アジア、独自の発展モデル描けるか ジャック・アタリ氏 グローバルオピニオン 3月11日 21世紀はアジアの時代になるといわれる。中国だけ取り上げても、今後も経済成長を続ければ、国内総生産(GDP)は欧州や米国に追いつく。アジア各国の生活水準も30年以内には、中国やインドに加え、インドネシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々が欧米並みになるだろう。 安全保障では、中国やインド、パキスタンなどの軍事力の増強に警戒しなければならない。アジアの人工知能(AI)やバイオテクノロジー、 アジア、独自の発展モデル描けるか ジャック・アタリ氏
アジアは中国を制御できるか M・バティキオティス氏 Asiaを読む 編集委員 1月30日 2020年代の歴史が書かれるとき、21年は、アジアにおけるポスト・コロニアリズム(植民地主義)と漠然と呼ばれてきた時代の終焉(しゅうえん)と位置づけられるかもしれない。終わりを特徴づけるのは、欧米の旧宗主国からアジアの旧植民地への経済力の決定的な移行と、西洋の地政学的な影響力などの低下だ。 欧米は、貿易や投資の量と成長率でアジアに押されているだけでなく、軍事力を使って世界情勢に影響を与える能力が アジアは中国を制御できるか M・バティキオティス氏
米中、地政学的混乱まだ序章 イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 5月21日 経済活動を再開する動きが広がる中で、世界各国の首脳は新型コロナウイルスの感染抑制と国の経済、さらに自らの政治生命とのバランスをとるプレッシャーにさらされている。11月の米大統領選で再選をめざすトランプ大統領はその一人だが、驚くべきことに、この盤石ではない首脳のリストに中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も加わった。新たな現実により、米中は「冷戦」に突入する可能性がある。 習氏はこうした政治的圧 米中、地政学的混乱まだ序章 イアン・ブレマー氏
対アフリカ戦略 中国に落とし穴 ミンシン・ペイ氏 Asiaを読む 編集委員 5月16日 中国がアフリカで実施してきたインフラへの融資や投資などは長年、批判の対象となってきた。中国はアフリカ諸国について、インフラ利用権を奪う「債務のわな」に陥れ、貴重な天然資源を支配しようとしているとの批判だ。だがこうした見方は、中国を過大評価し、落とし穴を見過ごしている公算が大きい。 新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の落ち込みで、資源価格が下落し、中国がかかわるプロジェクトの見通しは暗くな 対アフリカ戦略 中国に落とし穴 ミンシン・ペイ氏
主要国の板挟みに揺れるWHO 新型コロナが迫る改革 中外時評 編集委員 4月22日 「テドロス博士への公開レター」。そんな表題の動画が世界的な反響を呼んでいる。9日にユーチューブにお目見えしてからの再生回数は21日までに175万を超えた。 宛先は世界保健機関(WHO)のトップ、テドロス・アダノム事務局長。差出人は英国に留学中の台湾人女学生、ヴィヴィ・リン(林薇)さん。前日の記者会見で事務局長が「いわれなき非難」を台湾に浴びせたとして、訂正と謝罪を求めている。 たしかに8日のテド 主要国の板挟みに揺れるWHO 新型コロナが迫る改革
インド経済苦戦 消費回復 支援を R・K・シン氏 Asiaを読む 編集委員 4月11日 インドは新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月下旬から全土を封鎖している。経済の面では封鎖の前から、苦戦を強いられていた。2019年10~12月期の実質経済成長率は前年同期比4.7%と、およそ7年ぶりの低成長に落ち込んでいた。自動車や住宅販売が力を失い、投資は減り、税収不足が政府の能力をさらに低下させるだろう。 加えて、コロナ問題についても気を配らなければならない。封鎖により、コロナ問題にまつ インド経済苦戦 消費回復 支援を R・K・シン氏
旧宗主国の謝罪 内省促す可能性 M・バティキオティス氏 Asiaを読む 編集委員 3月28日 オランダのウィレム・アレクサンダー国王は10日、インドネシアを訪問した。旧宗主国の国王として、1945~49年に起きたインドネシアの独立戦争時の暴力行為について、謝罪した。独立戦争は、オランダが、日本軍に占領された旧オランダ領東インド(現インドネシア)を再植民地化しようとしたのがきっかけで勃発した。 国王の謝罪により、欧米やアジアの列強が当時の植民地で強行した、残虐行為の説明責任を問う動きが進む 旧宗主国の謝罪 内省促す可能性 M・バティキオティス氏
「経済大国」中国 脆弱な医療露呈 クリストファー・ボールディング氏 Asiaを読む 編集委員 2月22日 中国は驚異的な発展を遂げ、世界から経済大国と見なされている。そんな中国では医療も同様に急速に発展していると考える向きもある。だが、今回の新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、急速な経済発展の陰で置き去りになっていた同国の脆弱な医療の実態が露呈した。責任は中国政府にある。 中国で質の高い医療や公衆衛生が実現していない理由はいくつかある。まず、医療に従事する人材が不足している。開業医の数は約6万 「経済大国」中国 脆弱な医療露呈 クリストファー・ボールディング氏
感染症を助長する情報統制 中国発情報、一歩先を読め 新型コロナ 中外時評 編集委員 2月19日 「初期の段階で中国政府がもっとオープンだったら、事態はより良くなっていただろう」。2002年から03年にかけ中国発で重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際、当時のグロ・ハーレム・ブルントラント世界保健機関(WHO)事務局長は中国政府の情報公開の遅れを公然と非難したことがある。 国際機関のトップが加盟国を名指しで批判するのは異例である。それほどに、SARSに関する情報の発信に当時の中国共産党 感染症を助長する情報統制 中国発情報、一歩先を読め
米イランの緊張 東南アにも余波 ジェームズ・チン氏 Asiaを読む 編集委員 1月18日 米軍が3日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことを受けイランの世界的なネットワーク、特にイスラム世界との関係に注目が集まった。米国は中東以外のイスラム圏の中で、どの国がイランを支持するかを注視している。 イランは今回の殺害を最大限に利用し、イスラム社会からの支援を集めようとしているようだ。(アジアの中では)西側の国々が穏健派とみなす、イスラム教徒の数が世界最大のイ 米イランの緊張 東南アにも余波 ジェームズ・チン氏