3メガ銀の外債含み損、22年9月比4割減 金利上昇に備え Think! 金融機関 5月24日 3メガバンクが日銀の金融政策の修正などによる国内外の金利上昇への備えを強めている。各行は含み損を抱えた外国債券の売却を進めたことで、3メガが保有する外債の含み損は2023年3月末時点で2兆3900億円となった。米国の利上げの影響で異例の規模となった22年9月末の4兆円弱から4割減った。 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の亀澤宏規社長は15日の決算会見で「金融不安の霧が完全に晴れたとは思 3メガ銀の外債含み損、22年9月比4割減 金利上昇に備え 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 メガバンクや財務体力のある地銀などは、先行して債券評価損を実現させながら、金利先高を展望してポジションを軽くする余裕があります。こうした有価証券運営にかかわりなく財務パフォーマンスの実態を把握するためには、(実現損益と評価損益を反映した)包括利益を見ていくべきだと思います。しかし、満期保有目的有価証券(満保)に関してはその公正価値が包括利益に反映されないので、別枠でケアする必要があります。記事中で取り上げている三菱UFJの満保に関しては、1年で17兆円増えたので少々驚きましたが、それでも総資産の5%程度。SVBの43%と比較すると雲泥の差です。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 メガバンクや財務体力のある地銀などは、先行して債券評価損を実現させながら、金利先高を展望してポジションを軽くする余裕があります。こうした有価証券運営にかかわりなく財務パフォーマンスの実態を把握するためには、(実現損益と評価損益を反映した)包括利益を見ていくべきだと思います。しかし、満期保有目的有価証券(満保)に関してはその公正価値が包括利益に反映されないので、別枠でケアする必要があります。記事中で取り上げている三菱UFJの満保に関しては、1年で17兆円増えたので少々驚きましたが、それでも総資産の5%程度。SVBの43%と比較すると雲泥の差です。
ガバナンス、機能してますか 新生銀とりそな分けたモノ Think! 金融機関 5月24日 「経営の自由度が高まる」。5月12日、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は力を込めた。表明したのはTOB(株式公開買い付け)でSBI新生銀行の上場を廃止する奇策。大手行で唯一残る3500億円の公的資金の返済がようやく見えてきた。 政府がりそな銀行に公的資金を入れたのは20年前の2003年。その翌年に株式上場したのが新生銀行(現SBI新生銀行)だった。前身の日本長期信用銀行が経営破綻した1 ガバナンス、機能してますか 新生銀とりそな分けたモノ 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 りそなと新生が現状に至る差異について、ガバナンスに視座を置いた興味深い記事です。銀行は公益・私益双方からガバナンスを受ける特殊な業種です。前者は預金者の代理たる金融庁、後者は株主です。りそな実質国有化時には(通常緊張関係にある)2つのステークホルダーが国となり一致したのに対し、新生は国とJCFの緊張関係という捻じれ中での経営判断に迫られました。もう一つの違いは公的資金の条件です。りそなは注入額(いわゆる、簿価)を上回れば返済可能だったのに対し、新生は国会答弁(2000年参院特別委・谷垣大臣等)により5000億円回収という高いハードルを課されました。2つのくびきの差が今日に繋がったと思います。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 りそなと新生が現状に至る差異について、ガバナンスに視座を置いた興味深い記事です。銀行は公益・私益双方からガバナンスを受ける特殊な業種です。前者は預金者の代理たる金融庁、後者は株主です。りそな実質国有化時には(通常緊張関係にある)2つのステークホルダーが国となり一致したのに対し、新生は国とJCFの緊張関係という捻じれ中での経営判断に迫られました。もう一つの違いは公的資金の条件です。りそなは注入額(いわゆる、簿価)を上回れば返済可能だったのに対し、新生は国会答弁(2000年参院特別委・谷垣大臣等)により5000億円回収という高いハードルを課されました。2つのくびきの差が今日に繋がったと思います。
