首相「ウクライナと揺るぎない連帯」 装備品やエネ支援 ウクライナ侵攻 G7広島サミット 岸田政権 Think! ヨーロッパ 外交・安全保障 3月22日 岸田文雄首相は21日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪れゼレンスキー大統領と会談した。「日本の揺るぎない連帯」を伝えた。殺傷能力のない装備品の支援へ3千万ドル(40億円程度)を出す。エネルギー分野などで4億7千万ドル(620億円ほど)を無償供与するとも言明した。 ゼレンスキー氏は首相の招待で5月に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)にオンラインで参加すると約束した。 首相のウクライナ 首相「ウクライナと揺るぎない連帯」 装備品やエネ支援 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回の岸田首相のウクライナ訪問は、遅まきながらやっと日本が国際政治の最前線に登場しそれなりの評価を得たという感じがする。この訪問によって、ウクライナ戦争が単に欧米対ロシアの対立構図だけでなく、東アジアを含む国際情勢に密接に関わっていることを直接示すことが出来た。「インド太平洋」という地政学的概念は既に古いように思え、むしろ法の支配を含む国際秩序の維持と自由民主主義といった価値を基調とした「グローバル・アライアンス」を戦略のベースにした方が現状に合っているかも知れない。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回の岸田首相のウクライナ訪問は、遅まきながらやっと日本が国際政治の最前線に登場しそれなりの評価を得たという感じがする。この訪問によって、ウクライナ戦争が単に欧米対ロシアの対立構図だけでなく、東アジアを含む国際情勢に密接に関わっていることを直接示すことが出来た。「インド太平洋」という地政学的概念は既に古いように思え、むしろ法の支配を含む国際秩序の維持と自由民主主義といった価値を基調とした「グローバル・アライアンス」を戦略のベースにした方が現状に合っているかも知れない。
国際刑事裁判所、プーチン氏に逮捕状 ウクライナ巡り ウクライナ侵攻 Think! ヨーロッパ 3月18日更新 【ブリュッセル=竹内康雄、ワシントン=中村亮】国際刑事裁判所(ICC、本部・ハーグ)は17日、ロシアのプーチン大統領らに対する逮捕状を発行したと発表した。ウクライナの子供をロシアに拉致したことへの関与の疑いが持たれている。だが、逮捕状にロシア側が応じる可能性は低く、実効性は乏しい。 バイデン米大統領は17日、ホワイトハウスで記者団に対し、ICCによる逮捕状を「理にかなっていると思う」と評価した。 国際刑事裁判所、プーチン氏に逮捕状 ウクライナ巡り 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 ICCの今回の逮捕状は、実行性はあまり無くロシアがローマ規程を受け入れていなくても、戦争犯罪の容疑で正式に出した意義は大きい。ICCは、戦争犯罪の調査で規程の手続きを踏んでおり、指揮系統の最高責任者を訴追出来る。現時点で訴追するのは難しいとしても、プーチン大統領が生きている限り責任は逃れられない。過去にも現職の大統領が在任中に訴追され、権力を失った後新政府の協力で裁判にかけられた事例もある(ユーゴスラビアのミロセビッチ大統領)。今回の逮捕状が将来の和平交渉にどのような影響を与えるかは分からないが、戦争犯罪の責任は追求しなければならない。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 ICCの今回の逮捕状は、実行性はあまり無くロシアがローマ規程を受け入れていなくても、戦争犯罪の容疑で正式に出した意義は大きい。ICCは、戦争犯罪の調査で規程の手続きを踏んでおり、指揮系統の最高責任者を訴追出来る。現時点で訴追するのは難しいとしても、プーチン大統領が生きている限り責任は逃れられない。過去にも現職の大統領が在任中に訴追され、権力を失った後新政府の協力で裁判にかけられた事例もある(ユーゴスラビアのミロセビッチ大統領)。今回の逮捕状が将来の和平交渉にどのような影響を与えるかは分からないが、戦争犯罪の責任は追求しなければならない。
