戦後の転換期だったあの頃 「Discover 70's」まとめ読み 新型コロナ 大島 三緒 坂口 祐一 和歌山 章彦 コラム 編集委員 1月10日 半世紀前の1970年代。高度成長期がピークから終幕に向かい、経済成長一本やりに対する懐疑は、人々を内面へと向かわせました。人と社会が大きく揺れ動いたあの時代を振り返り、その反照から現代に通ずる手掛かりを探したこの年末年始の社会面連載企画「Discover 70's」を紹介します。 国鉄キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」にアンノン族。「旅から学ぶ」空気が全国にあふれ、みながこぞって旅 戦後の転換期だったあの頃 「Discover 70's」まとめ読み
社会運動、手探りの半世紀 分厚い中間層と距離広がる 編集委員 1月3日 大学進学率が右肩上がりとなり、高等教育のマス化が進んだ1960年代後半。幅広い学生層が大学や社会の矛盾に目を向け始めた。校舎を封鎖しストライキをうつなど「学園紛争」が全国に広がったのである。 しかし、69年1月、東京大学に立てこもった学生らが警察に排除されたのを機に運動は退潮。代わって銃や爆弾を使い武装闘争を前面に出す新興の党派(セクト)が活発に動きだした。 1冊の文集がある。「回想」と題された 社会運動、手探りの半世紀 分厚い中間層と距離広がる
ようやく戻った鑑真由来の国宝 日中両国の「絆」示す 風紋 コラム(社会・くらし) 編集委員 11月15日 鑑真に由来する国宝が日本に戻った。昨年末、中国へ出品されながら、コロナの影響で現地に留め置かれていた。関係者の尽力で実現した帰還。両国の絆を示し、今後の示唆ともなる。 昨年12月、中国有数の規模を誇る上海博物館で日本の唐招提寺(奈良市)の宝物などの展覧会が始まった。開会式では同寺の西山明彦長老らが博物館の楊志剛館長と親交を深めた。 同寺の創建は鑑真和上。8世紀、6度目の航海で来日した唐の僧だ。会 ようやく戻った鑑真由来の国宝 日中両国の「絆」示す
特別史跡となった埼玉古墳群、地元支援や研究に期待 風紋 編集委員 8月2日更新 関東平野のほぼ中心、埼玉県行田市に位置する「埼玉(さきたま)古墳群」が今年3月、国から「学術上、特に価値が高く、わが国の文化の象徴にあたる」として「特別史跡」に指定された。令和に入り第1号、同県として初だ。全国では63件目。新型コロナウイルスの影響で記念の式典などは中止となったが、県や教育委員会などは「新たな特別史跡のモデルを」と知名度向上を狙う。 埼玉古墳群は県の名称のもととなった旧・埼玉村に 特別史跡となった埼玉古墳群、地元支援や研究に期待
コロナが変えた生活の「サイズ」 風紋 コラム(社会・くらし) 編集委員 5月10日 新型コロナウイルスの感染拡大は、地球規模のサプライチェーン(供給網)に甚大な影響をもたらした、といわれる。簡単にいえば、ものづくりの現場で、国をまたにかけた部品や製品、ヒトの往来にひどく支障をきたしているわけである。スマートフォンや自動車など身近な品々に影響は及ぶ。こんな例を筆頭に、未知の感染症との戦いは、私たちが心地よく享受してきた暮らしの「サイズ感」「規模感」のようなものに揺さぶりをかけてい コロナが変えた生活の「サイズ」
小正月の関連行事に見る日本のこころ 風紋 コラム(社会・くらし) 編集委員 2月16日 円すい状に積まれた正月飾りの塔のてっぺんにはササの枝が見える。高さ4メートルはあろうか。書き初めの失敗作もはられていた。 先月15日、京都市東山区の新熊野(いまくまの)神社であった「左義長(さぎちょう)」の神事。尾竹慶久・宮司の祝詞に続き、修験道の行者らがホラ貝を吹き鳴らし、般若心経の読経を繰り返す。大阪府泉佐野市の犬鳴山の寺院で修行したという。宮司によると神事は和歌山県の熊野本宮などで行われる 小正月の関連行事に見る日本のこころ
「弥生」の時代観に見直し迫る(風紋) 風紋 コラム(社会・くらし) 8月11日 水田での稲作が朝鮮半島から九州北部に伝わったのは紀元前10世紀――。国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が、「先史・古代」の常設の展示で大胆な見直しを今年おこなった。 36年前の開館以来で「弥生時代」の始まりが通説より500年もさかのぼったかたち。当時の列島の生活の多様性を指摘し、海を隔てた地域とのかかわりにも再考を迫る。現代につながる問題提起も含んでいるようで、興味は尽きない。 試みに、いま使わ 「弥生」の時代観に見直し迫る(風紋)
「国宝」運ぶ日本通運の専門チーム 失敗は許されない 毛糠 秀樹 コラム(ビジネス) 7月5日 奈良県宇陀市。山深い清流のほとりに室生寺の境内は広がる。 6月初め、快晴の朝。金堂を仰ぐ70段あまりの鎧坂(よろいざか)。しじまを破るように、上り口にユニホーム姿の男女がそろった。日本通運の面々だ。東京・上野の国立博物館での展示に向け、国宝や重要文化財の仏像を運び出す作業がまもなく始まる。いずれも千年をはるかに超え、生きとし生けるものを照らし続けてきた「みほとけ」たちだ。 関東美術品支店の山本千 「国宝」運ぶ日本通運の専門チーム 失敗は許されない