預金保護先進国ニッポン、実態は金利0.001%が防波堤? 金融PLUS Think! 金融機関 5月22日 米地銀の相次ぐ破綻で預金保険制度に焦点があたっている。米金融当局は取り付けの連鎖を防ぐため例外的に預金を全額保護し、現在25万ドル(約3500万円)の保護上限の引き上げや事業会社の決済口座に絞った保護の拡充を検討している。平成金融危機で多くの銀行破綻を経験した日本は預金保護のしくみで一日の長があるが、実態は超低金利が防波堤になっている面が大きい。 米連邦預金保険公社(FDIC)は11日、3月に破 預金保護先進国ニッポン、実態は金利0.001%が防波堤? 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 決済用預金の全額保護について、リテラシー向上の視点からも好記事です。個人・法人を問わず流動性準備の安全性を高めることは、資金決済など経済活動の屋台骨を支える部分として極めて重要です。その意味で(複数銀行への分散化に限界がある)多額の事業性資金を保護する日本の保険制度は優れています。他方、預金金利の議論については、その高低を問わず「機会コスト」の認識の問題であり、事業円滑化を優先する発想が前提なら付利預金に資金を滞留させる必要性は薄くなります。極端な例ですが、バブル創成期に企業が財テクと称して余剰資金を有価証券投資に向けたのは、株式リターン等を機会コストと誤った認識をしたためだと考えられます。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 決済用預金の全額保護について、リテラシー向上の視点からも好記事です。個人・法人を問わず流動性準備の安全性を高めることは、資金決済など経済活動の屋台骨を支える部分として極めて重要です。その意味で(複数銀行への分散化に限界がある)多額の事業性資金を保護する日本の保険制度は優れています。他方、預金金利の議論については、その高低を問わず「機会コスト」の認識の問題であり、事業円滑化を優先する発想が前提なら付利預金に資金を滞留させる必要性は薄くなります。極端な例ですが、バブル創成期に企業が財テクと称して余剰資金を有価証券投資に向けたのは、株式リターン等を機会コストと誤った認識をしたためだと考えられます。
気がつけば公的資金大国 銀行の安定優先、規律緩む恐れ Think! 金融機関 5月17日 【この記事のポイント】・米地銀破綻、きらやか銀行への公的資金注入を促す・金融庁にとって2003年のりそな救済は「成功体験」・強力な公的資金の安全網に「経営の甘え」の落とし穴 「コロナ禍の影響を受けた地元企業を支援する責任をまっとうする趣旨と受け止めている」。4月28日、山形県の吉村美栄子知事は公的資金申請を決めた地元3番手のきらやか銀行に対してコメントを発表した。経営の責任論もくすぶるなか、国への 気がつけば公的資金大国 銀行の安定優先、規律緩む恐れ 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 危機時の対応について、世論迎合的政策は国民経済的にネガティブな結果をもたらしたのが過去の経験です。公的資金で救済した例はりそなを始めとして数々ありますが、平成金融危機における公的資金の「損得」を集計すると1兆円以上の利益(注入額を上回る返済)となった一方、破たんに至った長銀・日債銀のわずか2行で18兆円もの実質的損失を来しています。ヒステリックに銀行救済を批判する声に耳を傾けすぎると、必ずしも国益に沿わない結果をもたらす一例です。他方、現在のように平時における公的資金のあり方は、記事の通り問題があります。特にコロナを名目に緩和された根拠法の中身では、銀行の経営規律に緩みを来す点を付記します。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 危機時の対応について、世論迎合的政策は国民経済的にネガティブな結果をもたらしたのが過去の経験です。公的資金で救済した例はりそなを始めとして数々ありますが、平成金融危機における公的資金の「損得」を集計すると1兆円以上の利益(注入額を上回る返済)となった一方、破たんに至った長銀・日債銀のわずか2行で18兆円もの実質的損失を来しています。ヒステリックに銀行救済を批判する声に耳を傾けすぎると、必ずしも国益に沿わない結果をもたらす一例です。他方、現在のように平時における公的資金のあり方は、記事の通り問題があります。特にコロナを名目に緩和された根拠法の中身では、銀行の経営規律に緩みを来す点を付記します。
