コロナからの救命 ステロイド集中療法に光明 新型コロナ 編集委員 科学&新技術 1月17日 病気と縁がなく医学に疎い人でも、ステロイドという薬の名を聞いたことがあるだろう。発見から70年ほどたつ抗炎症薬が今、新型コロナウイルス感染症の救命につながると注目が集まる。国内流行「第3波」で急変する患者を前に臨床現場の医師たちが期待を寄せるのは、何もバイオ技術を駆使した医薬品や最新の救命装置とは限らない。 ステロイドは副腎皮質ホルモンの一種。米国などの研究者3人が関節リウマチの研究を進めるなか コロナからの救命 ステロイド集中療法に光明
「ワクチン後進国」招いた医療行政の病理 編集委員 Nikkei Views 12月30日 新型コロナウイルスのワクチン開発が1年足らずという記録的な早さで実現した。主要国が国益をむき出しにした前代未聞の開発競争の中で、日本の存在感は小さかった。 世界保健機関(WHO)によると今、世界で研究が進む新型コロナのワクチン候補は233種類。うち最終の臨床試験(治験)に入っているのは11種類あるが、日本勢は残念ながら一つもない。 どうしてこんなことになったのか。背景を探ると日本の医療行政が抱え 「ワクチン後進国」招いた医療行政の病理
コロナ対策、再び五輪の呪縛か リスク隠さず説明を 新型コロナ Tokyoオリパラ コラム 編集委員 科学&新技術 12月21日 新型コロナウイルスの秋冬の流行がなかなか収まらず、政府は感染拡大とは関係がないと言い張ってきた「GoToトラベル」事業を全国でいったん停止することにした。専門家からなる新型コロナ感染症対策分科会の再三の要請を、世論におされてようやく受け入れた。 ただ、これで流行がピークアウトすると考えるのは早計だ。トラベル事業の停止そのものでは感染の拡大を縮小に転じさせることは難しいだろう。分科会の尾身茂会長も コロナ対策、再び五輪の呪縛か リスク隠さず説明を
コロナ流行の「第3波」は乗りきれるのか 医療・健康 科学&新技術 12月2日 新型コロナウイルス流行の「第3波」が、感染症の専門家が予期した通りにやってきた。寒さが本格化するとウイルスが不活化しにくく、呼吸系の感染は広がりやすい。1~2月に流行のピークになりそう。拡大のスピードにブレーキをかけ、医療崩壊を回避することは果たしてできるか。 今、日本では春の第1波、夏の第2波を乗りきる切り札になった「クラスター(感染者集団)対策」が正念場を迎えている。 感染者が見つかれば、過 コロナ流行の「第3波」は乗りきれるのか
コロナ第3波 何すべき 安藤 淳 新型コロナ 時論・創論・複眼 11月26日 新型コロナウイルス感染症の流行の「第3波」が到来した。全国の重症者数や新規感染者は過去最多を記録した。北海道や大阪では病床の使用率が上昇し、医療体制が逼迫する状況もみられる。感染の広がりを抑え込むために、今取り組むべき策は何か。4人の識者に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ■GoTo停止 拡大急げ 国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長 忽那賢志氏 政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」の一時停 コロナ第3波 何すべき
司令塔なき日本の感染症対策 日本の論点2021 新型コロナ 編集委員 11月6日 新型コロナウイルスの感染拡大で2021年は非常に不透明感が強い。日本の経済・政治はどう変化するのか。世界情勢の行方は。日本経済新聞の編集委員、コメンテーターらの見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点2021 日経大予測』(日本経済新聞出版社)から紹介する。 新型コロナウイルスのようなパンデミック(世界的大流行)を起こす感染症対策では、国民一人ひとりの命と健康を守ることを大前提に、国益へ 司令塔なき日本の感染症対策 日本の論点2021
コロナがあぶり出す国家という「病」 新型コロナ 科学&新技術 編集委員 10月19日 勝ち負けで論じるのはよくないが、優劣は明らかだった。 米国の新型コロナの感染者数が791万人、死者数が21万人に対し、震源地となった中国では8万5千人の感染者と4600人の死者にとどまる(10月15日現在)。両国のコロナに対応する力の差は歴然としており、トランプ米大統領は「中国ウイルス」と連呼して、陰謀論を振りかざすしかない。 米国にとっての誤算は、コロナ禍での大統領がトランプ氏だったことだろう コロナがあぶり出す国家という「病」
「命か経済か」には解がない 対コロナ医療再考を 新型コロナ Deep Insight 編集委員 10月10日 菅政権は新型コロナウイルス対策を最優先課題に掲げる。秋冬に感染の「第3波」が来た場合、感染してもおよそ8割の人が軽症のまま回復するといったこのウイルスの特性を考えると「感染抑制と経済回復」の二兎(と)を追う戦略は危うい。ある程度の感染を織り込んで進めないと、一兎をも得ずになりかねない。 世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)を宣言してから7カ月。ウイルスの正体が明らかになるにつれ、 「命か経済か」には解がない 対コロナ医療再考を
新型コロナのワクチンは「パンドラの箱」か 新型コロナ 科学&新技術 編集委員 10月2日更新 ワクチンが登場すれば新型コロナウイルスにかからないと考えるのは、どうやら早合点のようだ。政治的な思惑が入り乱れて世界で開発競争が進むなか、拙速な実用化は「パンドラの箱」を開ける危険性をはらむ。 9月中旬、政府のコロナ対策を検討する分科会のあるメンバーからこんな話を聞いた。「現段階でワクチンには期待していない。しかし、国による供給確保は完全な政治マター。是非について専門家が口を挟む余地はなかった」 新型コロナのワクチンは「パンドラの箱」か
「検査のわな」が引き起こすPCR神学論争 新型コロナ コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 8月31日 新型コロナウイルスのPCR検査を巡って神学論争が続く。希望すれば誰でも検査を受けられるようにするのが正しいのか、それとも間違っているのか。両者の意見が真っ向から対立するのは、直感ではなかなかふに落ちない、ある数学の理論にもとづいた「検査のわな」があるからだ。 症状のない健康な人に対する検査の意義を考える際、知っておきたいキーワードが3つある。「偽陽性」「偽陰性」そして「感染率(感染症以外は有病率 「検査のわな」が引き起こすPCR神学論争