【上野泰也】投稿一覧

上野泰也
上野泰也

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みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト

金融市場の今を解きほぐす名物エコノミスト。1985年上智大文卒、86年に会計検査院入庁。88年に富士銀行(現みずほ銀行)入行、2000年みずほ証券設立に伴い現職。エコノミスト歴は四半世紀を超え、日経ヴェリタスの年間ランキングで過去7度、第1位に選ばれる。『No.1 エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本』(かんき出版)など著書多数。今もリポートは毎日自ら執筆する。
【注目するニュース分野】金融市場、マクロ経済

金融市場の今を解きほぐす名物エコノミスト。1985年上智大文卒、86年に会計検査院入庁。88年に富士銀行(現みずほ銀行)入行、2000年みずほ証券設立に伴い現職。エコノミスト歴は四半世紀を超え、日経ヴェリタスの年間ランキングで過去7度、第1位に選ばれる。『No.1 エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本』(かんき出版)など著書多数。今もリポートは毎日自ら執筆する。
【注目するニュース分野】金融市場、マクロ経済

11月29日

  • 筆者が1つ疑問を抱いたのは「男性は『父親ボーナス』(ファザーフッド・ボーナス)に恵まれる」という部分。「『父親は働いて家族を養うものだ』という文化規範が根強いため、子のいる男性はいない男性よりも給与が高くなりやすい」と説明されているが、これは個別の会社の賃金体系や業務の実績評価における話なのだろうか。いま一つ釈然としない。性別を理由とする給与面の格差は違法というのが、日本を含めて近年では常識になっている。それとは別に、父親に限った話ではないのだが、「かわいい幼いわが子のために」ということで勤労意欲が増し、仕事の面でステップアップする事例を筆者は見聞きしてきた。男性の方がそうした傾向が強いのか。

  • 最後に出てくる「人はいつか死ぬ」というプーチン大統領のセリフが話題になっていた。「交通事故で毎年3万人が死亡する」との発言も報じられている。ウクライナに子どもを送り出した母親との懇談で、何の気配りも示さなかった。大統領は「問題は私たちがどう生きたかだ」とも述べた。ロシアのために散るならば、その兵士の存在は意義があるということか。自分にはロシアの安全保障の強化という歴史的使命があるのでウクライナとの戦争を含めてそれを完遂した上でなければ死ねないということなのか。米国のバイデン大統領が副大統領だった11年、プーチン氏に対し、「目を見ているが、あなたに魂があるとは思わない」と述べたことを思い出した。

  • 米FRBの金融政策に関する市場の見方が「利上げ・量的引き締め一辺倒」から「利上げはペースダウン後に停止して先行きは利下げ」「23年中のどこかで量的引き締め停止も」へと変わってくる中で、米国の長期金利はピークをつけて低下に転じた。それと歩調を合わせ、上昇を続けてきたドルは下落しつつある。さらに、中国の「ゼロコロナ」問題が足元で材料になっているという構図である。中国経済の動向は原油など商品市況への影響が大きい。いくつもの都市での抗議行動にもかかわらず「ゼロコロナ」の基本方針を中国指導部が貫徹する場合、米国を含む世界の経済成長率や物価の見通しには下押し圧力が加わり、FRBにも影響を及ぼすことになる。

11月28日

  • 02年日韓大会の後、ワールドカップで8連敗となっていたカメルーンが、引き分けで勝ち点1をあげた。スポーツによっては、引き分けをはさんでもその後に負けがあれば連敗記録が継続とするものもあるが、サッカーW杯の場合はそうではないのだろう。カメルーンは、日本の大分県中津江村(現・日田市)とは、日韓大会で来日した際にキャンプを行って以来のつながりが今でもあるという。昨日はSNSで「カメルーンvsセルビア戦が面白い」という投稿をいくつか見かけたので、興味を抱いて筆者も後半を観戦。選手のスタミナが切れたせいか粗い展開だったが、たしかに楽しめた。