地銀の債券含み損、前期は5倍の1.8兆円 金利上昇で打撃 Think! 金融機関 5月16日更新 世界的な金利上昇を背景に地銀が保有する債券の価値が下がっている。全国の地銀97行の日本国債や外国債券、投資信託の含み損は2023年3月末時点で合計1兆8000億円と、1年前に比べ5倍に増えた。上場株の値上がりによる押し上げで有価証券全体では含み益を維持しているものの、債券の価値下落が続けば経営体力を奪い、融資などに支障がでる可能性もある。 有価証券の時価が取得価格(簿価)を下回れば含み損、上回れ 地銀の債券含み損、前期は5倍の1.8兆円 金利上昇で打撃 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 金利上昇による債券評価損拡大は昨年からの傾向ですので、サプライズではないのですが、地域金融機関の有価証券投資の在り方については、規制上の取り扱いも含めて再考の余地を感じます。地域銀行の多くは海外に支店を持たない「国内基準行」で、有価証券評価差額を自己資本比率(コア資本比率)に反映する必要がありません。このため、リスク管理能力や財務体力を超えた有価証券投資を行う経営行動に出る危険性を規制上、排除できません。当局はモニタリングを行っているものの、十分な規律付けができるか疑問が残るところです。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 金利上昇による債券評価損拡大は昨年からの傾向ですので、サプライズではないのですが、地域金融機関の有価証券投資の在り方については、規制上の取り扱いも含めて再考の余地を感じます。地域銀行の多くは海外に支店を持たない「国内基準行」で、有価証券評価差額を自己資本比率(コア資本比率)に反映する必要がありません。このため、リスク管理能力や財務体力を超えた有価証券投資を行う経営行動に出る危険性を規制上、排除できません。当局はモニタリングを行っているものの、十分な規律付けができるか疑問が残るところです。
3メガバンク、最終益2.5兆円 9年ぶり水準も波乱の芽 Think! 金融機関 5月12日 3メガバンクの2023年3月期連結決算で、純利益の合計が2兆5000億円程度となったもようだ。14年3月期以来9年ぶりの高水準。政府による支援策で企業倒産が抑えられ、貸し倒れに備える費用が想定を下回った。米国を中心とした利ざやの改善も収益を底上げした。ただ、景気の先行きは不透明感が強まっており、業績拡大を支える米市場は波乱含みだ。 各社は15日午後に23年3月期決算を公表する。 いずれも期初に予 3メガバンク、最終益2.5兆円 9年ぶり水準も波乱の芽 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 第3四半期までで、1.9兆円の純利益規模(三菱UFJのユニオンバンク特殊要因を除けば2.2~3兆円規模)であったため、2.5兆円は想定ラインと言えましょう。内容的には、国内貸出利ザヤが相変わらず低迷する中で、海外の利ザヤが改善、海外での手数料収益も好調で、本業収益が順調に積みあがっていると思います。他方で注意すべきなのは、海外での不動産関連クレジットの状況。直接的なエクスポージャー(CMBSやノンリコースローン等)が多くなくても、周辺取引を経由した損失発生リスクには要注意です。国内におけるポストコロナリスクについては、メガバンクというよりは、地域金融機関の影響が相対的に大きいと思います。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 第3四半期までで、1.9兆円の純利益規模(三菱UFJのユニオンバンク特殊要因を除けば2.2~3兆円規模)であったため、2.5兆円は想定ラインと言えましょう。内容的には、国内貸出利ザヤが相変わらず低迷する中で、海外の利ザヤが改善、海外での手数料収益も好調で、本業収益が順調に積みあがっていると思います。他方で注意すべきなのは、海外での不動産関連クレジットの状況。直接的なエクスポージャー(CMBSやノンリコースローン等)が多くなくても、周辺取引を経由した損失発生リスクには要注意です。国内におけるポストコロナリスクについては、メガバンクというよりは、地域金融機関の影響が相対的に大きいと思います。
