マスク氏設立の米新興、脳にデバイス埋め込む治験承認 イーロン・マスク Think! ネット・IT 科学&新技術 5月26日 【シリコンバレー=渡辺直樹】起業家イーロン・マスク氏が設立した米新興ニューラリンクは25日、米食品医薬品局(FDA)から臨床試験(治験)を開始する承認を得たと発表した。同社は小型デバイスを脳に埋め込み、コンピューターとつないで情報をやりとりする研究を進めており、脳卒中で体が不自由になった患者がコミュニケーションを取れるようになることを目指している。 ニューラリンクが開発するのは「ブレイン・マシン マスク氏設立の米新興、脳にデバイス埋め込む治験承認 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 昨年12月にイーロン・マスク氏率いるニューラリンクの進捗発表会があり、半年以内に「脳に電極」埋め込みの治験を開始する予定を発表していました。人間の脳とコンピューターをつないで情報をやりとりするデバイス(BMI)により、例えば視力を失った人の視力回復や、麻痺に苦しむ人の運動機能の回復、障害を持つ人が手を使わずに脳の信号でコミュニケーションできるようになるなど期待されています。一方で、脳へのチップの埋め込みの実験対象としたサルが死亡したことで動物愛護団体から批判を受けていましたが、結局安全性が証明できないと活用できないため、その点をヒト試験でいかにクリアしていくのか、今後の注目です。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 昨年12月にイーロン・マスク氏率いるニューラリンクの進捗発表会があり、半年以内に「脳に電極」埋め込みの治験を開始する予定を発表していました。人間の脳とコンピューターをつないで情報をやりとりするデバイス(BMI)により、例えば視力を失った人の視力回復や、麻痺に苦しむ人の運動機能の回復、障害を持つ人が手を使わずに脳の信号でコミュニケーションできるようになるなど期待されています。一方で、脳へのチップの埋め込みの実験対象としたサルが死亡したことで動物愛護団体から批判を受けていましたが、結局安全性が証明できないと活用できないため、その点をヒト試験でいかにクリアしていくのか、今後の注目です。
ゲノム解析で「弥生人」見直し 古墳時代も渡来多く? Think! カバーストーリー 5月26日 ゲノム(全遺伝情報)解読を通じて「日本人」の成り立ちを探ろうとする5年間の「ヤポネシアゲノム」プロジェクトが今年3月に終了した。縄文人から弥生人への移行を示す従来の有力説をおおむね支持する結果が得られた一方で、弥生人のイメージは見直しが迫られている。 「日本人」の成り立ちは人類学者の埴原和郎が唱えた「二重構造モデル」が定説とされる。約3万7千年前、最初に日本列島に住んだ人々の子孫が採集狩猟中心の ゲノム解析で「弥生人」見直し 古墳時代も渡来多く? 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー ゲノムから将来の病気のリスクなど未来だけでなく、祖先ルーツなど過去のことが明らかになることは面白いです。ジーンクエストの遺伝子祖先解析でも、ミトコンドリアDNAを調べることで、およそ19万年前に誕生した現生人類の共通祖先が、どのような経路を辿って日本列島に到達したのか、という自身のルーツを探ることもできます。欧米では祖先解析を目的に遺伝子解析サービスを利用する人も多く人気を集めていますが、例えば日本人の解析を行うと、遺伝子解析からおおよそその人がどの地方出身なのかを推定することができます。記事のような研究が進むことで日本の起源についてより深く理解できるようになるのは興味深いです。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー ゲノムから将来の病気のリスクなど未来だけでなく、祖先ルーツなど過去のことが明らかになることは面白いです。ジーンクエストの遺伝子祖先解析でも、ミトコンドリアDNAを調べることで、およそ19万年前に誕生した現生人類の共通祖先が、どのような経路を辿って日本列島に到達したのか、という自身のルーツを探ることもできます。欧米では祖先解析を目的に遺伝子解析サービスを利用する人も多く人気を集めていますが、例えば日本人の解析を行うと、遺伝子解析からおおよそその人がどの地方出身なのかを推定することができます。記事のような研究が進むことで日本の起源についてより深く理解できるようになるのは興味深いです。
