東証再編が招く株主提案 上場の日鉄子会社に英ファンド 株主総会 企業統治 コラム 環境エネ・素材 5月16日 東京証券取引所の市場再編が新たな株主提案につながっている。英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が日鉄ソリューションズに対して株主提案をしたことが16日わかった。NSSOLはプライム市場を選んだが、上場子会社で流通株式比率が低い。AVIは資本効率改善に向け、親会社の日本製鉄からの自社株買いをするよう求めている。 AVIはNSSOLが6月21日に開く予定の株主総会で自らの提案 東証再編が招く株主提案 上場の日鉄子会社に英ファンド
東洋建設買収に任天堂創業家の影 TOB中に19%取得 企業統治 Think! 株式 企業業績・財務 住建・不動産 4月14日更新 前田建設工業を傘下に持つインフロニア・ホールディングスが買収を進めている東洋建設の株式を、任天堂創業家のファミリーオフィス(個人資産の運用会社)が買い集めていることがわかった。インフロニアが3月から実施中のTOB(株式公開買い付け)中に2割弱を取得しており、TOBが成立しない可能性もでてきた。 インフロニアがTOBを始めて1週間たった3月31日。「WK」1~3という投資ファンドが東洋建株を5.8 東洋建設買収に任天堂創業家の影 TOB中に19%取得
グレイスの不正会計発覚、見抜けぬ監査に「制度疲労」 企業業績・財務 1月26日更新 「衝撃だ」。東証1部でマニュアル制作などを手掛け、滝川クリステルさんのCMでも知られるグレイステクノロジーの不正会計が判明した一報を受け、ある監査法人のパートナー会計士が発したつぶやきには驚きと失望が混じっていた。グレイスの2021年3月期の単独売上高のうち55%が架空だったが、EY新日本監査法人の監査をすり抜けてしまった。27日までに四半期報告書を提出できなければ、上場廃止になる。 グレイスの グレイスの不正会計発覚、見抜けぬ監査に「制度疲労」
上場維持の功罪 エデュラボ、マザーズに降格 企業統治 株式 企業業績・財務 1月21日 上場前からの不正会計が発覚したEduLab(エデュラボ)に対し、東京証券取引所が1部からマザーズへの降格処分を出した。東証が上場時の虚偽記載を理由に降格処分を出すのは2例目。東証は会計不祥事に対して更生を重視しており、上場維持によって投資家の売買機会は確保された。不正が相次ぐなか、市場の秩序を保つ役割を東証が一手に担うことに限界も見えている。 2018年にマザーズに上場したエデュラボは昨年、上場 上場維持の功罪 エデュラボ、マザーズに降格
相次ぐMBO失敗、誰のせい? 株主総会 企業統治 株式 1月14日 片倉工業のMBO(経営陣の参加する買収)が頓挫した。株価がTOB(株式公開買い付け)価格を上回って推移し、成立に必要な応募が集まらなかった。MBOの失敗は2021年以降5件と相次いでいる。現在の株価に責任のある経営陣が、買収にあたり評価した企業価値が適切かが問われている。 片倉は会長と社長が折半出資する会社(かたくら)が1株2150円でTOBをしていた。期間中に筆頭株主の保有株を1株2350円で 相次ぐMBO失敗、誰のせい?
関西スーパー、買い取り価格に残る違和感 企業統治 小売り・外食 1月11日 買収を巡る関西スーパーマーケットとオーケー(横浜市)の対立が6日、最終決着した。株主総会でエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)系との統合に反対したオーケーは保有する関西スーパー株の買い取りを求め、1株1518円で合意した。両社が主張しあってきた価値を大幅に下回る価格で決着したのはなぜか。 両社は半年にわたり対立してきた。オーケーは2021年6月に関西スーパーの上場来高値の1株2250円でTO 関西スーパー、買い取り価格に残る違和感
TOB応募契約に潜むリスク 株式 企業業績・財務 1月4日 片倉工業のMBO(経営陣が参加する買収)に向けて実施されているTOB(株式公開買い付け)期限まで1週間となった。応募契約を結んでいた筆頭株主が第三者に株式を売却したことで、TOB期間が延長されていた。片倉株はTOB価格を上回って推移しており、応募契約を結んでいる他の大株主は難しい対応を迫られている。 片倉株はTOB表明以降、一貫してTOB価格を上回り推移する。12月中旬からは上昇に弾みがつき、当 TOB応募契約に潜むリスク
関西スーパー総会、取引先持ち株会が賛否の「隠れみの」に 企業統治 株主総会 企業業績・財務 株式 12月23日 司法判断を受けて15日にエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下となった関西スーパーマーケット。最高裁までもつれた原因は株主総会での1人の株主の行動だったが、僅差の可決を後押ししたとみられるのは9%超を保有する第2位株主の取引先持ち株会だった。 関西スーパーの取引先持ち株会には食品スーパーや卸などが参加する。総会前には伊藤忠食品が、理事長一任での議決権行使という慣例に異を唱えて自主投票となっ 関西スーパー総会、取引先持ち株会が賛否の「隠れみの」に
ニッチツの買収防衛策、有事に「平時型」 緊張感そぐ恐れ 12月17日 船舶部品のニッチツは12月23日に臨時株主総会を開催し、10月20日の取締役会決議で導入した買収防衛策の更新を決議する。防衛策導入にあたって、ニッチツは当初から特定の買収者を想定していないとしていたが、実態を見ると導入前にニッチツ株を取得した特定の投資家を意識したように見える。 日本の買収防衛策は、2000年代中盤の導入が広がった当初は、特定の買収者を想定しない形で備える「平時型」と呼ばれる形式 ニッチツの買収防衛策、有事に「平時型」 緊張感そぐ恐れ
エデュラボ不正会計、動けぬ東証 慎重手続きで続く空白 株式 企業業績・財務 12月15日 上場前からの不正会計が発覚したEduLab(エデュラボ)は、すでに8月の調査委員会設置から4カ月、不正会計発覚から2カ月が経過しているが、同社株は通常通り取引が行われている。東京証券取引所の措置が決まるまでには、現行の手続きではさらに1カ月以上かかり、「空白」期間が続く可能性がある。 エデュラボは連結範囲の意図的な調整などの疑いが発覚し、有価証券報告書を訂正した。過去複数期の売上高を数%減らした エデュラボ不正会計、動けぬ東証 慎重手続きで続く空白