利上げできるのか 試練のFRB議長(NY特急便) NY特急便 Think! 海外 株式 北米 3月22日 21日の米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比316ドル高で終わった。イエレン米財務長官が米国銀行協会のイベントで「銀行危機が悪化すれば預金をさらに保護する用意がある」と発言し、金融システム不安への警戒が後退。銀行株などが上昇を先導した。 利上げでインフレ退治を続けるべきか、金融システム不安を払拭するために利上げを見送るべきか。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は就任以来、最大の 利上げできるのか 試練のFRB議長(NY特急便) 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 利上げ停止ならばパウエルFRB議長の「豹変」となる。最近の発言はタカ派色が強く、インフレ退治のために拳を振り上げた状態だからだ。ただ、振り返ってみると、パウエル議長は就任以来「豹変」を繰り返してきた。2018年はタカ派色を前面に出して、利上げ停止を求めるトランプ元大統領と対決しつつ4回利上げを実施。ところが、2019年に世界景気減速が鮮明になると「豹変」。急激な利下げを実施。2020年には量的緩和の大盤ぶるまいを実施し、2021年にインフレが深刻になっても「インフレは一時的」と主張。ところが、2022年にインフレが深刻になってからは「豹変」して強硬タカ派になっている。今晩の発表に注目。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 利上げ停止ならばパウエルFRB議長の「豹変」となる。最近の発言はタカ派色が強く、インフレ退治のために拳を振り上げた状態だからだ。ただ、振り返ってみると、パウエル議長は就任以来「豹変」を繰り返してきた。2018年はタカ派色を前面に出して、利上げ停止を求めるトランプ元大統領と対決しつつ4回利上げを実施。ところが、2019年に世界景気減速が鮮明になると「豹変」。急激な利下げを実施。2020年には量的緩和の大盤ぶるまいを実施し、2021年にインフレが深刻になっても「インフレは一時的」と主張。ところが、2022年にインフレが深刻になってからは「豹変」して強硬タカ派になっている。今晩の発表に注目。
タイ下院解散、5月に総選挙 野党大勝なら政権交代も ASEAN Think! 東南アジア 3月20日更新 【バンコク=村松洋兵】タイの下院が20日、解散した。同日付の官報で公表された。5月には約4年ぶりとなる総選挙を実施する。同国では2014年に軍事クーデターが発生し、19年の民政移管後も親軍勢力による連立与党が政権を握る。権威主義的な政治手法をとる親軍政権継続の是非が焦点となる。 下院は4年間の任期満了を23日に控えていた。下院選は政権維持を狙う親軍勢力に、タクシン元首相派の「タイ貢献党」など野党 タイ下院解散、5月に総選挙 野党大勝なら政権交代も 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 親軍政党が分裂選挙になるので、2014年のクーデターで失脚したタクシン派・タイ貢献党が政権を奪回する可能性はある。ただし首相指名選挙は、選挙で決まる下院議員(500名)と国軍の意向に従う上院議員(250名)の合同投票になるので、タイ貢献党が地滑り的大勝にならない限り単独での政権奪回は難しい。首相指名選挙では、プラウィット副首相の親軍政党がタイ貢献党のポピュリズム政策を取り入れることで同党と連立して新軍政権を維持する可能性も。独裁を強める中国の習近平政権は「共同富裕」を打ち出して民衆の不満をそらし、権力の維持強化を進めている。タイでも親軍政権が、政策を軌道修正しながら政権維持を目指している。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 親軍政党が分裂選挙になるので、2014年のクーデターで失脚したタクシン派・タイ貢献党が政権を奪回する可能性はある。ただし首相指名選挙は、選挙で決まる下院議員(500名)と国軍の意向に従う上院議員(250名)の合同投票になるので、タイ貢献党が地滑り的大勝にならない限り単独での政権奪回は難しい。首相指名選挙では、プラウィット副首相の親軍政党がタイ貢献党のポピュリズム政策を取り入れることで同党と連立して新軍政権を維持する可能性も。独裁を強める中国の習近平政権は「共同富裕」を打ち出して民衆の不満をそらし、権力の維持強化を進めている。タイでも親軍政権が、政策を軌道修正しながら政権維持を目指している。
