丑つまずくか2021年 命運握るコロナワクチン 編集委員 核心 1月18日 2021年は丑(うし)年。過去を振り返っても、丑年は経済や政治が大波乱になっている。今年もまた丑がつまずく年になるのだろうか。 リーマン・ショックが尾を引いた09年。日本はマイナス成長に陥り、総選挙敗北で自民党は下野した。21年の日本もコロナ禍に襲われ、経済が大きく落ち込んでいる。 菅義偉政権の命運を握るのは、衆院議員の任期が満了する10月までに実施される衆院選。その試金石として、4月25日の補 丑つまずくか2021年 命運握るコロナワクチン
中国の「引力場」が飲み込む 米国の居ぬ間に陣地拡大 核心 編集委員 11月30日 柔道でいえば、技ありである。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が20日、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を「積極的に考える」と表明した。 15日に東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が署名されたばかり。米国の政権移行の間隙を突いて、中国は大技をかけた。 トランプ政権がもくろんだ中国包囲網どころの話ではない。RCEPばかりでなく、TPPまで中国色に染め上げられるとなると、通商 中国の「引力場」が飲み込む 米国の居ぬ間に陣地拡大
大統領選後の米政策の行方 イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 10月15日 2020年の米大統領選挙は波乱が続いている。トランプ大統領が新型コロナウイルスに感染したことは(大統領選直前の10月に情勢を変えるほどの)「オクトーバー・サプライズ」だった。だが、その前でさえ、同氏は世論調査で劣勢を強いられていた。対面での遊説が(当初予定通りには)できなくなったほか、残り時間も少なくなった。だからといってトランプ氏の敗北が決まったわけではないが、民主党のバイデン前副大統領が政権 大統領選後の米政策の行方 イアン・ブレマー氏
菅首相に日米豪印の遺産 「準同盟」で中国と対峙へ 核心 編集委員 10月5日 トランプ米大統領のコロナ感染が明らかになるなど、政治の世界の一寸先は闇だ。 そんななか菅義偉首相の電話外交がスタートした。9月25日におやっと思う一幕があった。中国との会談を前に、当日になってインドとの会談がスッと入ってきた。習近平国家主席とは午後9時から、モディ首相は同4時半すぎからとなった。 外交は優れて順番のゲームである。日本はインド重視をアピールした形になった。 25日までに会談した首脳 菅首相に日米豪印の遺産 「準同盟」で中国と対峙へ
米中対立、改善は習氏次第 イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 8月20日 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席はこの3年間、トランプ米政権による中国政府への対決姿勢を中国国内の自らの支持固めや海外での中国に対する同情に上手につなげてきた。そして、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が起きた。 パンデミックに伴い中国が繰り広げてきた一連の外交は西側諸国との関係の転換点とみなされるようになるだろう。中国は新型コロナの感染を初期の段階で隠ぺいした。その後、( 米中対立、改善は習氏次第 イアン・ブレマー氏
対中国で現代版「合従の策」 ファイブ・アイズに日本も 核心 編集委員 8月10日 河野太郎防衛相は7月21日、英議会のトム・トゥーゲンハット外交委員長ら議員団とのビデオ会議に臨んだ。その際の河野氏の発言を、トゥーゲンハット氏がSNS(交流サイト)で紹介している。 「ファイブ・アイズ」に日本を加えて「シックス・アイズ」にする。そのアイデアに、河野氏は「歓迎する」と前向きに応じたというのだ。 第2次大戦中の米英の暗号解読協力に由来するファイブ・アイズは、カナダ、オーストラリア、ニ 対中国で現代版「合従の策」 ファイブ・アイズに日本も
コロナが突いたドル依存の循環 日経ヴェリタス 日経ヴェリタスセレクト 編集委員 7月20日 コロナ禍の下で新興国のドル資金不足が大騒ぎとなった。一方、先進国の銀行でドル不足に直面したのは邦銀だった。2008年のリーマン・ショックでドルが取れないと悲鳴を上げた欧州の銀行は、今回は不思議と静かである。 モヤモヤが拭えずにいたところ、思わず膝を打つ分析にお目にかかった。20年版の「通商白書」である。 まず08年。米国の住宅ローンなどを元にした資産担保証券(ABS)を、大量に購入したのは欧州の コロナが突いたドル依存の循環
メルケル氏、欧州守る気概 イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 7月16日 危機のときには強力なリーダーが台頭する。強権国家にとって、これは独裁的な支配者が非常事態に権限を強めることを意味するが、欧州の場合はメルケル独首相の復活を意味する。 ドイツではメルケル氏が2015年にシリアなどから難民を受け入れる決断を下し、100万人もの難民が流入した。国民から反感を買い、政治運営だけでなく、メルケル氏自身の政治生命にとっても賢明とは言えない決断だった。 欧州でもドイツ国内でも メルケル氏、欧州守る気概 イアン・ブレマー氏
米デモの先頭に「Z世代」 募る不満、コロナ禍で爆発 核心 編集委員 6月22日 時計の針が約半世紀戻ったようだ。1960年代末の米国は、人種差別撤廃やベトナム戦争反対を求めるデモに揺れ、学生運動による大学占拠の動きは全世界に広がった。 「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命だって大切だ)」。黒人男性の圧迫死事件を機に、抗議デモが全米、全世界に拡大中だ。 英国でもチャーチル元首相の銅像にデモ隊が落書きし、像が覆われる事態に発展。チャーチルの人種差別的な発言に抗議したと 米デモの先頭に「Z世代」 募る不満、コロナ禍で爆発
世界に改革促す「適温」危機 イアン・ブレマー氏 グローバルオピニオン 6月18日 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)との闘いを強いられたこの数カ月を振り返ると、生易しいものではなかった。だが、今回のコロナ危機は世界に変革を迫るという意味においては、実は「必要なタイプの危機」であるのかもしれない。 第2次世界大戦以降に構築された世界秩序は崩壊状態にある。国際協調は筆者が知る限り最悪の状況だ。資本主義が大多数の人にとって機能していないことは格差の拡大に如実に表れて 世界に改革促す「適温」危機 イアン・ブレマー氏