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各界エキスパートや日経の編集委員・論説委員が、注目ニュースにひとこと解説を投稿します。

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  • 「骨子案」をみると、当初構想を色々と批判されて角が取れ、落ち着くべきところに落ち着いた印象です。宏池会的色彩やリベラルな雰囲気は多少残存するものの、当初の刷新感はなくなってしまいましたね。しかしこれでは、日本経済が抱える構造問題の解決にはつながらないでしょう。①産業の国際競争力と生産性の低下、②給与水準の停滞、③脱炭素化とデジタル化が迫る産業構造の転換、そして、④格差問題(男性/女性、正規/非正規の待遇格差)にどう答えを出すのか、それこそが真の焦点です。現状ではこれらを解決する具体的な政策手段を欠いており、日本資本主義の刷新を経て新たな成長軌道に載せるにはパンチ力に欠けるように見えます。

  • 国土の7割が森林におおわれているにもかかわらず、「木材は海外から購入する方が合理的」との考えが定着している。流通も主として港湾から陸揚げし、製材するルートで最適化されてきた。今後は、製材とバイオマスによる発電など木材・エネルギーの地産地消が進み、地域活性化や関係人材創出につながることを期待する。そのきっかけになり得る「山、買ってみた」は大歓迎だ。

  • イノベーションとは、新たな技術を開発することではなく、新たな価値を生み出すこと。『ムー』と『地球の歩き方』を組み合わせるといったことは、これまでにない価値を生み出すイノベーション。さらに興味深いのは、『ムー』に掲載されている情報が想像上のものではなく、何らかのエビデンス(それが後に製造されたものだとしても)に基づいているため、実際に対象となるモノや場所が存在すると言う点。物理的に存在する限り、その場所に行くという欲求が生まれる。そこに目をつけた点が優秀。

  • Statista社が実施したグローバルAI調査によると、AI採用がコスト削減で最も恩恵を受けるのはサービス業務と製造部門であることが明らかになりました。回答者の51%が、組織内のサービス業務機能が20%以上のコスト削減を目の当たりにしたと回答しています。
    AI導入というとコスト削減に目がいきがちかもしれませんが、サービスのパーソナライズ化など、顧客体験の向上にも使われています。業スーの「宝探し」もそうですが、お客様がその店に行きたいと思うのは優れた顧客体験がカギになることが多いです。
    小売業のAI導入はますます進みそうですが、コストを削減しつつ、いかに顧客満足を高めるか、注目していきたいです。

  • クアッドにおけるインドと日米豪の共通点は、安全保障上の中国との競争関係と民主主義に限られると思います。しかも、インドと日米豪の民主主義の共通点は政治体制に限られ、民主主義に込める価値観までは共有していないでしょう。バイデン大統領の唱える「民主主義と専制主義の対立」に日豪は同調しますが、インドは距離を置いていると思います。
    またインドは実利主義と自国最優先。曖昧な価値観などでの協調に応じる国でないことは、日本もWTOやRCEPなどインドが参加する通商交渉の場で見せられてきたはず。クアッドでも日米豪はインドへの幻想を捨て実利で引き付ける工夫が必要、経済連携への拡大など過度な期待は避けるべきです。

  • 女性役員を育成する研修を取材したことがあります。各企業から将来の役員候補が1人ずつ集まり、合宿形式で様々なことを学びます。会社では同じような立場の女性がほとんどおらず、当初は自分が役員になるイメージが全く持てなかったり、自信がなく迷ったりしていましたが、同じような立場の人たちと一緒に学ぶことで数カ月後には驚くほど前向きになっていました。能力があれば放っておいても頭角をあらわすというのはマジョリティ側の考えです。マイノリティの人たちの能力を引き出すには、安心して発揮できるような場づくりが大切だと感じています。

5月17日

5月16日