米国無人機、ロシア戦闘機と衝突し墜落 黒海上空で ウクライナ侵攻 バイデン政権 Think! ヨーロッパ 北米 3月15日更新 ■米無人機がロシア戦闘機と接触し墜落したと米軍が発表 ■米側は国際空域での通常任務とし、ロシアの動きを非難 ■ロシアは接触を否定し、戦闘機は無事に帰還したと主張 米国無人機、ロシア戦闘機と衝突し墜落 黒海上空で 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回のドローン事件は、クリミア半島南西約75マイル(120km)の国際空域で起きたとされている。ロシアの「特別軍事作戦」で防空認識圏を設定しているかどうかは別としても、国際空域での偵察活動は多くの国が行なっており、慣習国際法となっている。勝手に撃ち落とすことは出来ない。ロシアは、米国などの国際空域での偵察行動に対しては「威圧的措置」を取ることがあるとされており、今回は、そのような行為が許容範囲を超えた可能性がある。米国は偵察活動の継続を公表しており、ロシアも自重して、これ以上緊張が高まらないようになることが望まれる。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回のドローン事件は、クリミア半島南西約75マイル(120km)の国際空域で起きたとされている。ロシアの「特別軍事作戦」で防空認識圏を設定しているかどうかは別としても、国際空域での偵察活動は多くの国が行なっており、慣習国際法となっている。勝手に撃ち落とすことは出来ない。ロシアは、米国などの国際空域での偵察行動に対しては「威圧的措置」を取ることがあるとされており、今回は、そのような行為が許容範囲を超えた可能性がある。米国は偵察活動の継続を公表しており、ロシアも自重して、これ以上緊張が高まらないようになることが望まれる。
若者が子供を望まない理由 「日本に希望ない」 出生率・少子化 Think! 子育て 3月15日 日本経済新聞社が1月、「生涯子供なし、日本突出 50歳女性の27%」と報じたところ、SNS(交流サイト)などで大きな反響があった。子供を産めなかった理由など多数のツイートが「#生涯子供なし」付きで流れた。より具体的な声を聞こうと2月に読者アンケートを実施。延べ5000を超える自由回答から浮かび上がったのは、日本で子供を産み育てることへの不安や諦め、子供を持たない人が背負わされる負担だった。 「政 若者が子供を望まない理由 「日本に希望ない」 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回のアンケート調査では考えさせられる点が幾つもあります。結婚や子作りを考える際に重要な判断が、将来に向けた収入の安定性や子育てとキャリアの両立です。日本の婚期が遅くなっているのも、この判断をするのに時間がかかっていることがあり、特に女性の場合には、キャリアに対する社会的な壁や子育ての環境が十分に整っていないことにあるでしょう。ある友人の女性が、子育ての両立と満足のいくキャリアを求めて米国に飛び出したと言っています。先進国における少子化は避けられませんが、日本の場合社会全体が変わらないと問題の解決は難しいでしょう。もっと他の先進国から学ぶ必要があります。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 今回のアンケート調査では考えさせられる点が幾つもあります。結婚や子作りを考える際に重要な判断が、将来に向けた収入の安定性や子育てとキャリアの両立です。日本の婚期が遅くなっているのも、この判断をするのに時間がかかっていることがあり、特に女性の場合には、キャリアに対する社会的な壁や子育ての環境が十分に整っていないことにあるでしょう。ある友人の女性が、子育ての両立と満足のいくキャリアを求めて米国に飛び出したと言っています。先進国における少子化は避けられませんが、日本の場合社会全体が変わらないと問題の解決は難しいでしょう。もっと他の先進国から学ぶ必要があります。
老いゆくG7「幸福追求」 新興国に経済規模かなわず 底流 Think! 経済 3月13日 主要7カ国(G7)は2023年の財務相・中央銀行総裁会議の議題に幸福の追求を掲げた。国内総生産(GDP)を絶対視せず、格差縮小など人々の幸せにつながる政策に重きを置く。名目GDPで中国やインドなど新興国に逆転されたG7の苦悩が透ける。 23年のG7議長国を務める日本の財務省が2月に公表した主要議題。ウクライナ支援やロシアに対する金融制裁、インフレ、債務問題の対応などとともに「Pursuing W 老いゆくG7「幸福追求」 新興国に経済規模かなわず 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 人々の幸せを社会や国民の発展の基準にするという考え方は、ブータンの国王が1972年に新たに国家目標に掲げたもので、2012年には国連総会決議でも開発への包括的(holistic)アプローチとして考えるべきものとして採択され、3月20日が幸福国際デーとなっている。