クレディ・スイス、2.2兆円分のAT1債が無価値に クレディ・スイス救済 グローバルマーケット Think! 金融機関 金融政策 ヨーロッパ 3月20日 【ロンドン=大西康平】スイスの金融機関大手クレディ・スイス・グループは19日、同社が発行した劣後債の一種である「AT1債」について、約160億スイスフラン(約2.2兆円)分の価値をゼロにすると発表した。株式より低リスクとされる社債での異例の巨額損失発生となる。投資家心理が悪化して、世界の社債市場での売りに波及する可能性もある。 クレディ・スイスの発表では、同日にスイス金融市場監督機構(FINMA クレディ・スイス、2.2兆円分のAT1債が無価値に 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト クレディスイスの発表が事実だとすると、株が無価値にならないのに、劣後債の一種AT1債が無価値となる異例の措置となる。これで預金者の不安は低下するが、劣後債市場の不安が逆に高まる。AT1債の投資家がすんなり納得するとは思えず、今後波乱が続く可能性がある。法的整理を避けるために株を無価値としないで、債券や債権の保有者がより大きな損失を引き受けることは日本でも行われることがある。旧ダイエーは2004年に99%超の減資を実施して再生した。この時は取引先の損失を抑えるために銀行(債権者)がより大きな損失を受けた。株は無価値にならなかったとはいえ、大幅に減価しているので問題にならなかった。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト クレディスイスの発表が事実だとすると、株が無価値にならないのに、劣後債の一種AT1債が無価値となる異例の措置となる。これで預金者の不安は低下するが、劣後債市場の不安が逆に高まる。AT1債の投資家がすんなり納得するとは思えず、今後波乱が続く可能性がある。法的整理を避けるために株を無価値としないで、債券や債権の保有者がより大きな損失を引き受けることは日本でも行われることがある。旧ダイエーは2004年に99%超の減資を実施して再生した。この時は取引先の損失を抑えるために銀行(債権者)がより大きな損失を受けた。株は無価値にならなかったとはいえ、大幅に減価しているので問題にならなかった。
市場、FOMC動向に注視 利上げ影響巡り不安定な展開 グローバルマーケット Think! 海外 株式 為替・金利 商品 3月19日 株、金融システムリスクに警戒感 今週の株式市場は神経質な展開か。21〜22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを継続する姿勢を示せば、金融システムや実体経済に悪影響を与えるとの懸念から株売りにつながる可能性がある。 3月会合では0.25%の利上げ予想が多い。米銀シリコンバレーバンクの破綻などで、市場では今後FRBが利上げや量的引き締めのペースを 市場、FOMC動向に注視 利上げ影響巡り不安定な展開 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト パウエルFRB議長は就任以来「豹変」を繰り返している。2018年はタカ派色を前面に出して、利上げ停止を求めるトランプ大統領と対決しつつ4回利上げを実施。2019年になって世界景気減速が鮮明になると「豹変」して急激な利下げに転じた。2020年にコロナショックが起こると、量的緩和の大盤ぶるまいを実施、強烈にハト派色を出した。2021年にインフレが深刻になっても「インフレは一時的」と主張してハト派議長を続けた。ところが、2022年にインフレが深刻になると「豹変」して強硬タカ派になった。いずれまた「豹変」してハト派になることもあり得るが、いつそうなるか全くわからない。22日FOMCの結果に注目。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト パウエルFRB議長は就任以来「豹変」を繰り返している。