人生後半、アートで地域おこし 企業役員退任後に転身 人間発見 編集委員 コラム ワークスタイル 2月26日 パナソニック(当時)で常務まで務めた後に退任、香川県の小豆島で芸術による地域振興を進めている。祖父母が住んでいた家をギャラリーに改造し、さらに古い建物を活用して現代美術館を開設。瀬戸内国際芸術祭にも参加し、独自の催しの計画も練る。応援し、応援される関係を築いた人々との交流が第二の人生を豊かにしている。 現在の活動につながる出発点は1991年、会社が新設した文化支援室に配属されたことでした。企業メセ 人生後半、アートで地域おこし 企業役員退任後に転身
施設や店「まちじゅう図書館」 埋もれた蔵書、交流育む 風紋 奈良 関西 コラム 編集委員 2月5日 奈良県吉野町で、公共施設や宿泊施設、飲食店など様々な場所にある書棚の本を住民らに貸し出す「吉野まちじゅう図書館」プロジェクトが進んでいる。 過疎化、高齢化が進む町には公共の図書館がない。空き家を活用した移住の促進など、使われていないモノや場所、人の技能などの活用策を考える中で出てきたアイデアだ。本の貸し借りを機に新たな人のつながりが生まれるなど、地域に刺激を与えている。 スタートしたのは2020 施設や店「まちじゅう図書館」 埋もれた蔵書、交流育む
文化庁移転、国家百年の計は 文化時評 編集委員 コラム 1月29日 劇作家で評論家の山崎正和さんに、副理事長を務めていたサントリー文化財団の地域文化賞創設時の話を聞いたことがある。サントリーが1979年の創業80年を記念して文化全般に貢献する財団の設立を構想し、当時の社長、佐治敬三氏から具体的に何をするかの相談があったという。 山崎さんは顕彰制度がなかった分野で活躍する人らを表彰する賞をつくったらと考えた。浮かんだのが、若手学者らを対象にした学芸賞と、地域の文化 文化庁移転、国家百年の計は
未利用魚「アイゴ」を養殖 枯れる水産資源、新風なるか 風紋 コラム 編集委員 10月23日 関西の著名な日本料理店の経営者と、マグロ養殖で知られる近畿大の沢田好史教授らは2年前から「いただきますを考える会」という集まりを続けてきた。 魚が昔に比べて捕れなくなり、捕れる魚種や時期も変わってきた。料理人として実感していたミシュラン三ツ星の日本料理店「柏屋」(大阪府吹田市)の主人、松尾英明さんが周囲に声をかけ、海洋資源の現状や課題を学び、何かできないかと議論してきたのだ。 今年、会の仲間と会 未利用魚「アイゴ」を養殖 枯れる水産資源、新風なるか
ココイチ創業者宗次徳二さん 極貧の過去から人を笑顔に My Story コラム 8月12日 カレーハウスCoCo壱番屋の創業者、宗次徳二さんはクラシック専用音楽ホールの建設、学校への楽器寄贈などをしてきた日本有数のフィランソロピスト(寄付者、社会奉仕をする人)だ。人を笑顔にすることに全力を傾ける原点は自身の過酷な幼少時代にあった。 早朝から働く生活を宗次さんはずっと続けてきた。今は名古屋市中区の繁華街にあるクラシック音楽専用の宗次ホールの周囲や近くの歩道の掃除と、中央分離帯や道路脇に設 ココイチ創業者宗次徳二さん 極貧の過去から人を笑顔に
昆布不作が映す食文化の危機 文化時評 コラム 7月31日 日本近海の水産資源に異変が起きている。北海道函館市では6月に漁が解禁された名物のイカが今年も不漁になり、7月解禁の天然真昆布(まこんぶ)も海中で昆布が育っておらず、収穫はほとんど見込めない状態だ。近年は他地域でも、サバやサケ、サンマといったなじみのある魚で漁獲量が減少している。 数十年単位で海水温や海流などが変化し、とれる魚の種類が変わる魚種交代と呼ばれる現象がある。マイワシとカタクチイワシの交 昆布不作が映す食文化の危機
必要性薄れた信号機を撤去 無視誘発、安全意識に支障 風紋 編集委員 5月29日 信号機を撤去する動きが少しずつ広がっている。車の流れが変わり通らなくなった、施設の廃止や閉鎖で横断する歩行者が減った――。そうした場が対象だ。 整備時と違い、撤去を求める声が上がることは少ない。だが設置し続けると、更新や維持管理にコストがかかるだけではない。「どうせ車が来ないから」と信号無視の横断が増え、規範意識を損なう恐れもある。必要性が薄れた信号機は放置しない。それは人口減少社会の安全や施設 必要性薄れた信号機を撤去 無視誘発、安全意識に支障
茶畑守る海外の知恵 担い手不足、補うデジタル 風紋 コラム 編集委員 1月9日 京都などでは新年に、梅干しと昆布などを入れた茶を大福茶(おおぶくちゃ)と名付けて飲む風習がある。緑茶は昔から年中行事やお祝い事にも用いられ、日本の家庭に浸透してきた。 最近では食生活の変化などで緑茶を日常的に飲む習慣を持たない人が増えた。緑茶の生産、消費は減少傾向が続き、産地は農家の高齢化や担い手不足などの問題を抱えている。 京都府最大の茶産地である和束町もその一つ。今年、栽培支援に海外の知恵と 茶畑守る海外の知恵 担い手不足、補うデジタル
誕生日寄付で未来に投資を 高橋陽子さん 人間発見 生活 10月31日 ギリシャ語の人類愛に語源を持つフィランソロピーは利他、慈善、奉仕的な行動や社会貢献活動を包含する言葉だ。公益社団法人・日本フィランソロピー協会理事長の高橋陽子さんは企業や個人の活動を紹介し、支援する取り組みを続けてきた。それが生む共感とつながりがより良い社会をつくると信じてきたからだ。 1990年にフィランソロピーという言葉を新聞で知った時、何か啓示を受けたような気がしました。自分がやりたい活動を 誕生日寄付で未来に投資を 高橋陽子さん
膨大な議論、地域戦略に生かせ 大阪都構想否決 大阪都構想 大阪 関西 11月2日 この10年、大阪の政治を揺るがしてきた大阪都構想にノーという結論が出た。ただ、賛否の拮抗は、迷い、揺れた民意を映し出している。長い歴史を持つ大阪市をなくして再編することへの批判と不安。一体感を持って大阪を発展させてほしいという期待。有権者の心情は2015年の前回投票時とさして変わっていなかったように思える。 「わからない」という声を今回もよく聞いた。それは都構想の利点欠点が理解しにくいという意味 膨大な議論、地域戦略に生かせ 大阪都構想否決