南魚沼コシヒカリの価値高める JAと農家の緊張関係 食の進化論 コラム 編集委員 1月28日 地域間の競争が激しいコメの世界で、全国的にも名前の知られた銘柄は何か。そう聞かれれば、多くの人が新潟県魚沼地方のコシヒカリを挙げるのではないだろうか。中でも強いブランド力を誇るのが南魚沼産。競争力の背景を取材した。 人気を測る尺度のひとつは価格。みなみ魚沼農業協同組合(JAみなみ魚沼、南魚沼市)のホームページで通販価格を見ると、2022年産の精米が5キロで3400円。他の多くの県のコシヒカリと比 南魚沼コシヒカリの価値高める JAと農家の緊張関係
鳥インフルエンザが卵を直撃 懸念続く「鶏が足りない」 新型コロナ 物価高・値上げ Think! Nikkei Views 編集委員 1月25日 鳥インフルエンザが猛威をふるっている。過去最多の感染拡大の影響で、「物価の優等生」と呼ばれ続けた卵の値段も上昇した。養鶏が安定を取り戻し、価格が落ち着くまでにどれだけ時間がかかるのだろうか。 高病原性鳥インフルエンザは、致死性が高い鳥の病気。渡り鳥によって秋ごろから国内に持ち込まれる。新型コロナウイルスは空港などの水際対策でチェックする手があるが、鳥が飛来するのは防ぎようがない。 今シーズンはこ 鳥インフルエンザが卵を直撃 懸念続く「鶏が足りない」
新しい「兼業農家」という生き方 文化時評 Think! 編集委員 コラム 1月22日 農業にどんなイメージをお持ちだろうか。都市の近くではやりにくい。兼業だと中途半端になる。でもそんな見方から自由になれば、農業が中心の新しい生き方が見えてくる。 田口明香さんは東京都瑞穂町で2016年に農家になった。中学生のころから農業に興味を持ち、東京農業大で学び、念願かなって就農した。 野菜を育てる農地の面積は、海外と比べて小さい日本の農場のなかでも「零細」と言っていい規模だ。経費を引くと、手 新しい「兼業農家」という生き方
1億個売ったレタス工場 次に狙うは「夏のイチゴ」 食の進化論 コラム 編集委員 1月21日 スプレッド(京都市)は植物工場の開発と運営を手がけるベンチャー企業だ。工場レタスの普及をリードしてきた同社の主力商品「ベジタス」シリーズの累計販売が1億個を突破した。さらなる成長に向け、どんな事業戦略を描いているのだろうか。 取材で訪ねた先は、京都府木津川市にある植物工場「テクノファームけいはんな」だ。建物に入り、見学窓からのぞくと、発光ダイオード(LED)が照らすレタスの棚の横を収穫用の機械が 1億個売ったレタス工場 次に狙うは「夏のイチゴ」
モッチモチの玄米めん 健康生活へ食べやすさ追求 食の進化論 コラム 編集委員 1月14日 玄米を取り入れた食生活を提案する結わえる(東京・千代田)が、玄米粉でつくっためんを発売した。開発の経緯を取材するため、東京都台東区にある同社のキッチンスタジオを訪ねた。 スタッフによると、「うどんにもパスタにもラーメンにも合う」という。材料や加工の仕方をあれこれ質問していると、「まずは食べてみてほしい」と促されたので、その場で試食してみることにした。 調理方法はいたって簡単。沸騰した鍋の中でめん モッチモチの玄米めん 健康生活へ食べやすさ追求
渋谷駅チカに新感覚サウナ シメは濃厚ビーガンラーメン 食の進化論 コラム 編集委員 12月24日 熱烈なサウナの愛好家たちが喜びそうな施設が23日、東京都渋谷区に誕生した。名前は「渋谷SAUNAS(サウナス)」。趣向をこらした様々なサウナを体験できるのに加え、オリジナルのビーガン(完全菜食主義者)料理も味わえる。 施設を運営しているのは、スパ施設やビーガンフードの開発を手がけるTOYOKE(トヨーク、東京・渋谷)。「マンガ サ道」の作者で、サウナブームの火付け役であるタナカカツキさんが総合プ 渋谷駅チカに新感覚サウナ シメは濃厚ビーガンラーメン
ピクルスで知る野菜農家の強み 多様な品種で魅力発信 食の進化論 コラム 編集委員 12月17日 農家が農産物を自ら加工したり、消費者に直接売ったりすることを6次産業化という。農林水産省は農業を活性化するための切り札として旗を振ってきたが、農家が食品メーカーと張り合って特徴のある商品をつくるのは簡単ではない。その難題を解決するためのヒントになる事例を紹介したい。 取材で訪ねたのは、柴海祐也さんが運営する柴海農園(千葉県印西市)だ。柴海さんの実家は代々の農家。ただ10年あまり前に農業を始める際 ピクルスで知る野菜農家の強み 多様な品種で魅力発信
都市の近くで農家になる 成熟社会に新たなスタイル 食の進化論 コラム 編集委員 12月10日 多様な生き方が可能になることで、成熟社会はより一層豊かになる。都市の近くでやる農業も、そんな社会を支える新しい価値となる。 神戸市の中心から車で約30分。ビルや住宅が立ち並ぶ風景は後方に消え、自然に囲まれた郊外の一角に、森本聖子さんの農園はあった。 畑の面積は合わせて4500平方メートル。ここで森本さんはダイコンやセロリ、カブ、イチゴ、ハーブなど数十種類の作物を栽培している。 ■ベランダのプラン 都市の近くで農家になる 成熟社会に新たなスタイル
カーボンゼロの日本酒 「サステナビリティー」で世界へ 食の進化論 コラム 編集委員 12月3日 日本酒「福寿」で知られる神戸酒心館(神戸市)は、カーボンゼロでつくったお酒を発売した。名前は「福寿 純米酒 エコゼロ」。二酸化炭素(CO2)の排出量が実質ゼロで製造した日本酒は世界初という。 環境への負荷を小さくするため、工夫した点はいくつかある。まず温暖化ガスの排出が実質ゼロの都市ガスに契約を切り替え、電気も再生可能エネルギー100%のものに改めた。 これにより、同社がつくるお酒は今後すべて製 カーボンゼロの日本酒 「サステナビリティー」で世界へ
野菜として食べる青パパイア 鳥獣害対策で栽培に挑む 食の進化論 コラム 編集委員 11月26日 神奈川県秦野市。郊外の畑を訪ねると、人の背丈を超える見慣れない植物がたくさん植わっていた。「てんぐのうちわ」のような大きな葉っぱをめくりあげると、緑色の果実が顔を出した。青パパイアだ。 青パパイアは、パパイアの実が黄色く熟す前に収穫して食べる農産物。沖縄などで人気の食材だ。脂肪や糖を分解する酵素やポリフェノール、ビタミンCなどを豊富に含み、健康食材として注目を集めている。 あく抜きをして食べると 野菜として食べる青パパイア 鳥獣害対策で栽培に挑む