欧州で選挙ラッシュ 「統合とリベラル化」加速も 英EU離脱 編集委員 ヨーロッパ 1月2日 まさに欧州は選挙の年。2021~22年に独仏など各国が民意に問うのは「英なき欧州連合(EU)」と「メルケルなき欧州」の将来像だ。欧州統合が深まり、社会のリベラル化が進む転機になるかもしれない。 債務・難民危機、英離脱、米欧冷戦――。2010年代の欧州は危機の連鎖だった。危機対策に奔走したユンケル前欧州委員長らはすでに身を引いた。今秋にメルケル独首相が退けば世代交代が終わり、政界の顔ぶれは「新しい 欧州で選挙ラッシュ 「統合とリベラル化」加速も
「最悪シナリオ」を回避した世界 残る分断 英EU離脱 編集委員 ヨーロッパ 12月25日 欧州連合(EU)と英国は24日、自由貿易協定(FTA)を結ぶことで合意し、交渉決裂という最悪シナリオを回避した。安心はできない。EUは分断という深手を負い、英国ではナショナリズムが燃える。統合の逆回転という歴史的な局面にある欧州は、なお世界の波乱要因となるリスクを抱える。 合意には功罪両面の効果がある。まず民主主義陣営で目先の懸念が後退した。米大統領選ではバイデン氏が勝ち「トランプ再選」と「英E 「最悪シナリオ」を回避した世界 残る分断
航空需要、回復の見込みは 「ビジネス客の戻りに遅れ」 英EU離脱 経済 編集委員 ヨーロッパ サービス・食品 12月22日 新型コロナウイルスが猛威を振るい、多くの人にとって空の旅が縁遠くなった。欧米で始まったワクチン接種で客足は戻るのか。世界の航空会社が加盟する業界団体・国際航空運送協会(IATA)のアレクサンドル・ドゥ・ジュニアック事務総長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。 ――激減した航空需要はワクチンで復活しますか。 「空の旅が大きく伸びるようであれば、世界景気も力強く回復する。ただワクチンを人口のかなりの 航空需要、回復の見込みは 「ビジネス客の戻りに遅れ」
都市封鎖下の英景気 外食など収益回復に3年 英EU離脱 新型コロナ コラム(経済・金融) ヨーロッパ 編集委員 11月30日 英国は首都ロンドンを含む全イングランド地方が11月上旬からロックダウン(都市封鎖)中だ。英政府は外食産業の支援などに力を入れるが、事業者の不安はなかなか解消しない。レストランやホテルなどの業界団体UKホスピタリティのケイト・ニコルズ最高経営責任者(CEO)に景況感を聞いた。 ――足元の状況は。 「ウイルスの拡大は(飲食・宿泊など)ホスピタリティ業界に壊滅的な打撃を与えた。特にロンドン中心部に猛烈 都市封鎖下の英景気 外食など収益回復に3年
欧州も悩む「権力とメディアの距離」 グローバルViews コラム(国際) ヨーロッパ 編集委員 11月30日 世界が「権力とメディアの距離」に揺れている。米国ではホワイトハウスと主要メディアが対立し、香港ではメディアへの締め付けが強まる。日本でも菅政権が首相補佐官にマスコミ出身者を充てたことが話題になった。「リベラルの砦(とりで)」を自任する欧州は報道の自由度の高さを誇ってきたが、それでも最近は距離感に悩む。 10月7日、欧州中央銀行(ECB)が流した小さなニュースリリースに担当記者がざわついた。「報道 欧州も悩む「権力とメディアの距離」
ベーシックインカム 欧州も導入に高い壁 ヨーロッパ Global Economics Trends 編集委員 11月22日 ベーシックインカム(最低所得保障)と呼ばれる福祉制度の議論が日本で活発になってきた。グローバル化やデジタル化が急速に進んでいたところをコロナ禍が襲い、先行き不安を感じる人が増えた。しかし「画期的なセーフティーネット(安全網)」と飛びつくのは危うい。福祉先進地域の欧州でも導入に高い壁が立ちはだかる。 ベーシックインカムは生活保護など既存の社会保障制度と異なり、所得の多寡を問わず、全国民が無条件で一 ベーシックインカム 欧州も導入に高い壁
ドイツのインド太平洋戦略 狙いは「バランス外交」 ドイツ政局 東南アジア 南西ア・オセアニア ヨーロッパ 編集委員 11月14日更新 欧州連合(EU)議長国のドイツが「インド太平洋戦略」を打ち出した。一見すると中国包囲網に加わるようにみえるが、内実は異なる。「中国偏重」という印象を拭いつつ、中国を含めたアジア全域とうまく付き合う「バランス外交」に移行するのがドイツの狙い。長年におよぶ周到な準備の裏には打算が透ける。 「いまや世界経済の4割を占める。経済面でも政治面でも存在感が大きくなった」。アルトマイヤー独経済相は日本経済新聞 ドイツのインド太平洋戦略 狙いは「バランス外交」
民主VS強権 東欧の今(複眼) エドガルス・リンケービッチ氏/コンスタンチン・ザトゥーリン氏/ヤロスラフ・ロマンチュク氏 時論・創論・複眼 10月15日 冷戦終結に伴う東欧革命から30年あまりを経て、旧ソ連のベラルーシで民主化を求める市民の抗議運動が続いている。「欧州最後の独裁者」とも呼ばれるルカシェンコ大統領の退陣につながるのか。強権的体制と民主主義陣営の対立の側面もあるベラルーシ情勢の行方を3人の識者に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ■忍耐とバランスが肝要 ラトビア外相 エドガルス・リンケービッチ氏 欧州連合(EU)は8月のベラルーシ大統領選で「不正が 民主VS強権 東欧の今(複眼)
世界の安定役、問われる覚悟 東西ドイツ統一30年 英EU離脱 ドイツ政局 ヨーロッパ 編集委員 10月3日 東西ドイツが再統一してから3日で30年を迎えた。世界を国際協調と民主主義が覆うという当時のユーフォリア(陶酔感)はすっかり消え、強権政治とポピュリズム(大衆迎合主義)の脅威が忍び寄る。再び世界秩序が揺れるなかで「欧州の盟主」となったドイツはどこへ向かい、欧州と世界になにをもたらすのか。 30年前、西ドイツ代表として再統一条約に署名したショイブレ連邦議会議長は、ドイツの「心構え」を取材に語ったこと 世界の安定役、問われる覚悟 東西ドイツ統一30年
未完の東欧革命 大国が翻弄する「緩衝地帯」 ドイツ政局 ヨーロッパ Global Economics Trends 編集委員 9月6日 ソ連・東欧諸国が共産党支配を倒した東欧革命から30年が過ぎた。共産圏の頂点に君臨したソ連は解体され、軍事同盟のワルシャワ条約機構も消滅した。だが東欧の民主化は道半ばだ。足元ではベラルーシで独裁体制を敷くルカシェンコ大統領が権力にしがみつく。「自由と民主主義の砦(とりで)」を自任する欧州の弱みがここにある。 ■ベラルーシで続く反体制活動 ベラルーシでは8月に行われた大統領選で現職のルカシェンコ氏が6 未完の東欧革命 大国が翻弄する「緩衝地帯」