〈回顧2020〉ソニーとパナソニック 開いた差 編集委員 12月28日更新 新型コロナウイルス禍に明け暮れた2020年は多くの企業の明暗を分けたが、日本における代表例が20世紀の家電の両雄、ソニーとパナソニックだ。 「明」のソニーは業績快調。コロナ禍による「巣ごもり消費」が追い風になってゲームや音楽などが成長し、21年3月期の最終利益は前期比37%増の8千億円を見込んでいる。一方のパナソニックは長引く低迷から抜け出せない。今期は世界的な移動制限のあおりで航空機内の娯楽シ 〈回顧2020〉ソニーとパナソニック 開いた差
経営者が読むべき一冊 革新は「よそ者」とともに コラム 編集委員 12月27日 新型コロナで揺れた1年も幕を閉じるが、当欄では今年発刊されたビジネス書をいくつか取り上げたい。コロナによる移動制約で国境を越えた人の動きが減り、保護主義の機運も依然として世界を覆っている。そんな世情にあえて逆らうように、外部とのつながりの重要性を説いたのが戸堂康之著「なぜ『よそ者』とつながることが最強なのか」(プレジデント社)だ。 早大教授の著者は「よそ者」との交流からイノベーションが生まれ、組 経営者が読むべき一冊 革新は「よそ者」とともに
市場が映す企業の浮沈 乏しい成長力、日本の弱み 編集委員 核心 12月21日 2020年は新型コロナに揺れた1年だったが、上場企業への影響は航空など一部業種を除き比較的軽微だった。その証左が少し過熱気味ともいえる世界的な株高だ。ただ水準の妥当性に疑問符がつくとしても、株式市場が企業の盛衰を映す鏡であることに変わりはない。マーケットから見える、産業風景の「今」を読み解いてみよう。 日本ではあまり騒がれなかったが、筆者が時代の移り変わりを強く感じたのは米エクソンモービルが8月 市場が映す企業の浮沈 乏しい成長力、日本の弱み
GMS、与信の革新で市場創造 信用弱者にも車を 金融機関 自動車・機械 編集委員 11月22日 岡田信之助さん(34)は今年春から個人で配送業務を請け負うアマゾン・フレックスの仕事を始めた。自宅近くの千葉県成田市にあるアマゾンの物流拠点で荷物を受け取り、1日60~100件の配達をこなす。使う車は日産自動車の軽ライトバン「クリッパー」。もともと工場勤めだったが、働く時間の自由度の高さが魅力で、アマゾンに移った。「まじめにやれば、それなりの収入が得られる」と現状にはほぼ満足だ。 この岡田さんの GMS、与信の革新で市場創造 信用弱者にも車を
日本企業、コロナ危機を再出発の契機に 日本の論点2021 コラム(ビジネス) 編集委員 11月6日 新型コロナウイルスの感染拡大で2021年は非常に不透明感が強い。日本の経済・政治はどう変化するのか。世界情勢の行方は。日本経済新聞の編集委員、コメンテーターらの見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点2021 日経大予測』(日本経済新聞出版)から紹介する。 新型コロナウイルスの感染拡大は「ブラックスワン(黒い白鳥=転じて過去の経験から想定できない災厄)」となって世界を襲った。日本企業も手 日本企業、コロナ危機を再出発の契機に 日本の論点2021
JR東日本・深沢社長に聞く 通勤客、来春8割まで回復 新型コロナ コラム(経済・金融) 編集委員 11月2日 新型コロナウイルスの影響で痛手を被っているのが運輸業界だ。足元の乗客の動向や、ニューノーマル(新常態)に対応した会社の姿について、JR東日本の深沢祐二社長に聞いた。 ――通勤・通学客はどの程度戻りましたか。 「定期券の販売動向を見ると、平時の7割強まで戻ってきた。数字は徐々に上向いており、今年度末には8割強に達するだろう。だが、テレワークの定着などで完全に元に戻ることはないと覚悟している」 ―― JR東日本・深沢社長に聞く 通勤客、来春8割まで回復
今こそ「両利きの経営」を 大企業の蘇生術を考える 核心 編集委員 10月26日 経営学の世界で近年最も注目されているキーワードが「両利き(ambidexterity)の経営」だ。提唱者の一人で今年初めに来日した米スタンフォード大学のチャールズ・オライリー教授は「資金や人材、ブランドを有する大企業の生命力は強固と思われがちだが、それは錯覚だ」という。 新型コロナをはじめ、デジタル化の加速や米中対立の深刻化など企業を取り巻く環境は日々変わっている。変化の渦にのみ込まれ、破綻はし 今こそ「両利きの経営」を 大企業の蘇生術を考える
三菱、創業150年の憂鬱 取り戻せるか進取の気性 日経産業新聞 新型コロナ コラム(ビジネス) 自動車・機械 環境エネ・素材 10月14日 土佐藩の岩崎彌太郎が監督し、海運業を営む九十九(つくも)商会が設立されたのは、明治3年の閏(うるう)10月(1870年12月)。それから150年が経過した。三菱グループは日本に君臨し、世界に飛躍したが、足元では危機の沸点が迫りつつある。明治以来の繁栄を21世紀も継続できるか、新たな時代にのみ込まれてレガシー(遺産)集団に成り下がるか。今後10年が勝負の分かれ目である。 キリンホールディングスは今 三菱、創業150年の憂鬱 取り戻せるか進取の気性
途上国の成長、製造業主導で セレスタン・モンガ氏 グローバルオピニオン 10月8日 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を踏まえ、持続可能な経済成長を模索する動きが、発展途上国を中心に強まっているようにみえる。新技術で次々とサービスが生まれ、品物のように売買できるようになった。世界経済の成長の原動力となってきた途上国に、経済発展の戦略の軸足を工業化からサービスに移すよう求めたくなるのは確かだ。 コロナ危機による国際的なバリューチェーンの分断を受け、途上国にとってサー 途上国の成長、製造業主導で セレスタン・モンガ氏
NTT、5G普及で世界に出遅れ 行き詰まる3社寡占 ネット・IT 編集委員 10月1日更新 「私たちは3番手」という言葉をNTTの澤田純社長が口にするたびに、隣に座ったNTTドコモの吉沢和弘社長の表情が厳しさを増した。9月29日のNTTによるドコモの完全子会社化を発表した記者会見の1コマだ。ドコモが「iモード」などで世界の携帯市場をリードした時代はとうの昔に幕を閉じ、サービスや技術開発の主導権は米アップルや中国の華為技術(ファーウェイ)の手に移行した。 国内3番手に後退 盤石のはずだった NTT、5G普及で世界に出遅れ 行き詰まる3社寡占