ブータンが進める「国民総幸福度(NGH)」の指標には4つの柱があり、1)持続可能で公平な経済社会開発、2)環境の保護、3)文化の保護と促進、4)良い統治で構成されている。当時GDPに変わる指標ということで各国の支持を集めたが、日本そしてG7もやっと国民の目線からの指標作りに気がついたと言える。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 人々の幸せを社会や国民の発展の基準にするという考え方は、ブータンの国王が1972年に新たに国家目標に掲げたもので、2012年には国連総会決議でも開発への包括的(holistic)アプローチとして考えるべきものとして採択され、3月20日が幸福国際デーとなっている。ブータンが進める「国民総幸福度(NGH)」の指標には4つの柱があり、1)持続可能で公平な経済社会開発、2)環境の保護、3)文化の保護と促進、4)良い統治で構成されている。当時GDPに変わる指標ということで各国の支持を集めたが、日本そしてG7もやっと国民の目線からの指標作りに気がついたと言える。
元徴用工問題、解決策で試される韓国「知日派」の耐性 朝鮮半島ファイル 日韓対立 峯岸 博 Think! 朝鮮半島 編集委員 3月10日更新 「モメンタム(勢い)が失われないうちにやってしまおう」。韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領はこう考え、側近たちの慎重論を押し切った。 その結果、韓国政府が6日に発表した元徴用工訴訟問題の解決策は韓国内での反応が芳しくない。一部の原告や弁護士、支援団体は強硬に反発する。メディアの賛否も分かれ、保守紙も日韓関係の改善を急ぐ尹氏の姿勢に理解を示しつつ、日韓首脳会談に向け日本に一層の措置を求めて原告 元徴用工問題、解決策で試される韓国「知日派」の耐性 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 東アジアの安全保障環境が一層厳しくなる中で、日韓関係の改善は、日本と韓国両国の国益になる。今回の尹大統領の決断は勇気のいるもので、一部の反対はあっても、国民の理解を得ることが望まれる。日韓首脳会談やG7サミットへの招待は、日韓関係改善の外堀を埋める意味でも大事であろう。日本もこの機会を逃してはならない。また、韓国の人達の訪日が増えていることも長期的な日本の理解と日韓関係の改善にとって役に立つことが期待される。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 東アジアの安全保障環境が一層厳しくなる中で、日韓関係の改善は、日本と韓国両国の国益になる。今回の尹大統領の決断は勇気のいるもので、一部の反対はあっても、国民の理解を得ることが望まれる。日韓首脳会談やG7サミットへの招待は、日韓関係改善の外堀を埋める意味でも大事であろう。日本もこの機会を逃してはならない。また、韓国の人達の訪日が増えていることも長期的な日本の理解と日韓関係の改善にとって役に立つことが期待される。
中国仲裁案の裏に独自予測 「ウクライナ侵攻は夏終結」 Think! 中国・台湾 3月9日 ロシアによるウクライナ侵攻から1年がたった2月、中国が独自の仲裁案を公表した。ウクライナ情勢への深入りを避けてきた習近平(シー・ジンピン)指導部が動いた背後には人民解放軍がまとめた予測があった。 「中国は対話と和平の側に立つ」。2月18日、首脳・閣僚級ら200人以上が参加したミュンヘン安全保障会議。中国外交担当トップ、王毅(ワン・イー)氏は仲裁案を近く公表すると語った。 侵攻からちょうど1年とな 中国仲裁案の裏に独自予測 「ウクライナ侵攻は夏終結」 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 ゼレンスキー大統領にとって、和平への動きの中で譲れない一線があり、それは昨年2月以降奪われた領土の回復だろう。米欧諸国の新たな武器の搬入により春以降の再度の反転攻勢が予測されており、それが一段落するのが夏頃と考えられる。中国の和平案は中国得意の原則外交だが、それによってむしろロシアへの武器供給を躊躇せざるを得ず、ロシアにとっては不利になる可能性がある。