【柯 隆】投稿一覧

柯 隆

東京財団政策研究所 主席研究員

東京財団政策研究所 主席研究員

政治経済の深層を解き明かす中国ウオッチャーの第一人者。1963年、南京市生まれ。88年に来日し、92年に愛知大学法経学部卒業。94年、名古屋大学修士(経済学)。富士通総研経済研究所などを経て2018年から東京財団政策研究所に所属。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授も兼務。『「ネオチャイナ・リスク」』(2021年、慶応義塾大学出版会)など著書多数。
【注目するニュース分野】中国経済・政治、日中関係

政治経済の深層を解き明かす中国ウオッチャーの第一人者。1963年、南京市生まれ。88年に来日し、92年に愛知大学法経学部卒業。94年、名古屋大学修士(経済学)。富士通総研経済研究所などを経て2018年から東京財団政策研究所に所属。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授も兼務。『「ネオチャイナ・リスク」』(2021年、慶応義塾大学出版会)など著書多数。
【注目するニュース分野】中国経済・政治、日中関係

1月17日

  • 想定内の数字だが、CPIがやや過小評価されている感があって、実態はもっと厳しいはず。とくに第三四半期から急減速しているため、いかにして底上げするかは不透明

  • オミクロンにより岸田首相の訪米ができないなか、オンライン会談になったのだろう。その中身はおそらく中国問題になる。バイデン政権は外交的にほとんど点数を稼げていない。中間選挙に向けて、バイデン外交を展開したいはずである。日本では、日米関係について沖縄基地の感染者の急増という「小さなこと」が注目を集めているが、両首脳の会談では、台湾問題の現状をどのように維持するかについて議論されるのではないかと思われる。ここでも、岸田首相はバランス外交を展開するかどうか

1月16日

  • 本件は日本の政治そのものを凝縮したものといえる。岸田首相はバランス感覚の優れた方といわれている。年明けの新春互例会で岸田首相は日本の外交をリアリズム外交と定義した。したたか外交ともいわれている。要するには、できるだけ敵を作らないということだろう。しかし、ずるいといわれないか。要するに、バランスも重要だが、日本という国の原則が問われている。

  • イアン・ブレマーは2022年のトップリスクについて中国のゼロコロナ政策の失敗をあげた。ゼロコロナ政策が失敗した場合の影響について改めて試算する必要があるが、コロナの感染をゼロにすることがそもそも不可能である。どうしてもやるならば、日本の鳥インフルエンザ対策のように、1羽の感染が見つかれば、その地域の養鶏場の鶏をすべて殺処分しないといけない。しかし、人間は鶏ではない。現在の都市封鎖でも、人道問題がすでに出ている。北京オリパラを中国なりに成功させることができるが、その代価は甚大のはずである

1月14日

  • 有効な治療薬が開発されれば、インフル並みにしても、当然ではなかろうか。専門家たちは「正しく恐れ」とずいぶん前から主張されている。その正しい、正しくない、についてもう少しわかりやすく教えてほしい。なんでもかんでも大騒ぎするのは危機対処において最悪である

  • FTAやEPAといった経済連携枠組みにおいて、ルール、すなわち、原則が重要だが、小国にとって、経済利益はルール以上に重要である。中国は世界の工場であると同時に、世界の市場でもある。岸田政権が提示するしたたかな外交でも、やはりルール(価値観)と経済利益(国益)のバランスをとることを意味するものである。目下の国際貿易をみると、合従連衡のゲームになっている

  • 年金の受給を遅らせれば遅らせるほど、フローの受給額が増えるという設計になっているだろうが、受給を遅らせるほどの経済力のない人にとって遅らせることができないという現実を忘れてはならない。マクロ的に受給を遅らせることで年金のひっ迫を回避できると考えられているが、ならば、65歳以上の人でも働いた場合の税軽減をセットで考えなければならないのでは。

  • このアンケート調査の結果は、ほぼ想定内といえる。ただし、実際の不確実性は予想を遥かに上回るマグニチュードであるはずである。一般的に危機に見舞われたときの経営者の目線は目の前の経営状況に傾けがちであるが、これからの最大の不確実性は経済構造と産業構造の大きな変化である。グローバルサプライチェーンの再編が避けられない。5年後、10年後のサプライチェーンのあり方をしっかり捉えることができなければ、国際競争のなかで居場所を失ってしまうだろう

1月13日

  • 中国でなぜEVが売れているのか。中国人の環境保全意識が高いからなのか。必ずしもそうではない。内燃エンジン車に比べ、小型EVは技術的に難しくなく、電動自動車のような感覚で地場メイカーが作れるし、値段も安く、5年ぐらい乗れば、もとはとれる。富裕層は買わないが、中低所得層のニーズに合っている。テスラも売れているといわれているが、それほどでもない。中低所得層はテスラを買う財力がない。富裕層の間でやはり技術的に成熟しているハイブリッド車が人気である

1月12日

  • 日本の預金を扱う金融機関は超低金利政策により苦しんでいる。原因はその収益構造が依然利ザヤのみに頼っているからである。銀行はサービス業であるにもかかわらず、そのサービスは預金者からみて、必ずしも満足のいくものとはいえない。幸いにも、貯蓄率の高い日本で高齢預金者は金利がゼロでも、せっせと預金してくる。そのうえ、金融業を開放すると、金融システムが不安定化すると「論破」されているため、金融の自由化と対外開放がなされず、守られている。外国の金融機関との競争に晒されない金融業のサービスは向上しない。収益性も低い。結果、イノベーションも起きにくい