  • 感染力が強いオミクロン株に対しても硬直的に「ゼロコロナ」政策を続行する当局への不満が蓄積し、ついに上海では26日夜から27日にかけての抗議行動の中で、「共産党退陣、習近平(国家主席)退陣」と群衆が連呼する事態にまで発展したようである。こうした共産党指導部へのあからさまな批判は89年の天安門事件以来ではないかと報じている欧米メディアもある。焦点は、共産党指導部がどのように対応するか。「ゼロコロナ」を引っ込めればメンツ丸つぶれ。強権的に批判の動きを押さえ込もうとすれば、民衆の反感は増し、中国全土に抗議行動が広がるリスクもある。間のところでうまく事態を収拾することを考えるのではないか。

  • 画面で観戦した1視聴者の感想としても、攻めに積極性が欠ける印象は否めなかった。相手の堅守を崩せないまま時間が経過する中で、ワンチャンスを活かしたコスタリカに敗退。ネット上では元日本代表・本田圭佑氏の厳しい指摘を交えた解説がトレンド入りしていた。日本は過去6回のW杯グループステージで2戦目で苦戦する傾向があり、1勝2敗3引き分けという実績。今回、黒星が1つ増えた。その後、スペインがドイツと引き分けたため、4チーム全てに決勝トーナメント進出の可能性が残されている。日本がスペイン戦で引き分ける場合でも状況次第では進出できるが、やはり勝利してすんなり決めたいところ。サムライブルーの健闘を祈りたい。

  • 「値上げラッシュ」は年内で終わらず、来年も続きそうな雲行きである。共同通信が実施した企業80社アンケートで、来年以降の値上げを「検討している」という回答が23%、「未定」が49%になった。同業他社の動きを見きわめるなどした上で来年以降も値上げに動こうと考える企業が、この49%の回答には含まれているだろう。原材料コストのほか、輸送コストの上昇への警戒感も強い。インタビューに出てくる物流部門の「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって24年4月から時間外労働の上限規制が物流業界にも適用されること。ドライバー1人の長時間労働による長距離輸送がしにくくなるため、物流コストは上昇する可能性が高い。

11月25日

  • キム・ジュエは、お父さん似か、お母さん似か。いろいろな人に聞いたが意見はさまざま。両方に似ているという人もいた。個人的経験も踏まえて言うと、父親にとって娘は(特に小さいうちは)とにかく特別な存在である。金正恩総書記も一人の父親として、自分の娘の幸せな人生をおそらく望んでいるだろう。その一方で、金総書記は今回、弾道ミサイルとともに娘の存在を対外的に公表した。それは「金王朝」の一員として生まれたことによる運命のようなものなのかもしれない。金総書記の妹である金与正氏は、政治の世界で兄を支えており、米国や韓国を激しい言葉で非難している。今回登場した少女の将来の姿を、筆者はどうしてもイメージしてしまう。

11月24日

  • EUは巨大IT企業への締め付けを強めており、18年に一般データ保護規則(GDPR)を施行。域外へのデータ移転を厳しく制限している。今年11月にはそうした企業による自社サービス優遇を禁じる「デジタル市場法(DMA)」と違法コンテンツ削除を義務付ける「デジタルサービス法(DSA)」が施行された。違反した場合は巨額の制裁金が課される可能性があり、巨大IT企業各社にとって、非常に大きな問題。関連する法律を順守するためには、人をはり付ける必要がある。にもかかわらず、記事にあるような動きがあったため、懸念が深まっているというわけである。

  • 「7円超の急激な円高が進み、保守的に見たことによる下期業績の『貯金』は減りつつある」という部分がポイント。一時151円台までドル/円相場が円安ドル高方向に大きく振れる中でも、大手企業は22年度事業計画で想定する為替水準を円安方向にあまりシフトさせない、保守的で慎重な姿勢をとってきた。その背後には、為替は変動が大きいので市場実勢に合わせて想定レートを頻繁に変更するのは望ましくないという考え方に加えて、業績見通し修正は下方修正よりも上方修正の方が見栄えが良いという考え方があるように思う。為替差益が見込める企業が想定レート修正をあまりしないでいるうちに、円高に動いて「貯金」が消えたというわけである。