赤ちょうちん 「魔よけ」から居酒屋の顔に? コラム 5月15日 少しずつにぎわいを取り戻しつつある夜の繁華街。軒先にぶら下がった赤提灯(ちょうちん)をみると、思わず顔がほころぶという飲んべえもいるだろう。今では大衆居酒屋の代名詞とも言える赤提灯だが、その歴史は古く、江戸時代にまで遡る。さらに「なぜ赤色なのか」を探ると、祭や寺社との関係も見えてきた。 まず向かった先は東京・新宿御苑近くの料理店「赤ちょうちん」だ。その店名の通り、軒先には赤提灯がともる。新鮮な牛 赤ちょうちん 「魔よけ」から居酒屋の顔に?
ランドセル、昭和20年代に花開く 富裕層が「ラン活」 兵庫 小売り・外食 生活 5月8日 ゴールデンウイークが明けると、朝夕の通学路にまた子どもたちのランドセルが揺れる。最近はカラーもデザインもいろいろだ。一昔前まで女子は赤、男子は黒が定番だっただけに「ダイバーシティー(多様性)」という言葉が浮かぶ。調べてみると、戦後すぐにもランドセルが自由で華やかだった時代があった。 「途上必ス背囊ヲ負フヘシ」――。日本の上流階級の学校だった学習院で1885年(明治18年)、ランドセル通学がルール ランドセル、昭和20年代に花開く 富裕層が「ラン活」
フィットネス、東京五輪が契機 多くが水泳教室から 生活 5月1日 民間のフィットネスクラブは全国で約8000の施設がある。プールも備えた総合型だけでなく24時間営業のトレーニングマシン特化型、ヨガなど様々な種類があり、子供から高齢者まで利用している。フィットネスのルーツをたどると、1964年の東京五輪が大きな契機となっていた。 ■地域の社交の場 「五輪を機に水泳の個人指導が始まり、そこから現在のフィットネスクラブへと広がっていった」と話すのは業界紙「フィットネ フィットネス、東京五輪が契機 多くが水泳教室から
黒板、米国人教師が持ち込む 目疲れにくい?緑色広がる 生活 4月17日 新学期が始まった。学校の授業はチョークに黒板が定番だ。今は黒板と言いながら「緑色」が多く使われている。デジタル技術を使う白板(ホワイトボード)も広がりつつある。黒から緑そして白に。黒板の歴史をたどってみた。 日本で最初に黒板が使われたのは1872年(明治5年)だ。「米国人教師のスコットが、この年に開校した師範学校(教員養成機関)で教えるツールとして黒板を持ち込んだ」と全国黒板工業連盟の北村勝也専 黒板、米国人教師が持ち込む 目疲れにくい?緑色広がる
引っ越しそば、記憶のかなた 江戸庶民のご近所文化 サービス・食品 小売り・外食 4月10日 引っ越し先の近所にお近づきのしるしに配る「引っ越しそば」。大みそかの年越しそばに比べて随分と影が薄く、この季節になっても身近で見聞きすることがない。江戸時代のルーツにさかのぼって調べてみると、いまは失われた庶民の近所付き合いの機微が見えてきた。 「引っ越しそばという文化はもちろん知ってはいますが……」。1789年(寛政元年)創業の老舗、更科堀井(東京・港)の堀井良教社長に聞いてみたが、令和の引っ 引っ越しそば、記憶のかなた 江戸庶民のご近所文化
住宅ローンはいつ誕生 大正や明治、江戸に「原型」 Think! 生活 4月3日 持ち家を購入する際に利用する人が多い住宅ローン。国内ではいつごろ始まったのだろうか。調べてみると、大正、明治、江戸と各時代に有力な「原型」がみつかった。その歴史はマイホームを夢見る人々の夢に彩られている。 ■東京建物、明治に割賦販売 まず「住宅ローンの原型を始めた」と社史に記している企業を見つけた。不動産大手の東京建物だ。明治時代の1896年の同社創業時、「割賦販売方式の不動産売買」を始めたとい 住宅ローンはいつ誕生 大正や明治、江戸に「原型」
「花見といえば桜」はいつから 吉宗は庶民に開放 生活 3月27日 満開の桜の木の下で、ビニールシートを敷いて食事や酒を楽しみながら盛り上がる――。4月を目前に控え、今年も桜前線が北上中だ。新型コロナウイルス禍では難しくなったが、日本人が愛してやまない花見の文化はいつごろから根付いたのだろうか。 「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」。この世に桜がなければ、桜を心待ちにしたり散るのを惜しんだりすることなく、春はもっとのどかに過ごせるのに――。平安 「花見といえば桜」はいつから 吉宗は庶民に開放
ジンギスカン「北海道生まれ」ならず? 原点は中国に コラム 3月13日 羊肉を鉄鍋で焼く「ジンギスカン」といえば、北海道が本場というイメージが強いかもしれない。だが、ジンギスカンを名物とする街は山形、岩手など全国にある。料理誕生の経緯をたどると原点は中国にあり、戦前の富国強兵政策との関わりや、普及に至る皮肉な過程も見えてきた。 政府が牧羊奨励 戦争で軍服用の羊毛需要 岩手県遠野市には、燃料を入れたバケツの上で羊肉を焼く独自の文化がある。同市で1955年から営業する老 ジンギスカン「北海道生まれ」ならず? 原点は中国に
ラムネ瓶150周年、ビー玉の旅 明治期コレラで特需 富山 静岡 サービス・食品 3月6日 ペットボトルのキャップをひねるとプシュ~。仕事がはかどらず気分転換したいとき、炭酸飲料は眠気を覚まし、やる気を引き出してくれる。ところで、こうしたスパークリングの飲み物を高圧で閉じ込めておく技術はいつ、どこで生まれたのか。調べてみると、2022年は日本人には懐かしいラムネ瓶にとって記念すべき年だった。 ラムネ瓶といえばビー玉の栓。いまはコロナ下で見かける機会がないが、お祭りでのポンッ、シュワ~は ラムネ瓶150周年、ビー玉の旅 明治期コレラで特需
蛍の光、原曲は杯交わし再会祝う歌 生活 2月27日 卒業式といえば「蛍の光」。もともとは外国の歌で、日本語の歌詞も青春の日々を思い起こすようなイメージはない。なぜ卒業ソングとして日本人の心をつかみ、根付いたのか。別れと涙を誘うようになった源を探ってみた。 蛍の光の原曲は「オールド・ラング・サイン」というスコットランドの民謡だ。作曲者不詳だが、かの地で国民的詩人だったロバート・バーンズ(1759~96年)が1790年ごろに作詞したとされる。歌詞の大 蛍の光、原曲は杯交わし再会祝う歌