2018年はタカ派色を前面に出して、利上げ停止を求めるトランプ大統領と対決しつつ4回利上げを実施。2019年になって世界景気減速が鮮明になると「豹変」して急激な利下げに転じた。2020年にコロナショックが起こると、量的緩和の大盤ぶるまいを実施、強烈にハト派色を出した。2021年にインフレが深刻になっても「インフレは一時的」と主張してハト派議長を続けた。ところが、2022年にインフレが深刻になると「豹変」して強硬タカ派になった。いずれまた「豹変」してハト派になることもあり得るが、いつそうなるか全くわからない。22日FOMCの結果に注目。
米銀、FRBからの借り入れ20兆円に急増 リーマン超え シリコンバレー銀行破綻 Think! 金融機関 金融政策 北米 3月17日 【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は16日、銀行によるFRBからの資金借り入れが15日時点で1528億ドル(約20兆円)に急増したと発表した。リーマン危機時を抜いて過去最高を記録した。相次ぐ米銀の破綻で金融市場は動揺しており、資金繰りを「最後の貸し手」である中央銀行に頼っている。 FRBは金融機関が資金繰りに行き詰まることを避けるための安全弁として、民間銀行向けに貸し出しを実施し 米銀、FRBからの借り入れ20兆円に急増 リーマン超え 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 「銀行業」には信用不安の「噂」が出るだけで資金繰りが行き詰まるリスクが常にある。資産サイドで長期の貸付金や長期債などを抱えながら、負債(資金調達)サイドは、いつでも解約できる預金「普通預金・当座預金・定期預金」がほとんどだからだ。SNS全盛で、噂があっという間に拡散する時代になっただけに、銀行の信用不安が連鎖することないよう、米国の銀行に手元資金を確保する動きが広がるのは当然と言える。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 「銀行業」には信用不安の「噂」が出るだけで資金繰りが行き詰まるリスクが常にある。資産サイドで長期の貸付金や長期債などを抱えながら、負債(資金調達)サイドは、いつでも解約できる預金「普通預金・当座預金・定期預金」がほとんどだからだ。SNS全盛で、噂があっという間に拡散する時代になっただけに、銀行の信用不安が連鎖することないよう、米国の銀行に手元資金を確保する動きが広がるのは当然と言える。
食料不安、小麦からコメに グローバルサウスに再び試練 G7広島サミット 下田 敏 Think! Nikkei Views 編集委員 3月17日 世界的な食料不安が小麦からコメに広がり始めた。ロシアによるウクライナ侵攻で小麦やトウモロコシが高騰するなかでもコメの国際価格は安定していたが、小麦などの代替需要が増え、11年ぶりの高値水準を付けた。コメは世界生産量に比べて貿易量が少なく、国際取引されるコメの3割以上を輸入するアフリカなど、グローバルサウス(南半球を中心とする途上国)の食料不安が深刻になりかねない。 コメは「赤信号」に近い 「今年 食料不安、小麦からコメに グローバルサウスに再び試練 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト コメの生産は小麦生産と比べて機械化が遅れているため、急な増産がむずかしい。タイのコメ生産は機械化が進んでいて輸出向けの商業生産が盛んだが、コメの生産大国であるインドや中国で機械化が遅れている。日本は機械化が最も進んでいて国内に余剰米があるが国内向けであり、またコメの品種が異なるので輸出がむずかしい。ただ、小麦価格の上昇を受けて、日本でもコメを使ったパンや麺の普及が広がり始めている。米粉100%のパンはグルテンフリーで、グルテンアレルギーの方も食べられることも注目されている。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト コメの生産は小麦生産と比べて機械化が遅れているため、急な増産がむずかしい。タイのコメ生産は機械化が進んでいて輸出向けの商業生産が盛んだが、コメの生産大国であるインドや中国で機械化が遅れている。日本は機械化が最も進んでいて国内に余剰米があるが国内向けであり、またコメの品種が異なるので輸出がむずかしい。ただ、小麦価格の上昇を受けて、日本でもコメを使ったパンや麺の普及が広がり始めている。米粉100%のパンはグルテンフリーで、グルテンアレルギーの方も食べられることも注目されている。