ゼレンスキー大統領も中国の役割に期待するところはあるが、それはむしろロシア説得のためと思われる。戦況が不利になる中で、プーチン大統領が妥協に応じることは考えにくい。中国は大国としての外交力を発揮したいだろうが、その舵取りもそう簡単には行くまい。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 ゼレンスキー大統領にとって、和平への動きの中で譲れない一線があり、それは昨年2月以降奪われた領土の回復だろう。米欧諸国の新たな武器の搬入により春以降の再度の反転攻勢が予測されており、それが一段落するのが夏頃と考えられる。中国の和平案は中国得意の原則外交だが、それによってむしろロシアへの武器供給を躊躇せざるを得ず、ロシアにとっては不利になる可能性がある。ゼレンスキー大統領も中国の役割に期待するところはあるが、それはむしろロシア説得のためと思われる。戦況が不利になる中で、プーチン大統領が妥協に応じることは考えにくい。中国は大国としての外交力を発揮したいだろうが、その舵取りもそう簡単には行くまい。
ウクライナ支援「疲弊」訴え 米共和に溝、外交の震源に アメリカン・デモクラシー バイデン政権 Think! 北米 3月7日 米連邦議会は上下両院で多数派が異なる「ねじれ」に陥り、2024年大統領選を見据えた攻防が熱を帯びる。そのねじれをさらにきつくする遠心力として働くのが野党・共和党内でも最右翼に立つ保守強硬派だ。超大国の意思決定を大きく揺らす勢力の実像を追った。 周囲が立ち上がって拍手を送るなか、白いコート姿の女性は座ったままだった。共和のマージョリー・テーラー・グリーン下院議員。2月7日、一般教書演説に臨んだバイ ウクライナ支援「疲弊」訴え 米共和に溝、外交の震源に 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 共和党内の一部保守強硬派がウクライナへの支援削減の動きをしているのは今に始まったことではないが、ロシアの長期戦を促すようなもので、危険と言わざるをえない。トランプは自分が大統領だったらロシアの戦争は起きなかったとしているが、逆を言うと、ウクライナはロシアのものだから米国は干渉しなかっただろうと言っているのに等しい。プーチンはトランプの再選を期待して当面軍事攻勢をかけ続け、米国のつまりNATOのウクライナ支援を止めさせることを狙う。共和党の多数はウクライナ支援の立場であり、ごく少数の自らの利益のみを考える強硬派を抑える努力をする必要があろう。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 共和党内の一部保守強硬派がウクライナへの支援削減の動きをしているのは今に始まったことではないが、ロシアの長期戦を促すようなもので、危険と言わざるをえない。トランプは自分が大統領だったらロシアの戦争は起きなかったとしているが、逆を言うと、ウクライナはロシアのものだから米国は干渉しなかっただろうと言っているのに等しい。プーチンはトランプの再選を期待して当面軍事攻勢をかけ続け、米国のつまりNATOのウクライナ支援を止めさせることを狙う。共和党の多数はウクライナ支援の立場であり、ごく少数の自らの利益のみを考える強硬派を抑える努力をする必要があろう。
同盟不在のウクライナ、命綱は装備 長期戦の懸念 ウクライナ侵攻 北朝鮮 米中衝突 G7広島サミット 岸田政権 Think! ヨーロッパ 北米 政治 3月3日 バイデン米大統領は2月20日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃的に訪問した。ゼレンスキー大統領は会談後の記者会見で「この訪問の成果は必ず戦場や領土の解放に反映される」と話した。 重要だったのは米国からの武器支援を継続するとの約束だ。主な対象は事前に表明済みのものにとどまったものの、バイデン氏は「ウクライナが今後も勝利を続けると確信している」と強調した。 ロシアが侵攻してからの1年間、米国は 同盟不在のウクライナ、命綱は装備 長期戦の懸念 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 バイデン大統領にとって在任中のウクライナ支援は外交上そして国内政治的にも極めて重要な課題であって、ロシアを過度に刺激しない範囲で武器の供与を継続すると思われる。戦闘機の提供なしでもウクライナは当面対応できるとの判断をしている。G-20会合では中国のロシアへの武器供与の牽制を再度行い、ブリンケン国務長官とラブロフ外相との会談では戦争終結や新START条約への復帰を促すことによって、少なくとも表面的には過度な衝突は避けようと見せている。