コロナ対策 協調こそ国益 ジャン・ピサニフェリー氏 グローバルオピニオン 2月11日 欧州やアジア、北米にとってさえ、ブラジル北部アマゾナス州の州都マナウスは遠隔地だ。ところが最近みつかった新型コロナウイルスの変異ウイルスが、世界的な脅威になっている。既に深刻な感染爆発に見舞われていたマナウスでの変異ウイルスの出現は、獲得した免疫が身を守ってくれないことを示唆している。科学者は、ブラジルで確認された変異ウイルスに既存のワクチンが効かない可能性を考える。 ウイルスは常に変異している コロナ対策 協調こそ国益 ジャン・ピサニフェリー氏
50年カーボンゼロは異次元の挑戦 シナリオ分析は示す コラム 1月25日 菅義偉首相のカーボンニュートラル宣言を契機に日本は2050年までの二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指して舵(かじ)を切った。「50年80%削減」としてきたこれまでの政策目標を深掘りする。ただ「ゼロ排出は80%削減の延長線上にはない」と、気候変動対策のシナリオに詳しい研究者は指摘する。革新的な技術イノベーションや大胆な社会変革が不可欠だ。 地球の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1・5度以下にとど 50年カーボンゼロは異次元の挑戦 シナリオ分析は示す
ネイチャー高額掲載料の衝撃 進む学術誌オープン化 編集委員 1月19日 科学論文を載せる学術誌のビジネスモデルが大きく変わりつつある。最も権威の高い学術誌の一つとされる英ネイチャー誌は2021年から、著者が掲載料を払えばだれでも論文を読めるようにする「オープンアクセス化」に踏み出した。掲載料は9500ユーロ(約120万円)と高額で、研究費不足に苦しむ日本の多くの大学研究室にとっては「高根の花」の料金設定だ。 大手学術出版のシュプリンガー・ネイチャー社は、ネイチャー誌 ネイチャー高額掲載料の衝撃 進む学術誌オープン化
気候変動対策、豪州に包囲網 ニック・バトラー氏 Asiaを読む 12月12日 オーストラリアの指導者は、不完全な科学を引用し、炭素の濃度と異常気象の関連性ははっきりしないなどと主張して気候変動を否定しているかもしれない。だが、豪州の主要な貿易相手国の政治・経済的行動の現実を否定するのは、はるかに難しいだろう。 豪州は孤独にみえる。最近、世界のいくつかの経済大国が気候変動に対する目標を約束した。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は9月、2060年までに二酸化炭素(CO2 気候変動対策、豪州に包囲網 ニック・バトラー氏
相次ぐ脱炭素目標、実現は? 再生エネ・技術革新必要 ニッキィの大疑問 12月12日 菅義偉首相は10月、2050年に日本の温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げたわ。中国と韓国も前後して脱炭素目標を表明したようね。米欧などと合わせ、世界で温暖化防止が実現するのかな。 日常生活にも関係してくる温暖化の問題について、石原英理子さんと河野美香さんが滝順一編集委員に聞いた。 ――なぜ各国の脱炭素表明が相次いだのですか。 気候変動が一因とみられる異常気象の頻発などへの危機感が共有されて 相次ぐ脱炭素目標、実現は? 再生エネ・技術革新必要
2050年脱炭素、メタン・水素カギ 変わる燃料ビジネス コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 11月30日 菅義偉首相は11月21、22日にテレビ会議方式で開いたG20(20カ国・地域)リヤド・サミットで、「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指す方針を世界に向けて改めて表明、世界の気候変動対策を先導する決意を示した。二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにするには、CO2を回収しリサイクルするカーボンリサイクルが不可欠だ。カーボンリサイクルは技術的にはメドがついているものの、実効性のある規模にする 2050年脱炭素、メタン・水素カギ 変わる燃料ビジネス
脱炭素時代の農業、牛・羊肉消費半分に 食文化見直しも コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 11月23日 気候変動抑止には再生可能エネルギーや電気自動車の普及だけでは足りない。世界の温暖化ガス排出の約28%を占める農業分野からの排出を大幅に削減しなくてはならない。また気候変動を放置すれば食糧需給に大きなリスクが及ぶ。気候変動と農業、食をめぐる課題に関し、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパンの山田唯人パートナーと川西剛史アソシエイトパートナーに聞いた。 ――農業部門からの温 脱炭素時代の農業、牛・羊肉消費半分に 食文化見直しも
揺れる日本学術会議 米機関がモデルも 先行きに不安 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 11月19日 日本学術会議の新会員任命拒否をめぐる問題は、毎日のように国会やメディアで取り上げられ収拾に向かう兆しが見えない。何が問題で、なぜ問題が起きたのか。整理してみた。 学術会議が推薦した105人の新会員のうち、菅義偉首相が99人だけを任命したことが10月1日に明らかになったのが事の発端だ。 任命されなかったのは法学や歴史学、宗教学といった社会科学系の研究者6人で、首相は理由を明確に説明していない。 揺れる日本学術会議 米機関がモデルも 先行きに不安
原発議論欠く「50年脱炭素」 発電バランス重視、限界も コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 11月16日 菅義偉首相が2050年の「脱炭素」を宣言、エネルギー需給構造の大変革がこれから始まる。ガソリン車の大幅な削減と、石炭など化石燃料による発電の思い切った縮小は避けられないだろう。議論が分かれるのは原子力発電の扱いだ。 中国も9月に習近平(シー・ジンピン)国家主席が60年の脱炭素を表明した。具体的な方策は、第14次5カ年計画(21~25年)で示されるだろうが、中国の研究機関が公表した脱炭素シナリオが 原発議論欠く「50年脱炭素」 発電バランス重視、限界も
効果小さい緊急事態宣言 情報提供が大切 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 11月16日 新型コロナウイルス感染症の第1波において国民の外出自粛を促した要因は、日々の感染者数の公表など「情報」の効果が大きく、緊急事態宣言など政府の「介入」による効果はそれほど大きくなかった。東京大学の渡辺努教授らが全国の約7800万台のスマートフォンから得たデータをもとに推定した。政府介入より情報提供が効果的だとの結果は、今冬の流行の波に対処するにあたり参考になる。 渡辺教授らは、人々の行動変容は「介 効果小さい緊急事態宣言 情報提供が大切