ANAHD、日本貨物航空買収 問われる「貨物の谷」の耐性 記者の目 新型コロナ サプライチェーン Think! 企業業績・財務 サービス・食品 3月17日 ANAホールディングスが新型コロナウイルス禍後の成長戦略を具体化し始めた。日本郵船傘下の日本貨物航空(NCA)の買収を決めた。これまで手薄だった高単価な欧米路線の輸送能力が増やせる期待はあるが、コロナ禍で上昇した航空貨物需要と市況は一服傾向にあり、谷間にさしかかっている。足元で日本航空(JAL)を上回るANAHDの航空貨物事業の稼ぐ力を、買収後に一段と磨けるかが成否を握る。 ANAHDは10月に ANAHD、日本貨物航空買収 問われる「貨物の谷」の耐性 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 成田空港は貿易取扱高で名古屋・東京などの貿易港を抑えて長年にわたり日本トップの座を占めている。電子部品・精密機器など高額品の輸出に航空機を使うからだ。それでもコロナ前までは航空貨物業は赤字が多くNCAは日本郵船の業績の足を引っ張ってきた。大型の貨物専用機への投資負担が重くのしかかっていた。コロナ禍で状況が一変、海上輸送が滞って定期船市況が高騰した時、海上輸送代替として航空貨物にコロナ特需が発生した。コロナ禍で人を運ぶ旅客機が不振の中、航空貨物の収益が急拡大した。ただし、海上輸送は既に正常化し定期船市況は急落した。旅客機の回復が見込まれるが、貨物専用機で稼ぐのは難しくなる可能性もある。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 成田空港は貿易取扱高で名古屋・東京などの貿易港を抑えて長年にわたり日本トップの座を占めている。電子部品・精密機器など高額品の輸出に航空機を使うからだ。それでもコロナ前までは航空貨物業は赤字が多くNCAは日本郵船の業績の足を引っ張ってきた。大型の貨物専用機への投資負担が重くのしかかっていた。コロナ禍で状況が一変、海上輸送が滞って定期船市況が高騰した時、海上輸送代替として航空貨物にコロナ特需が発生した。コロナ禍で人を運ぶ旅客機が不振の中、航空貨物の収益が急拡大した。ただし、海上輸送は既に正常化し定期船市況は急落した。旅客機の回復が見込まれるが、貨物専用機で稼ぐのは難しくなる可能性もある。
JR東日本がベア5957円、組合要求上回る 29年ぶり水準 賃上げ2023 Think! サービス・食品 3月14日 JR東日本は14日、2023年の春季労使交渉で基本給を底上げするベースアップ(ベア)について、月5957円(平均1.8%程度)とする方針を労働組合側に伝えたと発表した。5000円を超えるベアは29年ぶりで、同3000円を要求していたJRグループ最大規模の労組であるJR連合の金額水準を上回る。 定期昇給を合わせた賃上げ率は平均3.8%程度とする。JR東日本は新型コロナウイルスの感染拡大によ JR東日本がベア5957円、組合要求上回る 29年ぶり水準 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 労組の要求を超えるベア引き上げの回答は異例。それでも、ベアと定期昇給を合わせた賃上げ率は平均3.8%程度とある。物価上昇をカバーするのに、少し足りない。厚生労働省の毎月勤労統計調査(速報・従業員5人以上の事業所)によると、1月の実質賃金は前年同月比4.1%減っているからだ。名目賃金が0.8%上昇しているが、物価上昇率が5.1%と高いため、実質賃金は大幅な減少となっている。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト 労組の要求を超えるベア引き上げの回答は異例。それでも、ベアと定期昇給を合わせた賃上げ率は平均3.8%程度とある。物価上昇をカバーするのに、少し足りない。厚生労働省の毎月勤労統計調査(速報・従業員5人以上の事業所)によると、1月の実質賃金は前年同月比4.1%減っているからだ。名目賃金が0.8%上昇しているが、物価上昇率が5.1%と高いため、実質賃金は大幅な減少となっている。
