菅首相の脱炭素宣言、水素社会への好機に 環境エネ・素材 編集委員 11月1日 菅義偉首相が10月26日の所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。昨年12月に就任した欧州連合(EU)のフォンデアライエン委員長は50年までに域内で排出する温暖化ガスを実質ゼロにする「欧州グリーンディール」を掲げている。日本は先を越されたが、21年改定の次期エネルギー基本計画が、太陽光や風力など再生可能エネルギーを主力電源と定めるのは必至だ。 エネル 菅首相の脱炭素宣言、水素社会への好機に
関西で実力会長が関わる人事相次ぐ 難しい引き際 サービス・食品 関西 編集委員 3月27日 関西で実力会長の関わる人事が続いた。大和ハウス工業は26日、樋口武男会長が退任し、取締役も外れて最高顧問に就くと発表した。25日には近鉄グループホールディングス(GHD)が任期5年での社長交代を発表したが、小林哲也会長は続投する。実力会長は内部を引き締めるタガにもなるが、権力を長く持ち続ければ組織はほころびが生じやすくなる。引き際の難しさはいつの時代も変わらない。 ■「中興の祖」の退任 樋口氏は創 関西で実力会長が関わる人事相次ぐ 難しい引き際
関西電力に電化率24%の2040年を支える覚悟はあるか 環境エネ・素材 大阪 関西 編集委員 3月14日 2020年のエネルギー業界は数多くの試練に直面している。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんが脚光を浴びる一方、燃焼時に温暖化ガスを出す化石燃料には冷ややかな視線が注がれる。二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電所への批判は特に強い。大阪ガスの尾崎裕会長は「いずれ天然ガスにも矛先が向く」と懸念する。 逆風を受ける化石燃料だが、国際エネルギー機関(IEA)が19年11月に公表した 関西電力に電化率24%の2040年を支える覚悟はあるか
電気自動車のSDGs対応、道半ば コラム(ビジネス) 環境エネ・素材 編集委員 3月1日 最近の通勤ファッションで口元にマスク、左襟に17色をリング状に配置したカラフルなバッジというのが増えてきた。マスクは新型コロナウイルスの感染防止。そしてバッジは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に定める経済、環境、社会など17項目の目標を表している。 日本経済のけん引役である自動車産業の将来も、SDGsに左右される。電気自動車(EV)に積むリチウムイオン電池は 電気自動車のSDGs対応、道半ば
もみ殻でトラクター動かす クボタ会長が描くエコ農業 自動車・機械 コラム(社会・くらし) 編集委員 2月21日 農林水産省の見通しでは2050年に世界の穀物生産量は10年比で1.7倍の約36億トンに増えるが、収穫面積は約6億ヘクタールで横ばいだという。農業の生産性向上は地球規模の課題だ。今年1月に社長から会長に就いたクボタの木股昌俊さん(68)は生産現場一筋で、最先端の農業機械を世界に送り出してきた。 ◇ ◇ ◇ 今年創業130周年を迎えるのを記念し、1月15日のディーラー向け発表会で、クボタとして もみ殻でトラクター動かす クボタ会長が描くエコ農業
小林庄一郎元関電会長死去 電撃解任仕掛けた豪胆さ 環境エネ・素材 大阪 関西 編集委員 2月5日 関西経済界の長老、小林庄一郎・元関西電力会長が4日、亡くなった。関西の経営者や大阪・北新地のママさんは「コバショウ」と呼んで親しんだが、旧制旅順高校でのあだ名は「アベショウ」。阿部家に生まれたが、母方の小林家に子供がおらず養子になったからだ。東京帝国大学に入って以降、小林姓を名乗った。 会長時代の1987年2月26日に関電の最高実力者で代表取締役名誉会長に就いていた芦原義重氏と腹心の内藤千百里副 小林庄一郎元関電会長死去 電撃解任仕掛けた豪胆さ
関西経済同友会が美術展で実践「70センチの教育」 関西 編集委員 1月30日 関西経済同友会が会員企業から所蔵絵画を借りて公開する「なにわの企業が集めた絵画の物語」展を、2月15日まで大阪市で開催している。2018年に続いて2回目で、オークションにかければ億円単位の値段がつく貴重な作品もある。普段は応接室などに飾られ、一般の目には触れない絵画を鑑賞できる。 ほかの美術展と異なる特徴はまだある。作品と来場者を仕切るフェンスやガラスのケースがない。絵画を掛けた壁から70センチ 関西経済同友会が美術展で実践「70センチの教育」
サビた排気筒、林立するタンク…福島原発の今 環境エネ・素材 編集委員 12月30日 3~4日にかけ日本記者クラブ取材団に加わり、東日本大震災で大事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所(福島県大熊町・双葉町)と廃炉が決定した同第2原発(同県楢葉町・富岡町)に入った。福島第1に向かう途中、立ち入り禁止となり朽ちるしかない無数の家屋や店舗、放棄され荒れ果てた農地を見た。これらを整地した1600ヘクタールに、除染で発生した土壌等を一時保管する中間貯蔵施設を建設するという。 何重もの サビた排気筒、林立するタンク…福島原発の今
金品受領問題に揺れる関西電力、創業精神はどこへ 環境エネ・素材 関西 編集委員 11月16日 福島第1原子力発電所の大事故を起こしたあとも電力業界の「長男」として永田町や霞が関に隠然たる影響力を及ぼす東京電力が、次男格である関西電力に唯一、脱帽するのが黒部川第4発電所(=黒四、富山県黒部市)の建設物語だ。1956年に着工し、63年の完成までに171人もの殉職者を出す難工事をやり遂げた。関電社員は新人研修で必ず黒四の歴史を学び、電源開発に命をかけた先輩たちの魂を受け継ぐ。 黒四の最難関はダ 金品受領問題に揺れる関西電力、創業精神はどこへ
エネルギー安全保障、北極圏という選択肢 環境エネ・素材 8月4日 原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡で米英両国とイランが対立、緊張が増している。非中東のエネルギー資源を求める各国は今、北極圏に熱い視線を注ぐ。米地質調査所(USGS)によればこの地域に眠る未発見の石油は世界の13%、天然ガスは30%を占める。 ロシアのエネルギー・金融研究所のアレクセイ・グロモフ・エネルギー担当部長は1月、新潟市の講演で「ロシアのガス輸出で大半を占める欧州は再生可能エネルギーが急 エネルギー安全保障、北極圏という選択肢