今は日本浮上の好機か 権威主義国への対抗の要 ウクライナ侵攻 G7首脳会議 岸田政権 核心 編集委員 5月22日 今週は東京があわただしい。日米の首脳が会談し、日米豪印の4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会議が開かれる。米国主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」発足に合わせた参加国とのオンライン会議も開く。振り返っておきたいのは、欧州の首脳も4月以降、相次いで来日していることだ。 「ドイツと欧州連合(EU)がインド太平洋への関与を継続・強化するとの明確な政治的シグナルだ」。就任後初のアジア訪問先に日 今は日本浮上の好機か 権威主義国への対抗の要
「ブレトンウッズ3」の足音 せめぎ合うドルと商品 Think! 核心 商品 編集委員 3月27日 グローバル化の旗手が、グローバリズムの「終止符」に言及した。米資産運用会社、ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)である。ロシアのウクライナ侵攻を受けた2022年2月26日は分岐点となった。 この日、欧米6カ国と欧州連合(EU)はロシアを国際金融の世界から排除することに合意した。ロシアの銀行を国際送金網から締め出し、ロシアが保有する外貨準備の凍結に踏み切ったのである。 米国側は 「ブレトンウッズ3」の足音 せめぎ合うドルと商品
コロナ・バブルが終わるとき 暗号資産が告げる宴の後 新型コロナ 核心 海外 金融政策 北米 中南米 編集委員 1月31日更新 これもまたバブルの1コマだろうか。あるいは国際金融の騒乱の入り口なのだろうか。2021年9月に暗号資産(仮想通貨)のビットコインを、送金や納税に使える法定通貨に指定した中米エルサルバドルの後日談である。 同国のブケレ大統領は21年11月20日、消費税以外の税金をなくし産業を誘致する、戦略都市「ビットコインシティー」構想を打ち出した。22年にはビットコインに裏付けられた10年債を10億ドル相当発行 コロナ・バブルが終わるとき 暗号資産が告げる宴の後
世界が構えるグリーンフレーション、無防備すぎる日本 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 編集委員 学ぶ 1月29日 脱炭素の流れが原油・ガスの新規投資にブレーキを踏み、供給制約がエネルギーの価格高騰を招く。「グリーンフレーション」が資源輸入国である日本を直撃している。追い打ちをかけてウクライナの緊迫化。日本株の足取りがひときわ重い一因がここにある。 東京に大雪注意報がでた1月6日と最低気温が零下となった翌7日。東京電力パワーグリッドで電気の需給が「非常に厳しい」とされる赤信号がともった。両日とも電気の使用率の 世界が構えるグリーンフレーション、無防備すぎる日本
オミクロン型に岸田流防疫 水際対策で時間を稼ぐ 新型コロナ 核心 編集委員 12月5日 オミクロン型ショックが世界を駆け巡る。各国が新型コロナウイルスを抑え経済活動再開を目指すそばから、コロナは姿を変えてやって来る。 直ちに海外との門戸を閉ざしたのはイスラエルだ。11月27日、外国人の入国を14日間禁止する措置を打ち出した。海外から入国する自国民も隔離義務を強化した。 日本もいつになく素早く動いた。11月26日に南アフリカとその周辺国に水際対策を実施した。27日午前0時から入国後1 オミクロン型に岸田流防疫 水際対策で時間を稼ぐ
枯渇する米政権の政治資本 新首相は寒風に備えを バイデン政権 核心 編集委員 10月3日 華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長は凱旋将軍となった。中国国旗の色である真っ赤なワンピース姿で9月25日夜、中国・深圳の空港に降り立つや、空港ロビーを埋め尽くした人々から中国の愛国歌が巻き起こった。 イランと違法に取引したとして米国に起訴されていた。その孟副会長を取り戻したのは「中国の国力の強さだ」。中国共産党系の環球時報の編集長は胸を張る。「米国は貿易戦争に敗れた。ファーウェイをつぶせなか 枯渇する米政権の政治資本 新首相は寒風に備えを
新首相が開ける税のパンドラ 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 編集委員 10月3日 自民党総裁選に続く、衆院総選挙。税をめぐるパンドラの箱が開こうとしている。分配政策が前面に出て、金融所得への課税強化論が台頭する。 「年収1000万円以下の人の所得税を1年間ゼロに」。立憲民主党の枝野幸男代表はコロナ禍に伴う経済対策として、所得税棒引きを公約した。「分厚い中間層を取り戻し、明日の不安を小さくすることが大事だ」 魅力的な景気対策といいたいところだが、問題はその効果である。日本の場合 新首相が開ける税のパンドラ
デルタ型が招く経済暗雲 試練の2カ月しのぐ策を 新型コロナ 核心 編集委員 8月8日 日本マクドナルドでは8月に入り6日までに店舗の従業員の新型コロナウイルス感染を知らせる発表が100件を超えた。7月末現在、全国で2932店を運営するから、少なからぬ店舗が従業員の感染で一時休店した勘定だ。 同社では従業員の健康管理と情報公開を徹底している。その結果、コロナの広がりがあぶり出された。スターバックスなどでも同じ傾向だ。 米疾病対策センター(CDC)が7月30日に公表した分析によれば、 デルタ型が招く経済暗雲 試練の2カ月しのぐ策を
日本でも「V字」回復はあるか 1日100万回接種の先へ 新型コロナ 核心 編集委員 6月20日 2020年11月9日、米ファイザー社は新型コロナワクチンの有効性が90%を超えたと発表した。コロナとの闘いの転換点になったこの日の2日前、同年11月7日に米投資銀行ゴールドマン・サックスは経済予測を示している。 その表題は「(ワクチン主導の)V字回復」。ワクチンの頭文字であるVと、米景気のV字回復をかけた強気の経済見通しである。ご名答。 今や各国の経済見通しをワクチン接種率が左右する。日本につい 日本でも「V字」回復はあるか 1日100万回接種の先へ
米インフレ懸念、正体見たり枯れ尾花? 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス コラム 編集委員 6月20日 ウッドショックが挨拶代わりになるころに、急騰していた木材価格が一転して急落した。6月16日の木材価格は1000ボードフィート当たり1000ドルを割った。5月7日につけた高値1670ドルから1カ月あまりで4割強下落した。 どこかで見た光景だ。暗号資産(仮想通貨)のビットコインも、いったん6万ドル台に乗せた後、急落している。木材も住宅ブームやインフレ懸念を材料にしつつ、実際には投機マネーが押し上げて 米インフレ懸念、正体見たり枯れ尾花?