中国のデジタル人民元、「制裁逃れ」の切り札か Think! 金融政策 中国・台湾 3月25日 中国が米欧日による対ロシア金融制裁の影響分析を急いでいる。国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除や中央銀行が持つ海外の外貨資産の凍結など「主要国が初めて一斉に科した大規模制裁の威力を正確に把握しなければならない」(中国共産党系シンクタンク関係者)と身構える。台湾の武力統一も辞さず、米国に覇権争いを挑む習近平(シー・ジンピン)指導部にとって海外の金融制裁は無視できないリスクだからだ。 中国はこ 中国のデジタル人民元、「制裁逃れ」の切り札か
インド中銀、デジタル通貨は「スピード重視」封印か Think! 金融政策 南西ア・オセアニア 2月18日 インド政府は今月、デジタル通貨を発行すると発表した。発行時期は2022年度(22年4月~23年3月)と目前だが、詳細はベールに包まれている。担い手であるインド準備銀行(中央銀行)からの情報発信も乏しい。見切り発車に映るが、重要政策を唐突に打ち出すのは既視感のある光景だ。スピード優先でデジタル政策を打ち出してきたインドの力量が試される。 「中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入は、デジタル経済の大 インド中銀、デジタル通貨は「スピード重視」封印か
世界最古のスウェーデン中銀、埋まる「超ハト派」の外堀 金融政策 ヨーロッパ 1月28日 世界の中央銀行が相次いで金融引き締め路線にかじを切るなか、緩和環境の維持に最も前向きな主要中銀の一つがスウェーデンのリクスバンクだ。政策金利(レポレート)は現在ゼロ%で、最初の引き上げ時期について「2024年以降」との見通しを堅持してきた。そんなスウェーデンにもエネルギーの値上がりや景気回復を背景とする物価上昇の波が押し寄せている。「超ハト派」の外堀はじわじわと埋まってきた。 リクスバンクは19 世界最古のスウェーデン中銀、埋まる「超ハト派」の外堀
タカ派のブラジル中銀、利上げで狙うばらまき退治 金融政策 中南米 1月7日 利上げに前向きな「タカ派」の中央銀行の代表格に位置づけられるのがブラジル中銀だ。2021年は3月から12月に開いた7回の金融政策決定会合すべてで利上げし、累計の利上げ幅は7.25%に達した。加速するインフレを抑えるのが狙いだが、ボルソナロ政権が進めるばらまき的な財政出動の拡大をけん制する意図もにじむ。 「最終的な金利水準は分からないし、示すこともしない。(インフレは)より根強く、より長い時間とな タカ派のブラジル中銀、利上げで狙うばらまき退治
似て非なるオセアニアの中銀 忍耐の豪州、進取のNZ 金融政策 12月17日 新型コロナウイルス禍に伴う金融緩和から正常化への転換点に立つ各国中央銀行。オセアニアも例外ではないが、オーストラリアとニュージーランド(NZ)の準備銀行(中銀)の動きは対照的だ。国債買い入れをやめ、2会合連続で利上げしたNZと、忍耐強く緩和方針を貫く豪州。類似点が多い両国だが、金融政策では違いが際立つ。 「今回の決定が2024年より前の利上げという考え方を反映していないことは明確にしておきたい」 似て非なるオセアニアの中銀 忍耐の豪州、進取のNZ
トルコ物価高でも利下げ 独立なき中銀総裁が招く通貨安 Think! 海外 金融政策 中東・アフリカ 11月26日 トルコリラの下落が止まらない。23日には1ドル=13リラ台を付け、下落幅は11月だけで3割近くなった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測もくすぶるなか、軒並み値下がりする新興国通貨の中でもひときわ弱さが目立つ。強権大統領の意向を受け、型破りの金融緩和を進める中央銀行への信頼失墜が背景にある。 「この3カ月は値札の貼り替えが追い付かない」。11月中旬、家族でイスタンブール市内の食料品・日用品店 トルコ物価高でも利下げ 独立なき中銀総裁が招く通貨安
英中銀、「まず金利から」正常化 即効性重視で画す一線 金融政策 ヨーロッパ 11月5日 英イングランド銀行(中央銀行)は4日、今後、数カ月以内に利上げが必要になると予告した。新型コロナウイルス禍に対応した金融政策の正常化を探る他の主要中銀が国債の買い入れといった「量」の縮小から着手しているのと異なり、まず政策金利を引き上げる点で独特だ。背景には金利を動かした方が経済への即効性が高く、軌道修正も含めた柔軟性にも富むという考え方がある。 イングランド銀も金利と量の両面で金融緩和を図って 英中銀、「まず金利から」正常化 即効性重視で画す一線
消えるタカ派、「個人的理由」で独連銀ワイトマン氏退場 金融政策 ヨーロッパ 10月22日 ドイツ連邦銀行(中央銀行)のワイトマン総裁が20日、突然退任の意向を明らかにした。欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーで金融緩和に慎重なタカ派の代表格だが、異例の緩和を進めるECBの中で孤立を深めていたとの見方がある。ECBの金融政策が緩和路線に一段と傾く可能性もある。 「10年余りというのはよい区切りだ」。2011年5月に就任し、21年末に退任すると決めたワイトマン氏はこんなメッセージを連銀 消えるタカ派、「個人的理由」で独連銀ワイトマン氏退場
中国不動産規制、バブル退治と経済配慮のジレンマ 金融政策 中国・台湾 10月15日 不動産開発大手、中国恒大集団の経営難をうけ、中国の住宅バブルへの懸念が強まっている。当局の規制強化で高騰してきた住宅市況は変調の兆しも見せるが、中国人民銀行(中央銀行)は不動産融資の総量規制などを続ける姿勢を示す。総量規制は30年前の日本でバブル崩壊を招いたもろ刃の剣だ。人民銀はいつまで金融リスク抑制の旗印を掲げられるか。 「不動産を短期の景気刺激策としない」――。人民銀は9月29日、中国銀行保 中国不動産規制、バブル退治と経済配慮のジレンマ
FRB、遠のく信認 高官の金融取引でパウエル氏窮地に Think! 金融政策 10月8日 「米連邦準備理事会(FRB)高官の間で腐敗の文化があることに懸念を表明する」。5日、米議会上院で民主党急進左派のエリザベス・ウォーレン上院議員が声を張り上げた。批判の矛先は不適切な金融取引が疑われる地区連銀の総裁やFRB副議長、そして組織を率いるパウエル議長に向かった。 FRBが前代未聞の疑惑に揺れている。2020年にアップルやアマゾン・ドット・コムなど複数の株式を保有・売買していたダラス連銀の FRB、遠のく信認 高官の金融取引でパウエル氏窮地に