プンタレッラって何? 未知の野菜を広める農家とシェフ 食の進化論 コラム 編集委員 3月6日 農家が特色を出すための最もわかりやすい方法は、他の農家が育てていない作物を作ることだ。ただこの手法には難題がある。あまりに珍しいと、消費者がどう食べていいか戸惑ってしまう点だ。そこでシェフの役割が重要になる。 埼玉県嵐山町の郊外。藤田芳宏さんの畑を訪ねると、育っていたのは国内ではまず見ることのない風変わりな野菜だった。 大きさは小ぶりのキャベツほど。だが細くてとがったたくさんの葉っぱが上に向かっ プンタレッラって何? 未知の野菜を広める農家とシェフ
ねっとり甘い熟成バナナ、埼玉のハウスで収穫スタート 食の進化論 コラム 編集委員 2月20日 珍しい作物は、栽培の様子を見るだけでわくわくする。埼玉県神川町にある「カネザワフルーツリゾート」もそうした農園の一つ。ハウスに入ると、目に飛び込んできたのは約100本のバナナの株だ。 ハウスの中を進むと、頭上を覆うのは傘にも使えそうな大きな葉っぱ。その下に、ずっしり重さを感じさせてバナナが実る。株から垂れ下がっているのは、苞(ほう)と呼ばれる赤紫色の房。中を見ると、先端に花をつけた実がきれいに並 ねっとり甘い熟成バナナ、埼玉のハウスで収穫スタート
豚熱の発生から2年、生産者が地域密着で歩む再生の道 食の進化論 コラム 編集委員 2月13日 新型コロナウイルスの感染がいつ収束するのか先がみえない状態が続いているが、ウイルスに悩まされているのは人間だけではない。国内では家畜の世界で鳥インフルエンザが猛威をふるい、豚熱(CSF)も断続的に発生している。 家畜がウイルスに感染した農場はどうやって再起の道のりを歩んでいるのか。2018年に岐阜県から始まった豚熱の感染拡大局面で、全国8番目の感染例となったトヨタファーム(愛知県豊田市)に取材し 豚熱の発生から2年、生産者が地域密着で歩む再生の道
和風ピクルスで地域を盛り上げたい 豊かな自然アピール 食の進化論 コラム 編集委員 2月6日 地域経済の衰退を防ごうと、各地が特産品の販売に力を入れている。その多くは地域の伝統的な食品を前面に押し出しているが、中にはまったく新しい商品を開発して特色を出そうとする試みもある。そんな例を紹介したい。 町の全域が国立公園に指定され、豊かな自然に囲まれている東京都奥多摩町。この地域を走るJR青梅線の白丸駅から歩いてすぐのところに、食材の加工販売施設「手づくり工房 四季の家」がある。 店内に入ると 和風ピクルスで地域を盛り上げたい 豊かな自然アピール
柿?それともミカン? じつは売り出し中の黄色いトマト 食の進化論 コラム 編集委員 1月30日 種苗会社が味や見た目でどれだけ特徴のある品種を開発しても、作る農家がいなければ埋もれたままで終わる。いくら農家が育てても、食べる場所や買う場所が増えなければ市場は広がらない。そのハードルを越えようとする挑戦を紹介したい。 愛知県豊田市の郊外にあるフランス料理店「レクラ・ド・リール」。オーナーシェフの近藤招宏さんがそのトマトを取り出したとき、柿のように見えた。事前にトマトと知ったうえで取材に臨んだ 柿?それともミカン? じつは売り出し中の黄色いトマト
農家にもロゴマークを、デザインで消費者に魅力発信 食の進化論 コラム 編集委員 1月23日 農作物を農協にまとめて出荷するのとは違い、生産者が消費者に自分の名前で売ろうとすると、ある難問に直面する。作物の魅力をいかにアピールし、ブランド力を高めるのかという課題だ。パッケージやロゴのデザインはそのカギを握る要素の一つだろう。 「味は食べればわかってもらえるが、作物の価値の伝え方はそれだけではない。デザインで作り手の哲学やこだわり、作物の品質を伝えることができる」。農業関連のデザインを手が 農家にもロゴマークを、デザインで消費者に魅力発信
進化する「植物工場レタス」、新技術で大きさ3倍 食の進化論 コラム 編集委員 1月16日 千葉県柏市にある常磐自動車道の柏インターチェンジからすぐ。物流倉庫が立ち並ぶ一画に植物工場ベンチャー、MIRAI(千葉県柏市)の施設がある。 頭から足まですっぽり隠れる作業着を着込んで中に入ると、目の前には発光ダイオード(LED)照明が照らすレタスの栽培棚。植物工場はいくつも取材してきたが、そこにはいつもとちょっと違う光景があった。 葉先が上の棚に触れるほどレタスが大きく育ち、しかも棚の中を流れ 進化する「植物工場レタス」、新技術で大きさ3倍
日本酒を缶でグイッと 需要喚起へ充填機レンタル 食の進化論 福島 小売り・外食 コラム 編集委員 サービス・食品 12月26日 コンビニやスーパーで買えて、家で手軽にお酒を楽しめるようにしてくれているのが缶入りのアルコール飲料。缶ビールや缶チューハイはその主役だろう。これらに比べてあまり見かけないのが日本酒の缶。その普及に向けた挑戦が始まっている。 福島県伊達市にある東洋製缶の子会社の工場に、その機械はあった。大きさはちょうどおでんの屋台くらい。日本酒を缶に充塡するための機械「詰太郎」だ。 まず機械の側面にある起動ボタン 日本酒を缶でグイッと 需要喚起へ充填機レンタル
地の利を生かした温泉パプリカ ハウスの暖房コストゼロ 食の進化論 コラム 編集委員 サービス・食品 大分 12月19日 温泉地として知られる大分県九重町の高原地帯に、陽光に照らされて光る面積3ヘクタール強のハウス農園がある。タカヒコアグロビジネス(九重町)が運営する「愛彩ファーム九重」だ。 ハウスで栽培しているのは、パプリカやトマト、レタスなどの野菜。室内に林立する主力のパプリカの木は5メートル超の仰ぎ見る高さに成長し、真っ赤な実を実らせる。室内の温度や湿度は、コンピューターを使ってきめ細かくコントロールしている 地の利を生かした温泉パプリカ ハウスの暖房コストゼロ
意外なコクと甘み、精進料理店のビーガン向けカレー 食の進化論 コラム 編集委員 12月12日 ミシュランガイドで10年以上にわたり、2つ星を獲得し続けている精進料理店「醍醐」(東京・港)。国内外の著名人が集まるこの店の深夜の厨房で、ふつうの精進料理店ではまず見ることのできない一品の調理の様子を見学した。カレーだ。 腕をふるってくれたのは、4代目店主の野村祐介さん。まず細かく刻んだタマネギやニンジン、リンゴを木のへらでかき混ぜながら、スープ状になるまで手鍋でじっくり炒める。 次にシナモンや 意外なコクと甘み、精進料理店のビーガン向けカレー