マイナカード、コンビニ証明書発行停止 デジタル相要請 Think! 政治 経済 ネット・IT 5月9日 河野太郎デジタル相は9日、マイナンバーカードを使った証明書交付で誤発行が相次いだことへの対応を説明した。オンラインの記者会見で富士通子会社の富士通Japan(ジャパン)のシステムに原因があると言及した。「運用を停止して徹底的に総点検をおこなうよう8日に要請した」と述べた。 問題はマイナカードによる認証でコンビニエンスストアの複合機で住民票や戸籍謄本の写しなどを発行するサービスで起きた。横浜市と東 マイナカード、コンビニ証明書発行停止 デジタル相要請 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 停止の決断は評価すべきです。3月にもこの「Fujitsu MICJET コンビニ交付」のトラブルがあり、判断が遅いとの批判もあろうかと思いますが、3月末時点ではシステム一部改修による対応が取られており、GW中の再発により迅速な判断に至ったものです。個人情報に係ることですので、この事案は重大です。ただ、普段から感じているのが、銀行や行政のシステム障害に対して、世の空気が過度な批判に傾きがちであるということ。システムの不具合は確率に発生しうるものです。無謬性を追求しすぎると、新しいIT革新の目を摘み、挑戦による飛躍的DXへの道を閉ざしかねない点を認識すべきではないかと思います。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 停止の決断は評価すべきです。3月にもこの「Fujitsu MICJET コンビニ交付」のトラブルがあり、判断が遅いとの批判もあろうかと思いますが、3月末時点ではシステム一部改修による対応が取られており、GW中の再発により迅速な判断に至ったものです。個人情報に係ることですので、この事案は重大です。ただ、普段から感じているのが、銀行や行政のシステム障害に対して、世の空気が過度な批判に傾きがちであるということ。システムの不具合は確率に発生しうるものです。無謬性を追求しすぎると、新しいIT革新の目を摘み、挑戦による飛躍的DXへの道を閉ざしかねない点を認識すべきではないかと思います。
「経営者保証求めません」 地銀、相次ぐ融資慣行見直し Think! 金融機関 関西 5月8日 地方銀行で融資先の企業に経営者保証を求めない動きが広がっている。八十二銀行や山陰合同銀行、福岡銀行など少なくとも10行以上が原則、経営者保証を求めないことにした。万が一の場合、経営者個人が私財を差し出して借金を返済する経営者保証は、心理的負担の重さから起業や経営への弊害がある。こうした融資慣行の見直しは、スタートアップの育成などにつながる可能性がある。 4月以降に、北洋、八十二、紀陽、山陰合同、 「経営者保証求めません」 地銀、相次ぐ融資慣行見直し 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 経営者保証は、日本でスタートアップが育たない一つの大きな要因です。「会社が潰れて一家が路頭に迷う」というのが日本でよく語られる事業失敗のストーリーですが、かの国では、4回も会社を潰した人物が大統領に昇り詰めるくらいに、失敗が許容されるのが当たり前です。事業が倒産に瀕している状況で、その社長がフロリダでゴルフに興じるというモラルハザードを抑制するための効果は、確かに経営者保証にはあるでしょう。しかしそれ以上に、「事業の失敗=人生の失敗」という縛られ方は、日本の成長機会を奪う大きな弊害をもたらしていると思います。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 経営者保証は、日本でスタートアップが育たない一つの大きな要因です。「会社が潰れて一家が路頭に迷う」というのが日本でよく語られる事業失敗のストーリーですが、かの国では、4回も会社を潰した人物が大統領に昇り詰めるくらいに、失敗が許容されるのが当たり前です。事業が倒産に瀕している状況で、その社長がフロリダでゴルフに興じるというモラルハザードを抑制するための効果は、確かに経営者保証にはあるでしょう。しかしそれ以上に、「事業の失敗=人生の失敗」という縛られ方は、日本の成長機会を奪う大きな弊害をもたらしていると思います。
