減らして増やす新・消費 ユニクロ・セブンも行動変容 Deep Insight コラム 編集委員 環境エネ・素材 1月26日 星新一の短編小説「おーい でてこーい」。台風後のある村にできた大きな穴。村人の一人が「おーい、でてこーい」と叫んでも反応はない。石を投げても同じ。この穴の便利さに気づいた人々はやがて廃棄物、遺骸や死体、機密文書、犯罪に関わる証拠物件などあらゆるものを穴に投棄した。 穴のおかげで汚れが落ちた都会。青空が広がる某日、ビル工事中の作業員が「おーい、でてこーい」という声を耳にする。小さな石がそばをかすめ 減らして増やす新・消費 ユニクロ・セブンも行動変容
佐治会長が異例の「檄文」 サントリーに忍び寄る停滞感 コラム Nikkei Views サービス・食品 1月25日 サントリーホールディングス(HD)の国内アルコール事業に元気がない。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外食向けの不振でビール販売量は前年比11%減と低調。家庭向けが大半の得意のチューハイが思うように伸びなかった。しかも近年は目立ったヒットもなく、他社の後追い的な商品戦略が目立つ。しびれを切らしたのか、20年末には佐治信忠会長が異例の檄文(げきぶん)を社員にメールで送付。社内には緊張感 佐治会長が異例の「檄文」 サントリーに忍び寄る停滞感
西友と無印の新・創業 資本の論理 vs.人間の論理 小売り・外食 コラム 編集委員 1月3日 2021年は新型コロナウイルスを克服する「第二、あるいは第三の創業期」と位置づける経営者は多いだろう。西友と、同社のPB(プライベートブランド)商品から派生した良品計画も時を同じくして新たな創業に踏み出す。 00年代に経営不振から米ウォルマートの傘下に入った西友。ウォルマート流のEDLP(毎日が安売り)を導入し、ディスカウントストア路線に転換した。日本経済はデフレ色が強まり、イオンやセブン&am 西友と無印の新・創業 資本の論理 vs.人間の論理
アサヒ「ドライ病」治せるか 成功体験のワナ コラム(ビジネス) 小売り・外食 Deep Insight 編集委員 11月17日更新 新型コロナウイルスの感染拡大で、業績不振に陥る企業が相次いでいる。2020年度上期の決算をみても航空、旅行、化粧品、百貨店などの大手の最終赤字は数千億円、数百億円と厳しい。赤字ではないが、ビール最大手のアサヒビールも苦戦中だ。 外食需要の落ち込みが最大の理由だが、同社の場合、問題はそこではない。大企業病ならぬ、最強のビール「スーパードライ」を持つが故の大ブランド病に陥った印象だ。11月9日、塩沢 アサヒ「ドライ病」治せるか 成功体験のワナ
新型・胃袋争奪戦が勃発、食の内・中・外の垣根崩れる 新型コロナ 小売り・外食 編集委員 10月25日 新型コロナウイルスの感染拡大以降、大手スーパー、ライフコーポレーションの売り場に有名な外食チェーンが相次ぎ「出店」している。お好み焼きの千房、牛タンの利久、居酒屋のエー・ピーカンパニー……。期間限定の外食企業による販路拡大策の一環だ。 店舗での販売減に苦しむ外食企業はこぞって脱・店舗の強化に動き出した。吉野家は牛丼パックの小売りでの販促を強め、2年前に比べ売上高が60%近く増えた。持ち帰りも伸び 新型・胃袋争奪戦が勃発、食の内・中・外の垣根崩れる
コンビニ人手不足、コロナで一段落 24時間店復活も 新型コロナ コラム(ビジネス) 小売り・外食 Nikkei Views 編集委員 10月16日 新型コロナウイルスの感染拡大で国内の雇用環境は悪化しているが、追い風が吹く業種もある。その1つがコンビニエンスストアだ。ここ数年は人手不足などを背景に成長力が鈍化した。ところが今は販売スタッフの応募が急増。時短営業を決めた店で、24時間営業が復活するケースも出てきている。 ローソンが今夏にオープンした東京・錦糸町駅周辺の新店舗。アルバイト・パート社員を募集したところ、350人が殺到した。「3ケタ コンビニ人手不足、コロナで一段落 24時間店復活も
「北海道現象」再び ツルハ・DCMなど小売り躍進 新型コロナ 北海道 小売り・外食 Nikkei Views 編集委員 10月9日 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、小売りは市場縮小と再編の時代に直面している。この荒波の中で、存在感を増しているのが北海道発のチェーン企業だ。1990年代後半、不況に強いコスト競争力を武器とした市場の席巻は「北海道現象」と呼ばれたが、コロナ禍で再来しつつあるようだ。 97年の北海道拓殖銀行の経営破綻で、北海道経済は危機に見舞われた。資金調達と市場低迷に苦しんだ北海道の小売りはローコスト経営を徹 「北海道現象」再び ツルハ・DCMなど小売り躍進
セブン、日米逆転後の宿題 巨額買収の光と影 コラム(ビジネス) 小売り・外食 Deep Insight 編集委員 9月12日 「おれの車は、相棒と部品から組み立てた69年型のシボレー/いま、セブン・イレブン・ストアの駐車場に止めてある」。米ロック歌手の大物、ブルース・スプリングスティーン氏が1978年に発表したアルバムに収録された「レーシング・イン・ザ・ストリート」は、こんな歌い出しで始まる。 日本でセブンイレブンの1号店がオープンしてから4年後のことだ。平均的な米国人は、この歌を聴いてうらぶれた風景を思い浮かべるとい セブン、日米逆転後の宿題 巨額買収の光と影
ファミマTOB、再生に秘策はあるか コラム(ビジネス) 小売り・外食 Nikkei Views 編集委員 8月31日 伊藤忠商事によるファミリーマートへのTOB(株式公開買い付け)が成立した。業績が低迷するファミマの抜本的改革が目的だが、一つ気になることがある。同社のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)への日本マクドナルドなどのマーケティングを担当した足立光氏の起用だ。なぜ今なのか、どんな秘策があるのだろうか。 足立氏は10月1日付でCMOに就任する。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の日本法人 ファミマTOB、再生に秘策はあるか
ニトリに学ぶ「弱さ力」 現状否定で不況ほど強く コラム(ビジネス) 小売り・外食 編集委員 8月23日 今の個人消費はプロ野球でいうとホームグラウンドが圧倒的に優位で、ビジターで苦戦する構図だ。ニトリホールディングスはまさにホームで強さを発揮し、6月の既存店売上高が前年同月比約50%増、7月も同約20%増と勢いに乗る。 もちろん一時的な需要増の恩恵だけではない。創業者の似鳥昭雄会長が逆風に強い経営体質を作ってきたことに起因する。改めてニトリの強さとは何か。それは似鳥氏が自らの「弱さ」を自覚した企業 ニトリに学ぶ「弱さ力」 現状否定で不況ほど強く