動き出すカーボンニュートラルLNG、脱炭素へ新手法 日経産業新聞 松尾 博文 カーボンゼロ コラム(ビジネス) 環境エネ・素材 4月5日 二酸化炭素(CO2)を実質的に出さない液化天然ガス(LNG)の利用が始まった。LNGの生産や消費に伴って生じるCO2相当分を植林などの手段で削減・吸収し、排出を差し引きゼロとみなす。カーボンゼロの有望な手段として需要家も関心を寄せる。 東京ガスといすゞ自動車、三菱地所など14社・法人は9日、都内で「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス」の設立を発表した。都市ガス事業者と需要家が一体で 動き出すカーボンニュートラルLNG、脱炭素へ新手法
脱炭素燃料、飛躍の鍵はCO2処理 貯留や植林に活路 東南アジア 編集委員 Nikkei Views 環境エネ・素材 3月30日 燃焼しても二酸化炭素(CO2)を出さない水素やアンモニア燃料への関心が高まっている。日本政府はカーボンゼロ実現の有力手段に位置づけるが、課題は生産段階で生じるCO2。これを放置しては脱炭素とは言えない。活路を探る取り組みがインドネシアやオーストラリアで始まった。 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と三菱商事は、インドネシアのバンドン工科大学や現地のアンモニア生産会社パンチャ・アマラ・ 脱炭素燃料、飛躍の鍵はCO2処理 貯留や植林に活路
遠ざかる米国、空白埋める中国 中東の構図に転機 北米 中国・台湾 編集委員 中東・アフリカ コラム 環境エネ・素材 3月28日 中国とイランによる経済協力合意は、中東での存在感が低下する米国に代わり、その空白を埋めようとする中国の戦略を色濃く映す。米国と中国の覇権争いを突くイランの思惑も見え隠れする。 中国が2019年に中東から輸入した原油は日量449万バレル。全輸入量の44%を占める。これだけで日本の石油消費全体を上回る規模だ。10年の輸入量である226万バレルと比較すると、9年間でほぼ倍増した。これからの経済成長を確 遠ざかる米国、空白埋める中国 中東の構図に転機
アンモニア燃料ってなに? 発電に利用、供給体制が課題 カーボンゼロ 編集委員 ニッキィの大疑問 環境エネ・素材 3月13日 アンモニアを発電の燃料に使うそうね。アンモニアという名前は聞いたことがあるけれど、これを発電で使うと地球温暖化対策になるというのはどういうことかしら。 アンモニア燃料の活用について、石村知子さんと貞弘純子さんが松尾博文編集委員に聞いた。 ――石村さん「何のために使うのですか」 アンモニアは窒素と水素の化合物です。世界で年間2億トンほど生産され、大半は肥料や工業用です。これを発電燃料に使う取り組みが アンモニア燃料ってなに? 発電に利用、供給体制が課題
カタール、LNGの3兆円増産に勝算はあるか Think! 編集委員 中東・アフリカ Nikkei Views 環境エネ・素材 3月2日 中東産油国のカタールが液化天然ガス(LNG)の生産量を4割引き上げることを正式に決めた。287億ドル(約3兆円)を投じる増産には、圧倒的な競争力をテコにLNG大国の地位を盤石なものにする戦略がある。脱炭素が加速する中での巨額投資は世界的な需給の構図を変える可能性も秘める。 斬新な高層ビルが林立する首都ドーハでも、カタール国営石油会社(QP)の本社はひときわ目を引く。2月8日、その上層階で開かれた カタール、LNGの3兆円増産に勝算はあるか
「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去 編集委員 中東・アフリカ Nikkei Views 環境エネ・素材 2月24日 サウジアラビアの元石油相で、産油国の石油戦略を主導したアハマド・ザキ・ヤマニ氏がロンドンで死去した。 1973年10月、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が始まった。これにあわせて、サウジなど中東産油国が原油の公式販売価格を引き上げ、アラブの敵対国には禁輸を打ち出したことで、世界中にパニックが広がった。パレスチナを解放する「アラブの大義」のために、石油を武器に使ったのである 「石油の時代」支えた巨人 ヤマニ元石油相死去
水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保 カーボンゼロ Deep Insight 編集委員 環境エネ・素材 2月23日 自動車の大衆化に道を開いた「T型フォード」が米国で発売されたのは1908年。同じ年、ペルシャ湾の奥深く、現在のイラン南西部のマスジェデ・スレイマンで中東最初の油田がみつかった。 第1次世界大戦に向かう情勢緊迫の折、石炭から石油へ艦艇の燃料転換を急ぐ英国政府はアングロペルシャ石油(後のBP)を買収してこの油田を管理下に置いた。 以来、英国から米国へ主役は代わっても、石油を握る国が覇権と繁栄を手に入 水素争奪戦に備えを 脱炭素が迫る資源安保
住友商事・兵頭社長「コロナ前の景気回復、年後半以降」 編集委員 コラム 2月8日 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、バイデン米大統領が就任した。世界経済の回復や国際協調の行方について、住友商事の兵頭誠之社長に聞いた。 ――足元の景気動向をどう見ていますか。 「経済活動はV字回復ではないが、想定したよりは底堅い。住商でも製造業に関わる事業が2020年後半から戻ってきている。ただし、ワクチン接種が進み、集団免疫の状態ができるのに半年程度かかるとすれば、コロナ前の水準に戻るの 住友商事・兵頭社長「コロナ前の景気回復、年後半以降」
寒波・LNG不足で電力危機 リスクの可視化欠かせず コラム 編集委員 環境エネ・素材 1月31日 寒波による電力の需給逼迫が続いた1月13日、卸電力市場のスポット取引価格は24時間平均で、1キロワット時あたり154円をつけた。15日夕刻には一時的に251円まで跳ね上がった。 売りが出ず、出ればすぐに買いが入った。要因は液化天然ガス(LNG)の在庫減少による火力発電所の出力低下だ。電力会社は慌ててLNG調達に動いたもののアジア全体で争奪戦となり、スポット価格は100万BTU(英国熱量単位)あた 寒波・LNG不足で電力危機 リスクの可視化欠かせず
韓国タンカーの拿捕、にじむイランの苦悩 編集委員 中東・アフリカ Nikkei Views 環境エネ・素材 1月14日 イラン革命防衛隊が4日、中東ホルムズ海峡付近を航行中の韓国船籍のタンカーを拿捕(だほ)した。ペルシャ湾の入り口に位置するホルムズ海峡はエネルギー輸送の動脈だ。ここで起きた拘束劇は、中東に原油輸入を依存する日本にとっても人ごとではない。韓国船はなぜ拘束されたのか。目をこらすと、米国による長い制裁下にあるイランの苦悩といらだちが見えてくる。 タンカーは石油化学品のメタノールを積み、サウジアラビアから 韓国タンカーの拿捕、にじむイランの苦悩