「データで読む地域再生」のニュース一覧

「データで読む地域再生」では、政府や自治体、民間の統計を日本経済新聞が独自に分析し、様々な課題の解決に取り組む地域の姿に迫ります。自治体や企業の取り組み事例も交え、人口減少や観光振興、ものづくりなど、様々なテーマを取り上げます。

■ごみ総量は減少傾向でもリサイクル率は伸び悩む ■新たな再生手法の活用に積極的な自治体が上位に ■分別徹底を狙い市民の意識向上に知恵を絞る動きも

北海道のリサイクル　知床・羅臼町は観光客用ごみ袋販売

北海道は一般ごみのリサイクル率が21.4%で全国6位。道内には熱心にリサイクルに取り組む自治体もあり、全国市区町村別のリサイクル率トップ10のうち、4自治体を道内で占めている。リサイクルに欠かせない丁寧なごみの分別や、ごみの量を減らせるリユース（再利用）を住民に呼びかけるなど、地道な活動も功を奏している。道内5位の下川町は、使用済み小型家電や古着・古布の無料回収に取り組んでいる。有用な金属を回

北海道のリサイクル　知床・羅臼町は観光客用ごみ袋販売

仙台のサッカーファン、プラごみリサイクルの歯車回す

仙台市では4月、プラスチックごみの一括回収という先進的な取り組みが始動したものの、東北6県のリサイクル率は総じて全国平均より低い。住民がメリットを感じにくいだけに、リサイクルの歯車をしっかり回すのは容易ではない。多くの自治体は担い手やコストの課題も抱えている。こうした中、秋田県では循環型・脱炭素社会を見据え、大学との共同研究も始まった。「大好きなチームを通して社会貢献できてうれしい」。サッカー

仙台のサッカーファン、プラごみリサイクルの歯車回す

神奈川・鎌倉、3D印刷でプラリサイクル　体験会盛況

関東・山梨でもごみのリサイクルが進んでいる。神奈川県は24.5%と都道府県別でトップ。千葉（22.2%）や東京（21%）も高水準を維持している。体験会の実施や回収量に応じた補助、不用品買い取り業者との協定など自治体も知恵を絞る。「すごい、小さくなっちゃった」「初めてみた」――。JR鎌倉駅からほど近い「リサイクリエーションラボ慶応鎌倉」（鎌倉市）では、和気あいあいとした親子連れなどの姿が目立つ。

神奈川・鎌倉、3D印刷でプラリサイクル　体験会盛況

ごみを堆肥に、余る食品子供に　北信越でリサイクル進む

排出するごみをどれだけ資源化したかを表すリサイクル率（2021年度）は、北信越5県の平均で20%弱だった。全国平均とほぼ変わらないが、個々の市町村に目を向けると、独自の工夫で高い数値を達成したところがある。ごみを堆肥にしてブランド米生産に生かしたり、捨てる食品を回収して子ども食堂に寄付したりと、地域の活性化や課題解決にも役立てている。リサイクル率65.8%で、人口10万人未満の自治体で全国6位

ごみを堆肥に、余る食品子供に　北信越でリサイクル進む

愛知3市や津市、飲料メーカーと組みペットボトル再生

東海4県の自治体や企業がごみの資源化に知恵を絞っている。愛知県瀬戸市などは飲料メーカーなどと組み、ペットボトルを繰り返し再生し資源を循環させる「水平リサイクル」を開始。浜松市は生ごみの堆肥化装置を家庭に無料配布し、ごみの総量を減らしている。官民連携や市民の協力を促す工夫が、環境課題の解決のカギとなる。東海圏で先行する愛知県は2021年度時点で一般ごみのリサイクル率が21.4%と全国の都道府県で

愛知3市や津市、飲料メーカーと組みペットボトル再生

奈良県斑鳩町、保育園でごみ資源化教育　焼却ゼロへ宣言

ごみのリサイクル促進で全国に比べて出遅れてきた関西でも、一部の自治体で焼却炉を廃止するなど再資源化にかじを切る動きが出てきた。奈良県斑鳩町は2017年、27年度までにごみの焼却ゼロを目指す「ゼロ・ウェイスト宣言」を関西の自治体として初めて制定。町内の保育園にも働きかけ、住民のリサイクル意識向上をはかる。「穴を掘ってごみを埋めてね」「はーい」。斑鳩町立「あわ保育園」では年長クラスの約40人の園児

奈良県斑鳩町、保育園でごみ資源化教育　焼却ゼロへ宣言

徳島・上勝町、ごみ45種分別　鳥取は回収エアバッグで服

中四国地域でもごみリサイクルの取り組みは活発だ。徳島県上勝町は行政の「ごみゼロ宣言」に住民が呼応して45種類にも及ぶきめ細かな分別に成功。鳥取、岡山、高知各県でも企業などのユニークな工夫が話題だ。環境に配慮する姿勢がみられない自治体や企業に明日はない、との危機感は強い。環境省の一般廃棄物処理実態調査（2021年度）によると、リサイクル率が79.9%と全国3位、中四国で首位の徳島県上勝町は、03

徳島・上勝町、ごみ45種分別　鳥取は回収エアバッグで服

宮崎県小林市、ごみ分別25品目　住民負担との最適解は

宮崎県小林市は、2021年度のリサイクル率が41.5%と県全体の平均（17.0%）を上回り、九州でリサイクル先進地の一つとして知られる。その要因は7種25品目に及ぶごみの分別だ。近年は住民に委ねているプラスチックごみの汚れ落としが不十分で選別コストが上昇しており、可燃ごみとして処理するように見直した。山間部に位置する人口4万人の自治体が、分別と住民負担の最適解を探っている。小林市内のごみの集積