覚悟なき「価値観同盟」G7、23年重責担う日本 日経ヴェリタスセレクト G7首脳会議 日経ヴェリタス コラム ヨーロッパ 編集委員 7月2日 覚悟のなさが目立つ会合だった。「ロシアが戦争に勝ってはならない」。6月28日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の閉幕後の記者会見で議長国ドイツのショルツ首相は語った。しかし、威勢のよさとは裏腹にロシア制裁は具体策を欠く。これでは足元を見透かされ、ロシアの「侵略戦争」が長引きかねない。 ロシア資産の接収など実現せず 開催地はドイツ南部のリゾート地、エルマウ。地理的に近接する欧州でのG7サミットと 覚悟なき「価値観同盟」G7、23年重責担う日本
米欧エネルギーで温度差 ロシア、協調の亀裂突く ウクライナ侵攻 G7首脳会議 Think! ヨーロッパ 編集委員 7月1日 「追加のロシア制裁を議論したい」。英首相官邸の関係者は主要7カ国首脳会議(G7サミット)直前、日米欧が一致してガス禁輸に踏み切るべきだとの考えをにじませた。 ロシアによる2020年の天然ガス輸出先は、欧州が8割前後を占めた。ガスの「脱ロシア」を進めれば大きな打撃を与えられる。その当ては外れた。 今回のサミットは石油価格の上限制の導入方針や金禁輸で合意したが、肝心のガスでは温度差が改めて浮き彫りに 米欧エネルギーで温度差 ロシア、協調の亀裂突く
ウクライナ、統治の行方 欧州の識者に聞く ウクライナ侵攻 プーチン氏動向・解説 時論・創論・複眼 ヨーロッパ 編集委員 6月20日 ロシアがウクライナに軍事侵攻して約4カ月がたつ。東部や南部で激しい戦闘が続き、欧州連合(EU)加盟を目指すウクライナを支援する西側諸国の間でも、停戦や戦後統治に関して様々な観測や意見が出ている。欧州の外交担当者らに今後の焦点などを尋ねた。 ◇ ◇ ◇ ■平和的な「分割」はない 元英NATO大使 ピーター・リケッツ氏 ロシア、ウクライナともに完全な勝利を収められず、数カ月は戦闘が続くだろう ウクライナ、統治の行方 欧州の識者に聞く
プーチン体制、アリの一穴どこに 占領維持に巨額負担も ウクライナ侵攻 プーチン氏動向・解説 Think! Global Economics Trends ヨーロッパ 編集委員 6月19日 ロシアによるウクライナ侵略からほぼ4カ月が過ぎた。主要7カ国(G7)などの制裁にもかかわらずロシア経済は崩壊を免れ、戦争が長引く。いつまでロシアは戦争を続けることができるのか。プーチン体制はいつまで持つのか。ヒントは意外にもロシア本体ではなく、ロシアの影響下にあるウクライナ東部地域にあるのかもしれない。 ■資金源を断ち切れていない 大義なき戦争を終わらせるにはロシアの資金源を断つ必要がある。G7 プーチン体制、アリの一穴どこに 占領維持に巨額負担も
ECB、遅すぎた利上げ 迫る次の危機 日経ヴェリタスセレクト 日経ヴェリタス Think! コラム 為替・金利 ヨーロッパ 編集委員 6月18日 あまりにも遅すぎた。6月9日の理事会で欧州中央銀行(ECB)は利上げを決めたが、明らかに後手に回っている。ユーロ圏の足元のインフレ率は8%に達し、とうてい「物価安定」の責務を果たせているとはいえない。 ロシアのウクライナ侵略でエネルギー高騰が予想できたのに3月の理事会は静観した。今回の理事会では遅ればせながら7月利上げを宣言したものの、引き上げ幅は0.25%にとどめた。大胆に0.5%としてインフ ECB、遅すぎた利上げ 迫る次の危機
NATO会議「力の均衡」への転換点に 日韓も異例の出席 ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ Nikkei Views 編集委員 6月17日 ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、6月29~30日にスペインのマドリードで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれる。非加盟の日本や韓国、オーストラリアの首脳も異例で出席。民主主義陣営の結束を示す。「新・冷戦」の誕生で分断が深まる世界を象徴する会議となる。 欧州では6月にウクライナを巡る重要な国際会議が相次ぐ。欧州連合(EU)がウクライナのEU加盟を話し合い、主要7カ国(G7)は経済支援策を NATO会議「力の均衡」への転換点に 日韓も異例の出席
輸出ルートの寸断 景気の重荷に ウクライナ中銀副総裁 ウクライナ侵攻 経済 ヨーロッパ 編集委員 6月3日 ロシアのウクライナ侵攻から3カ月あまりが過ぎた。ウクライナ中央銀行で経済分析を担うニコライチュク副総裁は日本経済新聞に対し、物流の寸断が輸出を妨げ、景気の重荷になっていると指摘した。経済支援の一環として、ウクライナの輸出ルートをどう確保するのかが6月の主要7カ国(G7)首脳会議の議題に浮上してきた。 足元の景況感についてニコライチュク氏は「今年の国内総生産(GDP)は、おおよそ3分の1縮むという 輸出ルートの寸断 景気の重荷に ウクライナ中銀副総裁
ECB、異例の利上げ宣言 「高インフレ時代」に身構え ヨーロッパ Nikkei Views 6月3日 欧州中央銀行(ECB)が9日に理事会を開く。エネルギー価格の高騰を受け、遅ればせながら利上げに動く。「高インフレ時代」に身構える欧州各国。この先の欧州金利の動向は世界経済のリスクになる可能性がある。 ■ブログ予告に主導権争いの影 「7月に利上げできる」。ラガルドECB総裁は5月、理事会に先駆けて事実上の利上げ予告に動いた。宣言の場はブログ。まさに異例の情報発信だった。 理事会を待たずにネットで発 ECB、異例の利上げ宣言 「高インフレ時代」に身構え
「ロシア中銀の資産接収を」 ラトビア首相、法整備訴え ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ 編集委員 6月3日更新 【ロンドン=赤川省吾、ウィーン=細川倫太郎】欧州連合(EU)加盟国ラトビアのカリンシュ首相は日本経済新聞のインタビューで、日米欧が凍結したロシア中央銀行の資産を接収し、ウクライナに渡すべきだとの考えを明らかにした。「日米欧が連携し、前に進むべきだ」と述べた。EUや主要7カ国(G7)の首脳会議で議題になる可能性がある。 対ロシア制裁の一環として日米欧などはロシア中銀とプーチン政権に近いオリガルヒ( 「ロシア中銀の資産接収を」 ラトビア首相、法整備訴え
欧州物価、賃上げ共振で高止まりも ミュラーECB理事 経済 ヨーロッパ 編集委員 5月30日 ウクライナでの戦争が欧州景気を直撃した。エネルギー高騰で足元の消費者物価上昇率は7%を上回る。ユーロ圏でインフレがさらに進む可能性はあるのか。どのような金融政策を講じるべきか。6月9日の欧州中央銀行(ECB)理事会を先取りする形で理事会メンバーのミュラー氏(エストニア中銀総裁)に聞いた。 ――足元の景況感は。 「成長率は昨年からの回復基調が続くというのが基本シナリオだ。先行きには悲観論もあるが、 欧州物価、賃上げ共振で高止まりも ミュラーECB理事