致死性の真菌カンジダ・アウリスが拡大 温暖化も影響か ナショナル ジオグラフィック Think! ヘルスケア 健康・医療 科学&新技術 5月15日 カンジダ・アウリス(Candida auris)は新種の真菌として2009年に帝京大学の槇村浩一教授らによって初めて報告された。東京都内のある女性患者の耳から見つかったものだ。2016年、米国としては初めての感染例がニューヨークの病院で発生。以来カンジダ・アウリスは米国の28の州と首都ワシントンD.C.で見つかっている。 米国では2022年に2300人超がカンジダ・アウリスに感染しており、米疾病 致死性の真菌カンジダ・アウリスが拡大 温暖化も影響か 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 基本的にヒトなどの動物は自然環境よりも体温を高く保ってウイルスなどの病原体から身を守ってきたものの、ウイルスやその他微生物の方がヒトよりも進化のスピードが速いので温暖化により耐熱性を獲得したことで新たな感染症の脅威になると考えられています。温暖化が今後の感染症のリスクを高める要因はそれだけでなく、温暖化が進み南極の永久凍土が溶けるとその中にも大量の未知のウイルスが放出されるとも予想されています。地球環境を守ることは必ずしも利他的な姿勢ではなく、自分達の身を守ることに直結するのだと改めて感じます。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 基本的にヒトなどの動物は自然環境よりも体温を高く保ってウイルスなどの病原体から身を守ってきたものの、ウイルスやその他微生物の方がヒトよりも進化のスピードが速いので温暖化により耐熱性を獲得したことで新たな感染症の脅威になると考えられています。温暖化が今後の感染症のリスクを高める要因はそれだけでなく、温暖化が進み南極の永久凍土が溶けるとその中にも大量の未知のウイルスが放出されるとも予想されています。地球環境を守ることは必ずしも利他的な姿勢ではなく、自分達の身を守ることに直結するのだと改めて感じます。
「うんち下さい」が始まり 元レッズ鈴木氏、起業その後 日経産業新聞 Think! スタートアップ サービス・食品 4月26日 サッカー元日本代表選手の鈴木啓太氏が立ち上げたスタートアップのAuB(オーブ、東京・中央)は腸内細菌を研究し、事業を広げている。土台となるのはラグビーなどプロアスリートから集めたうんちのデータだ。鈴木氏らが収集・分析した結果を製品に活用する。サプリメントの提供や、腸内環境を予測するデバイスの開発にも乗り出した。腸活を当たり前にし、健康な体づくりに取り組む。 「人間、腸が一番大事だからね」。調理師 「うんち下さい」が始まり 元レッズ鈴木氏、起業その後 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 腸内細菌の解析コストも今後下がっていくと、以下の分野でより活用が増えると期待できます。・健康管理:記事のように、腸内細菌の解析により個人の健康状態を把握し、栄養や生活習慣の改善を図ることができます。腸内細菌への影響を考慮した食品や栄養補助食品も今後需要が増えると思います。・医療分野:特定の疾患に対して、腸内細菌を調整することで治療を行うことも研究されています。例えば、炎症性腸疾患や自己免疫疾患に対して、腸内細菌療法が有効であると報告されています。・環境保全:腸内細菌は、環境汚染などにも影響されることも知られています。腸内細菌の研究が進むことで、環境保全にも貢献する可能性が考えられます。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 腸内細菌の解析コストも今後下がっていくと、以下の分野でより活用が増えると期待できます。・健康管理:記事のように、腸内細菌の解析により個人の健康状態を把握し、栄養や生活習慣の改善を図ることができます。腸内細菌への影響を考慮した食品や栄養補助食品も今後需要が増えると思います。・医療分野:特定の疾患に対して、腸内細菌を調整することで治療を行うことも研究されています。例えば、炎症性腸疾患や自己免疫疾患に対して、腸内細菌療法が有効であると報告されています。・環境保全:腸内細菌は、環境汚染などにも影響されることも知られています。腸内細菌の研究が進むことで、環境保全にも貢献する可能性が考えられます。