武器の在庫や増産の問題は、米国や西側諸国にとっても苦慮するところではあるが、短期的には現存の在庫を最大限活用するほかないであろう。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 バイデン大統領にとって在任中のウクライナ支援は外交上そして国内政治的にも極めて重要な課題であって、ロシアを過度に刺激しない範囲で武器の供与を継続すると思われる。戦闘機の提供なしでもウクライナは当面対応できるとの判断をしている。G-20会合では中国のロシアへの武器供与の牽制を再度行い、ブリンケン国務長官とラブロフ外相との会談では戦争終結や新START条約への復帰を促すことによって、少なくとも表面的には過度な衝突は避けようと見せている。武器の在庫や増産の問題は、米国や西側諸国にとっても苦慮するところではあるが、短期的には現存の在庫を最大限活用するほかないであろう。
中国、ウクライナ停戦求める仲裁案 核兵器使用に反対 ウクライナ侵攻1年 Think! 中国・台湾 2月24日 【北京=羽田野主】中国外務省は24日、ロシアのウクライナ侵攻から1年の節目に中国の仲裁案を発表した。ロシアとウクライナの双方に「停戦」を呼びかけ、対話するよう求めた。核兵器の使用に反対した。中国もウクライナ和平の実現で「建設的役割」を発揮するとアピールした。 「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題する文章は合計12項目からなる。強調したのは「戦闘の停止」だ。「各当事者は理性を維持し火 中国、ウクライナ停戦求める仲裁案 核兵器使用に反対 植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 中国が核使用に反対の表明をしたことにより、ロシアによる「核の恫喝」レベルは下がることになろう。しかし、対話への道は、ウクライナがかなりの程度領土を取り返すまでは難しいと思われる。ウクライナも中国の関与に関心を持っているとされており、戦場が有利になった時点でロシアに唯一影響力のある中国を外交的に使う機会が出てくる。中国も大規模な資金力が必要となる戦後復興などで自国の一帯一路構想にウクライナを引き込んでいくことも念頭にあると思われる。米国の牽制もあり、また戦後の対ウクライナ政策も見据えて、中国は噂されるロシアへの武器供与にも慎重になるだろう。
植木安弘 上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授 中国が核使用に反対の表明をしたことにより、ロシアによる「核の恫喝」レベルは下がることになろう。しかし、対話への道は、ウクライナがかなりの程度領土を取り返すまでは難しいと思われる。ウクライナも中国の関与に関心を持っているとされており、戦場が有利になった時点でロシアに唯一影響力のある中国を外交的に使う機会が出てくる。中国も大規模な資金力が必要となる戦後復興などで自国の一帯一路構想にウクライナを引き込んでいくことも念頭にあると思われる。米国の牽制もあり、また戦後の対ウクライナ政策も見据えて、中国は噂されるロシアへの武器供与にも慎重になるだろう。
植木安弘
上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授
上智大学グローバル・スタディーズ研究科 教授
元国連事務局広報官。1982-2014年の国連勤務の間、広報局戦略広報部、事務総長報道官室、ナミビアと南アフリカで選挙監視、東南アジアの東ティモールで政務官兼副報道官、イラクで国連大量破壊兵器査察団バグダッド報道官、津波後のインドネシアのアチェで国連広報官などを務める。1976年上智大学外国語学部露語科卒。米コロンビア大学大学院で修士号、博士号(Ph.D.)を取得。専攻は国際関係論。
【注目するニュース分野】国際政治、国連・国際機構、紛争解決、国際コミュニケーション・戦略広報
元国連事務局広報官。1982-2014年の国連勤務の間、広報局戦略広報部、事務総長報道官室、ナミビアと南アフリカで選挙監視、東南アジアの東ティモールで政務官兼副報道官、イラクで国連大量破壊兵器査察団バグダッド報道官、津波後のインドネシアのアチェで国連広報官などを務める。1976年上智大学外国語学部露語科卒。米コロンビア大学大学院で修士号、博士号(Ph.D.)を取得。専攻は国際関係論。
【注目するニュース分野】国際政治、国連・国際機構、紛争解決、国際コミュニケーション・戦略広報