【福井健策】投稿一覧

福井健策
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骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士

骨董通り法律事務所 代表パートナー/弁護士

東京大学法学部卒業後、1993年に弁護士登録。コロンビア大学法学修士課程修了。2003年、骨董通り法律事務所For the Artsを設立。日本大学芸術学部・神戸大学大学院客員教授。著作に『著作権とは何か』『誰が「知」を独占するのか』など多数。国会図書館審議会・文化審議会などの委員を務める。
【注目するニュース分野】エンタテインメント・メディア、AI・ロボット法、著作権法

東京大学法学部卒業後、1993年に弁護士登録。コロンビア大学法学修士課程修了。2003年、骨董通り法律事務所For the Artsを設立。日本大学芸術学部・神戸大学大学院客員教授。著作に『著作権とは何か』『誰が「知」を独占するのか』など多数。国会図書館審議会・文化審議会などの委員を務める。
【注目するニュース分野】エンタテインメント・メディア、AI・ロボット法、著作権法

2023年

  • 絶好のタイミングでの、多角的な視野の記事ですね。
    スポーツは、今回のように楽しい豊かな時間をもたらしてくれると同時に、時には激昂した観客による死傷事件や相手国への罵倒など、愚かで厄介な悲劇も招きます。それをハラリ流の「虚構」のキーワードで読み解き、メダル数競争を「虚構に虚構を重ねた代物」と断ずる視点は、刺激的です。
    もちろん、そうは言っても数多くの虚構は私たち自身の一部です。思わず「身内の側」の勝敗に一喜一憂するのが人間というものですが、同時にそういう自らを俯瞰する視点やグローバルな視野を持ち続けることは、こんな時代こそ大切ですね。日経の、面目躍如と言える記事だと思いました。

  • 「自信満々に間違えることがある」。この「間違える」は、どうにでもなります。というか人間はおそらくもっと間違えます。が、「自信満々に」の部分は、このままでは専門家システムとしては使い物になりません。専門家にとって、自身の弱点や不完全さを知ることは必須の能力だからです。
    とはいえ、サポートツールとして彼らは既に十二分に有用でしょう。となると、こうしたAIにっては能力以上に、何が得意で、我々がどう使うかという「取説」が重要になるだろうと思います。
    もう一つ。なぜその結論かという出典や根拠が示されることが(間違った時の法的責任に直結するため)必須なのですが、これは機械学習の仕組み上難しいでしょうね。。

  • 国会法は、議員に登院を義務づけています。なぜなら、国会は唯一の立法機関であり、衆議を通じて法律を作ることが議員の最大の職務だからです。
    ですから国会議員に課せられるべき最低限の義務があるとすれば、それは「悪法でも守ること」、そしてルールが間違っていると思うなら議会の多数派形成を通じて変える努力をすること、でしょう。法を守らないと宣言する人間の作った法を、人々は守らないからです。
    これは、30万人の同意を得て当選していても同じです。「30万人の同意があれば法を破って良い」というルールは、世界のどこにも無いからです。それが理解できない人物と党の活動の場は、少なくとも国会ではないでしょう。

  • 下馬評はたしかに「エブエブ」で、アクション・下品系ギャグの連続などアメリカ人好みの要素も十分。が、いくぶんテーマ性において小ぶり感は否めません。
    「イニシェリン島」もマーティン・マクドナー待望論はありますが、今回はさすがに話が重いか。となると映画の教科書のようなスピルバーグ「フェイブルマンズ」か。完成度が際めて高かった「エルヴィス」か。アクション娯楽作は獲れない歴史を大転換させて「トップガン」か?
    ・・・まあ受賞なんて水物ですよね。個人的には、全編余すところなく戦争の虚無と嘘を描き切った「西部戦線」を皆さんに推したいです。そして「RRR」ダンスのふたりが会場を総立ちにさせる瞬間を、待ちます。