なぜ「共育て」が難しいのか 日本に課される2つの改革 働き方改革 辻本 浩子 出生率・少子化 Think! 中外時評 編集委員 4月11日 政府は3月末、少子化対策の「たたき台」をまとめた。岸田文雄首相をトップとするこども未来戦略会議でさらに内容を詰めるが、なかでも注目は「共働き・共育て」を掲げたことだ。 日本は育児負担が女性に偏る「ワンオペ」の国だ。共働き家庭であっても、女性が多くを担う。無償労働の分担格差は5.5倍で、経済協力開発機構(OECD)のなかで最大だ。これが少子化の大きな要因となってきた。 「共育て」の第一歩と位置付け なぜ「共育て」が難しいのか 日本に課される2つの改革 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 体験談ですが、夫が育休を取得した際に、育休中に業務をするように企業側から指示されたことに大変驚きました。そもそも、女性の労働参画率が上がっても、男性の育児参加率が上がらなければ育児の担い手が減るだけなので少子化になるのは当然です。なので、日本の未来のために企業が取り組むべきことは、長時間労働を従業員から搾取することではなく、男女ともに育休の取得率を上げたとしても事業が回るよう生産性を高める仕組みを作ることだと思います。国がいくら育児支援をしたとしても長時間労働を強いる国では少子化を止めることは難しいため、企業・働き方も一体となった施策が必要だと感じます。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 体験談ですが、夫が育休を取得した際に、育休中に業務をするように企業側から指示されたことに大変驚きました。そもそも、女性の労働参画率が上がっても、男性の育児参加率が上がらなければ育児の担い手が減るだけなので少子化になるのは当然です。なので、日本の未来のために企業が取り組むべきことは、長時間労働を従業員から搾取することではなく、男女ともに育休の取得率を上げたとしても事業が回るよう生産性を高める仕組みを作ることだと思います。国がいくら育児支援をしたとしても長時間労働を強いる国では少子化を止めることは難しいため、企業・働き方も一体となった施策が必要だと感じます。
ゲノム編集ベビーから5年 技術の医療応用へルールを 安藤 淳 Think! ヘルスケア コラム 科学&新技術 編集委員 3月29日 ゲノム(全遺伝情報)編集の新技術「クリスパー・キャス9」の発明で、米カリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授らがノーベル化学賞を受けてから約2年半。同技術の医療応用は大きく広がりつつある。血液の細胞など、体細胞をゲノム編集して病気を治す治療法が実用段階を迎え、受精卵など生殖細胞を対象とする研究も進む。「ゲノム編集ベビー」がひそかにつくられるという不安も拭いきれないなか、何を推進 ゲノム編集ベビーから5年 技術の医療応用へルールを 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー この国際サミットでは、専門家が集まってヒトゲノム編集について科学面、倫理面、ガバナンス面で課題を数日間議論した結果「現時点では容認できない」という結論でした。「容認できない」のところは予想通りですが「現時点では」という点がポイントだと思います。まだ安全なヒトゲノム編集の方法がない状況であるから、という理由が大きく、つまり研究・技術が進めば将来的に見解は変わり得るということだと思います。今後も技術の進歩とともに定期的に開催されて見解は変わっていく可能性のあるもので、様々な学会や場で議論されていく必要のある人類にとって重要トピックだと思いますので、今後も動向を注視していきたいです。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー この国際サミットでは、専門家が集まってヒトゲノム編集について科学面、倫理面、ガバナンス面で課題を数日間議論した結果「現時点では容認できない」という結論でした。「容認できない」のところは予想通りですが「現時点では」という点がポイントだと思います。まだ安全なヒトゲノム編集の方法がない状況であるから、という理由が大きく、つまり研究・技術が進めば将来的に見解は変わり得るということだと思います。今後も技術の進歩とともに定期的に開催されて見解は変わっていく可能性のあるもので、様々な学会や場で議論されていく必要のある人類にとって重要トピックだと思いますので、今後も動向を注視していきたいです。