米FRC破綻、預金流出が当局想定上回る 預金保険に不安 米地銀FRC破綻 Think! 金融機関 北米 5月2日更新 ■大手行の300億ドル支援不発、預金流出止まらず ■「預金全額保護」も特例措置の持続性を不安視 ■2カ月で3行破綻、金融当局の監督不備問われる 米FRC破綻、預金流出が当局想定上回る 預金保険に不安 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 記事中で指摘されていた「(モラルハザードを防ぐため)イエレン財務長官が預金全額保護対象はSVB以下の規模」とした点が、急激な預金流出の主因だと思います。日本のケースでは、1995年から10年もの歳月をかけて預金全額保護の政策を段階的に解除(いわゆる「ペイオフ凍結解除」)していきました。アメリカにおいては、市場原理を歪める政府介入を必要最小限に留めて(預金者、銀行双方の)モラルハザードを排除する発想が根底にあるため、SVB破綻で英断と思われた預金全額保護の効果を希薄化してしまいました。預金者の心理を見誤った感があります。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 記事中で指摘されていた「(モラルハザードを防ぐため)イエレン財務長官が預金全額保護対象はSVB以下の規模」とした点が、急激な預金流出の主因だと思います。日本のケースでは、1995年から10年もの歳月をかけて預金全額保護の政策を段階的に解除(いわゆる「ペイオフ凍結解除」)していきました。アメリカにおいては、市場原理を歪める政府介入を必要最小限に留めて(預金者、銀行双方の)モラルハザードを排除する発想が根底にあるため、SVB破綻で英断と思われた預金全額保護の効果を希薄化してしまいました。預金者の心理を見誤った感があります。
デジタル給与が問う 働き方の多様性と「時はカネなり」 山本 由里 Think! Nikkei Views 編集委員 4月28日 給与を巡る光景は世に連れ変わる。神棚に上がる存在だった「給与袋」は半世紀前に銀行口座振込が始まり姿を消した。法改正で4月から可能になったデジタル給与が変える光景は何か。目先の動きは鈍いが潜在力は大きい。果たして働き方や個人マネーに地殻変動を促すカタリスト(触媒)となるか? 普及度は社会・企業・個人3者の変革意欲を映すリトマス試験紙かもしれない。 給与は「月1回の対話」 かの「経営の神様」松下幸之 デジタル給与が問う 働き方の多様性と「時はカネなり」 野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 松下幸之助さんの時代から変わらず大切なのは、経営者と働き手の心の結びつきだと思います。お給料はキャッシュだという時代においては、デジタル化は経営者と働き手の報酬を通じたコミュニケーションを困難なものとするでしょう。しかし、エクイティ報酬(株式やストックオプション)が当たり前のものとなれば、経営者と働き手の視線の方向性は企業価値に向かうはずです。業績ばかりではなく社会的な存在感を高めることで企業価値を向上させるという共通目標を通じて、経営者と働き手のコミュニケーションが復活するものと信じています。
野崎浩成 東洋大学 国際学部教授 松下幸之助さんの時代から変わらず大切なのは、経営者と働き手の心の結びつきだと思います。お給料はキャッシュだという時代においては、デジタル化は経営者と働き手の報酬を通じたコミュニケーションを困難なものとするでしょう。しかし、エクイティ報酬(株式やストックオプション)が当たり前のものとなれば、経営者と働き手の視線の方向性は企業価値に向かうはずです。業績ばかりではなく社会的な存在感を高めることで企業価値を向上させるという共通目標を通じて、経営者と働き手のコミュニケーションが復活するものと信じています。
野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
東洋大学 国際学部教授
86年慶大経卒、91年米エール大院修了。あさひ銀行、シティグループ証券などを経て、18年から東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科教授。シティグループ証券時代に日経アナリストランキング(銀行部門)2005年~2015年1位。
【注目するニュース分野】金融、銀行、証券
86年慶大経卒、91年米エール大院修了。あさひ銀行、シティグループ証券などを経て、18年から東洋大学国際学部グローバル・イノベーション学科教授。シティグループ証券時代に日経アナリストランキング(銀行部門)2005年~2015年1位。 【注目するニュース分野】金融、銀行、証券