【山田邦雄】投稿一覧
2022年
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中国が改革開放以来の30年間に目覚ましい経済発展を遂げ得た理由はいくつも考えられるが、一つは外国の資本と技術を導入し、当時は豊富で安かった労働力を武器に世界の工場となった事だが、加えて政府主導で強力に産業/投資政策を推し進める事が出来たのが大きい。それは政治的というよりは、むしろ財力があったことによる。その源泉が国有である土地の開発権を売る「打ち出の小づち」だ。大きくは戦後の日本と相似する経済発展戦略だが、違うのは日本の政府はこのような魔法は使えず、税収で様々工夫するも全く追い付かず、今や巨額の財政赤字が積みあがって身動きできない。これからの中国はそういう意味では「普通の国」になるのだろうか。
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非常に注目される、かつワクワクするソニーのチャレンジであり、心からエールを送りたい。アップルが車を作る時代であれば、ソニーにはエレキ&エンタメはあるし、保険業等で培ってきたデジタル&アナログのサービスネットワークが生きてくるので国内では有利なのではないか。ただ恐ろしいのは技術の進展に伴う価格の下落であり「自動で移動する四輪の箱」の値段は将来30万円~50万円が当たり前になるかも。一方でパソコンの低価格化に比べれば、スマホ(特にiPhone)はよく価値を保っている。もう基本的な機能がさほど進化していないのだから、本来なら3万くらいに収束しそうなものだが、全員の必需品なので付加価値が残存している。
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日本の現状が抱える問題は多々あるとしても、比較対象をバブルのピークにして、そこから低迷しているか..という見方にも問題があるのではないか。日本の高度成長そのものも、その時代の世界情勢があってのもので、その時代背景が大きく変わった今、「過去の影響を取り戻す」戦略ではなく新環境に適応する戦略が必要だ。それは大国に対抗する力と規模の論理ではなく、むしろ持たざる者としての(差別性のある)選択や集中をすべきだが、すべてにバラ色を望みがちな未成熟な民主主義で、その冷静な議論ができるかどうかが危惧される。株式総額についていえば、今やその価値の半分は外国資本であり、日本国民のものではない事を忘れてはならない。
山田邦雄
【エキスパート歴】2021年12月~2022年2月
【エキスパート歴】2021年12月~2022年2月
※このプロフィールは、エキスパートが就任していた時点のものです
ロート製薬 代表取締役会長
1956年兵庫県生まれ。80年ロート製薬入社。91年取締役、96年副社長を経て99年社長に就任。新規分野だった化粧品ビジネスへの大幅シフトをすすめ、主力事業に転換させた。2009年に会長に就任。東京大学理学部物理学科卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。
【注目するニュース分野】ヘルスケア、経営
※このプロフィールは、エキスパートが就任していた時点のものです
ロート製薬 代表取締役会長
1956年兵庫県生まれ。80年ロート製薬入社。91年取締役、96年副社長を経て99年社長に就任。新規分野だった化粧品ビジネスへの大幅シフトをすすめ、主力事業に転換させた。2009年に会長に就任。東京大学理学部物理学科卒。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。
【注目するニュース分野】ヘルスケア、経営