「老化細胞を除去する薬」で若返り 実用化へ高まる期待 ナショナル ジオグラフィック Think! 健康・医療 3月27日 年老いても心臓や脳、体のあちこちを若返らせることができたら──。それが、長寿研究における主役のひとつ、「セノリティクス」(老化細胞除去薬)の将来に寄せられる熱い期待だ。 老化を意味する「senescence」と、対抗を意味する「lytics」を合わせた「senolytics」(セノリティクス)は、文字通り老化防止を表す言葉だ。 細胞分裂を停止した「老化細胞」は健全な細胞にも悪影響を及ぼす。まるで 「老化細胞を除去する薬」で若返り 実用化へ高まる期待 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 2011年頃の研究で、老化細胞を排除できるマウスを作成したところ加齢に伴う病態の発症が遅れることが明らかとなり、老化細胞を除去することで健康寿命を延ばすことができる可能性が示され、ここ10年程は老化細胞の研究が増えてきています。まだ解明されていないことも多く、ヒトで老化細胞の存在量をリアルタイムで計測できる系がないこともあり、ヒトの身体で老化細胞の除去がどこまで直接疾患症状に対して効果があるのかは研究途上でまだヒトを対象とした試験では結果が出ていません。が、ホットな領域であることは間違いないので今後も注目しています。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 2011年頃の研究で、老化細胞を排除できるマウスを作成したところ加齢に伴う病態の発症が遅れることが明らかとなり、老化細胞を除去することで健康寿命を延ばすことができる可能性が示され、ここ10年程は老化細胞の研究が増えてきています。まだ解明されていないことも多く、ヒトで老化細胞の存在量をリアルタイムで計測できる系がないこともあり、ヒトの身体で老化細胞の除去がどこまで直接疾患症状に対して効果があるのかは研究途上でまだヒトを対象とした試験では結果が出ていません。が、ホットな領域であることは間違いないので今後も注目しています。
「万能細胞」治験広がる 住友ファーマは米国でもiPS Think! ヘルスケア 3月23日 臨床研究が中心だったあらゆる細胞・組織に分化する「万能細胞」で、実用化への臨床試験(治験)が一段と進む。住友ファーマは日本に続き、2023年中に米国でパーキンソン病患者へのiPS細胞の治験を始める。世界大手のノボノルディスクは23年にも同病への胚性幹細胞(ES細胞)での治験に着手する。課題はなお多いが、豪州企業が患者の多い変形性関節症で最終治験を始めるなど、難病などの根本治療を目指す。 「日本発 「万能細胞」治験広がる 住友ファーマは米国でもiPS 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 万能細胞の研究と一言にいっても①万能細胞を活用した基礎研究、②病態を再現した万能細胞を使った創薬研究、③万能細胞から分化した細胞を患者に投与する再生医療、と用途があり、特に①の基礎研究や②の創薬研究では多くの研究成果が出ている状況です。本記事の「実用化」はまさにこれから成果が出てくるであろう③臨床応用の分野であり、この分野は①②以上に安全性確認に時間を要し、巨額な投資が必要です。一方で、今後承認されていくと非常に意義があり伸びる領域です。実施されている治験の数も増え、効率良く高品質の細胞を大量に培養する技術の開発も進んでいますので、有効性も認められる事例がでるよう今後の展開に期待します。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 万能細胞の研究と一言にいっても①万能細胞を活用した基礎研究、②病態を再現した万能細胞を使った創薬研究、③万能細胞から分化した細胞を患者に投与する再生医療、と用途があり、特に①の基礎研究や②の創薬研究では多くの研究成果が出ている状況です。本記事の「実用化」はまさにこれから成果が出てくるであろう③臨床応用の分野であり、この分野は①②以上に安全性確認に時間を要し、巨額な投資が必要です。一方で、今後承認されていくと非常に意義があり伸びる領域です。実施されている治験の数も増え、効率良く高品質の細胞を大量に培養する技術の開発も進んでいますので、有効性も認められる事例がでるよう今後の展開に期待します。
太る人と太らない人の違いは? 食の影響の個人差を解析へ ナショナル ジオグラフィック Think! 健康・医療 2月27日 甘い物を毎日食べているのにまったく太らない友人や、飽和脂肪酸を控えているのに心臓病を患った親族はまわりにいないだろうか。このように、食べ物への反応は人によって異なるが、万人に推奨される食事にはその個人差が考慮されていない。 だが、食事に関して米国で大規模に行われる新しい調査が、この現状に変化をもたらすかもしれない。この調査で得られた知見によって、専門家は各個人に合った栄養を提案できるようになるだ 太る人と太らない人の違いは? 