  • 現代社会の恩恵であり最大の病理として、情報の過剰性があります。メール・SNSなどの通信手段の発達で、1日ではさばききれないほどの情報が、すでに我々の間を行き交っています。
    そこでの最大のボトルネックは「人間」です。我われ自身の処理能力やある種のいい加減さが、情報のこれ以上の増大の歯止めになっています。
    今回のような自動通信が進化すればこのタガが外れ、コミュニケーションはますます高速化し、情報の流通は激増しそうです。対応する側も否応なく同じ技術を使わざるを得なくなる。証券トレードのAI化と同様ですね。
    さてそこに、「人間」はどれだけ必要でしょうか。人間は、幸福でしょうか。そんなことを考えました

  • 新しい技術に共通して言えるのは、「それが便利だったり、(少なくとも刹那的には)快適だったりすれば普及は止まらないので、自分なりのつきあい方を身に着けるほかない」ということでしょう。
    そして今のChatGPT固有の特徴をいえば、「会話と文章づくりには極めて長けているが、よく知らないところは虚偽でおぎなうクセがあり、その点を相手に伝えるつもりはない」ということでしょうか。「思考プロセス・出典をとばして結論」とも言えるかもしれません。これは、ある種の使いかたにおいては危険です。
    NY市はそれは児童にはまだ早いと判断し、記事中の教師はつきあい方を教えようとした。いずれも真面目な姿勢だと感じました。

  • 政府知財戦略本部での議論の一端を紹介しますと、特許の出願件数でいえば、日本も第3位でありGDPや人口当たりなら世界最高水準です。それはもちろん大変なことですが、それだけでは知財戦略の一部でしかないのですね。
    同じくらい重要なのは、もちろん技術の中身であり、そしてその技術を商品・サービスに結び付けて売り込む力、商標登録などブランド化する力、よい条件を勝ち取る契約交渉などの、総合的な知財マネジメントの力です。日本ではまだまだ「良いものは自然に売れる」という信仰が強いと感じますが、こういう総合的な知財の力を伸ばしていくべきですね。
    中国の件数は、そこまで気にしなくて良いと思います。

  • 軍事面での突出を禁じ手にして来たドイツと日本は、長きにわたって戦後民主主義の繁栄の東西の代表モデルでした。なぜか。もちろん我々の父母の努力ゆえですが、ひとつには、勝者などどこにもいない軍拡の覇権争いに、かまけることがなかったからです。
    現在の状況を見れば、防衛体制の現実的な総点検は日本にとっても避けられないでしょう。でもそれは必要に駆られてするものであって、自己目的化すべきものでは決してないということは、肝に銘じたいと思います。
    「本当にいい刀は、さやに入っているものです」(黒澤明「椿三十郎」)

  • これは私が物を知らないからお尋ねするのですが、本当に支援・対策が足りないから少子化、なのでしょうか。
    世界を見れば先進国は大きく言えば下がり続け、色々不足な途上国は高いですね。高度成長期の日本では核家族化が進み子育て支援は不足だったと思いますが、子供はたくさん生まれていました。単に、豊かな長寿化社会では子供は減る、という構造問題が大部分ではないのでしょうか。
    こう言ったからといって、挙げられている子育て・女性支援、格差解消などには全く賛成です。ただそれは正しいから進めるべきなのであって、少子化とあまり結びつけるとかえって場当たりの政策が増えないか。と考えたのは、恐らく私の無理解なのでしょうね。

  • こうした備えのシミュレーションは、恐らく重要ですね。勉強したいと思います。
    同時に人間(集団)には、あるひとつの未来を想像し過ぎるとそちらに行動が向かって行ってしまう特質があります。記事も教える通り、戦争によい戦争もわるい戦争もなく、あるのは悲惨な戦争だけですので、そうならない未来への道筋を想像しつづける努力もなくさないようにしたいと思います。
    こうしたシミュレーションは「戦争に至らない未来」を想像するための、助けになるべきものですね。