁判をめぐっては賛否両論があります。判決は自衛隊の活動を違憲としつつ、原告である弁護士らが求めた損害賠償は認めず、形式 自衛隊の海外派遣は違憲なのか
タレント候補の損得勘定 参院選2022 風見鶏 編集委員 コラム 政治 5月28日 政治取材という仕事柄、夏にある参院選を無視はできない。だが、世の中一般はそうではあるまい。 野党の力弱さが目立ち、ほとんどの選挙区で大勢は決している。これでは有権者も投票所に足が向きにくいだろう。 棄権をよしとするわけにはいかないが、全国規模の国政選挙の投票率の最低記録(1995年参院選の44・52%)を下回っても不思議ではない状況だ。 新聞・テレビも今年の選挙報道はこぢんまりというところが多い タレント候補の損得勘定
復帰50年、なお沖縄を悩ます米軍基地 際立つ本土との差 岸田政権 沖縄復帰50年 Nikkei Views 編集委員 政治 5月14日 沖縄が日本に復帰して15日で半世紀の節目を迎える。第2次世界大戦後の米国統治が27年間なので、その2倍近いときが経過したことになる。 では、沖縄の人々が「アメリカ世(ゆ)」と呼んだ時代は過去のものになったのか。残念ながら答えはノーだ。50年前もいまも米軍基地が身近にあり、騒音被害や米軍人による事件・事故が相次ぐ生活が続いているからだ。 50周年に先立ち、沖縄県の玉城デニー知事は10日、岸田文雄首 復帰50年、なお沖縄を悩ます米軍基地 際立つ本土との差
自衛隊は違憲だが、同時に合法? 憲法のトリセツ 編集委員 コラム 政治 5月1日 憲法9条に関する裁判の話が続いたので、今回は学説の話を取り上げます。1970年代後半から80年代前半にかけて、与野党の動きに大きな影響を与えたのが、違憲合法論でした。自衛隊は憲法違反の存在だが、国会での手続きを経て発足した合法的な存在でもある、という考え方です。 「軍縮」の時代に生まれて この学説を提唱したのは、2020年に亡くなった小林直樹東大名誉教授です。余談ですが、筆者が学生時代に初めて受 自衛隊は違憲だが、同時に合法?
講和条約から70年 国家主権と国際ルールつなぐ法整備を Think! Nikkei Views 編集委員 4月28日 第2次世界大戦で敗れた日本が米国などと締結したサンフランシスコ講和条約が発効して、今年で70年になる。きょう4月28日はいわゆる「主権回復の日」である。国家主権の重要性は、ロシアのウクライナ侵攻によって再認識させられたが、一方で国際化の進展で国家主権と国際ルールがうまく合わない事例も増えている。両者をつなぐ法整備が必要だ。 4月28日は「主権回復の日」 28日を主権回復の日と呼ぶ運動を始めたのは 講和条約から70年 国家主権と国際ルールつなぐ法整備を
「1票の格差」どうするのか 識者に聞く 岸田政権 時論・創論・複眼 編集委員 4月25日 衆院選の1票の格差を巡る発言が相次ぐ。新たに導入する人口比を反映しやすいアダムズ方式により、都道府県ごとの定数が10増10減になるとわかると、自民党から「地方には迷惑な話」との反対論が出ている。定数是正はどうあるべきか。与野党幹部や選挙制度に詳しい識者に聞いた。 ◇ ◇ ◇ いますべきは10増10減 立憲民主党幹事長 西村智奈美氏 2016年に公職選挙法を改正した際、当時は民進党議員だっ 「1票の格差」どうするのか 識者に聞く