食の影響の個人差を解析へ 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 遺伝子情報などで個人に最適化された医療(プレシジョン・メディスン)は提唱されて久しいですが、食・栄養についても、個人の遺伝子・生体情報に合わせたプレシジョン・ニュートリションの研究が進められています。というのも、ヒトの遺伝子多型や腸内細菌叢のゲノム解析はこれまでコストが高かったため研究領域が限られてきましたが、近年解析コストの下落もあり、よりライフスタイルに近い食・栄養、運動、睡眠などの領域も生体情報の活用が広がっている背景があります。精密栄養についてまだ応用できる知見が少ないのは、まだ大規模な研究が多くはなされていないからという状況なので、記事のような研究が進むことを期待しています。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 遺伝子情報などで個人に最適化された医療(プレシジョン・メディスン)は提唱されて久しいですが、食・栄養についても、個人の遺伝子・生体情報に合わせたプレシジョン・ニュートリションの研究が進められています。というのも、ヒトの遺伝子多型や腸内細菌叢のゲノム解析はこれまでコストが高かったため研究領域が限られてきましたが、近年解析コストの下落もあり、よりライフスタイルに近い食・栄養、運動、睡眠などの領域も生体情報の活用が広がっている背景があります。精密栄養についてまだ応用できる知見が少ないのは、まだ大規模な研究が多くはなされていないからという状況なので、記事のような研究が進むことを期待しています。
「放流で魚が減る」波紋 自然の幸、すみかの保全こそ Think! 科学&新技術 2月25日 放流したら、逆に魚はいなくなる――。驚きの分析結果をまとめた論文に波紋が広がっている。生態系のバランスが崩れ、かえって魚の数や種類を減らしてしまうという。国は放流を推進するが、科学は別の現実を突きつける。 「無駄どころか逆効果?」「びっくり」。北海道大学が研究成果を発表した直後からSNS(交流サイト)には驚きの声があがった。 北海道立総合研究機構と米ノースカロライナ大学グリーンズボロ校も参加した 「放流で魚が減る」波紋 自然の幸、すみかの保全こそ 高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 一般的に自然の生態系では環境や資源が有限なゼロサムゲームなので、放流したからといって魚が増えるわけではないとの本研究結果も納得できる気がします。また、生物の生態系という点では、絶滅危惧種では遺伝的な多様性が低く、逆も然りで遺伝的多様性が低い種は絶滅しやすい性質があります。放流する稚魚は基本的に遺伝的多様性が低いため、自然の生態系の中に入れるには遺伝的背景も考慮に入れる必要がありそうです。一方で、放流をやめたからといって何もせずに自然に漁獲量が増えるわけではないため、ではどのような介入の仕方(放流する場合は考慮すべき遺伝的背景や量など)であれば良いのかについても研究が進むことを期待します。
高橋祥子 ジーンクエスト 取締役ファウンダー 一般的に自然の生態系では環境や資源が有限なゼロサムゲームなので、放流したからといって魚が増えるわけではないとの本研究結果も納得できる気がします。また、生物の生態系という点では、絶滅危惧種では遺伝的な多様性が低く、逆も然りで遺伝的多様性が低い種は絶滅しやすい性質があります。放流する稚魚は基本的に遺伝的多様性が低いため、自然の生態系の中に入れるには遺伝的背景も考慮に入れる必要がありそうです。一方で、放流をやめたからといって何もせずに自然に漁獲量が増えるわけではないため、ではどのような介入の仕方(放流する場合は考慮すべき遺伝的背景や量など)であれば良いのかについても研究が進むことを期待します。
高橋祥子
ジーンクエスト 取締役ファウンダー
ジーンクエスト 取締役ファウンダー
大阪府出身。京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中にジーンクエストを起業。2015年3月に博士課程修了。個人向けに疾患リスクや体質などに関する遺伝子情報を伝えるゲノム解析サービスを行う。2018年4月、ユーグレナの執行役員に就任。
【注目するニュース分野】バイオテクノロジー、ゲノム解析
大阪府出身。京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中にジーンクエストを起業。2015年3月に博士課程修了。個人向けに疾患リスクや体質などに関する遺伝子情報を伝えるゲノム解析サービスを行う。2018年4月、ユーグレナの執行役員に就任。
【注目するニュース分野】バイオテクノロジー、ゲノム解析