長期金利が急低下、一時0.24% 3カ月半ぶり低水準 マーケットニュース Think! 株式 為替・金利 3月14日 14日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが急低下(価格は上昇)し、一時0.24%と2022年11月以来およそ3カ月半ぶり低水準を付けた。日銀が22年12月の政策修正前に上限としていた0.25%を下回った。米銀シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けて金融市場が動揺し、安全資産とされる日本国債に買いが集まっている。 リスク回避の買いに加え、日銀の政策修正を見込んで国債 長期金利が急低下、一時0.24% 3カ月半ぶり低水準 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト シリコンバレー銀行破たんが金融危機に発展しないように、FRBは気を使わざるを得なくなっている。米景気は堅調でインフレ収束が遅れているが、それでも3月21-22日のFOMCでの利上げは見送りとなるとなるという見方が金融市場で広がっている。それを織り込んで、米金利は急低下、その余波で日本の長期金利も急低下した。ただ、これで日本の金利上昇が終わったと判断するのは早計かもしれない。日本のインフレ率も41年ぶりの高水準で、これからリオープンによる内需回復が見込まれるからだ。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト シリコンバレー銀行破たんが金融危機に発展しないように、FRBは気を使わざるを得なくなっている。米景気は堅調でインフレ収束が遅れているが、それでも3月21-22日のFOMCでの利上げは見送りとなるとなるという見方が金融市場で広がっている。それを織り込んで、米金利は急低下、その余波で日本の長期金利も急低下した。ただ、これで日本の金利上昇が終わったと判断するのは早計かもしれない。日本のインフレ率も41年ぶりの高水準で、これからリオープンによる内需回復が見込まれるからだ。
米シリコンバレー銀行、預金21兆円が保護対象外 シリコンバレー銀行破綻 Think! ネット・IT 北米 3月12日更新 【シリコンバレー=白石武志】10日に経営破綻した米シリコンバレーバンク(SVB)を巡り、顧客の資金回収への懸念が広がっている。管財人の米連邦預金保険公社(FDIC)によると、22年末の預金残高約1750億ドルのうち89%に当たる約1560億ドル(約21兆円)は預金保護の対象外だった。 米国では金融機関が加盟するFDICが1口座あたり25万ドルを上限に保護する仕組みがある。SVBの本店と全支店は週 米シリコンバレー銀行、預金21兆円が保護対象外 窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト シリコンバレー銀行破綻は、銀行としてのALM(財務リスク管理)初歩ができていなかったことが原因。【1】貸金を積み上げず債券投資にのめり込み。保有預金の約7割弱で期間の長いMBSや米国債に投資、過度に金利上昇リスクを負っていた。【2】逃げ足の速い大口の法人預金で資金調達、個人から集めるコア預金が少なかった。日本の銀行も、1980年代にはALMができていなかった。1990年代の金融危機では、コア預金のなかった日債銀・長銀が破綻。今はアセット(資産)とライアビリティ(負債)のデュレーションを一致させ、金利上昇リスクを抑えるのが原則。ただ個人の流動性預金はコア預金なので長めのデュレーションを想定。
窪田真之 楽天証券 チーフ・ストラテジスト シリコンバレー銀行破綻は、銀行としてのALM(財務リスク管理)初歩ができていなかったことが原因。【1】貸金を積み上げず債券投資にのめり込み。保有預金の約7割弱で期間の長いMBSや米国債に投資、過度に金利上昇リスクを負っていた。【2】逃げ足の速い大口の法人預金で資金調達、個人から集めるコア預金が少なかった。日本の銀行も、1980年代にはALMができていなかった。1990年代の金融危機では、コア預金のなかった日債銀・長銀が破綻。今はアセット(資産)とライアビリティ(負債)のデュレーションを一致させ、金利上昇リスクを抑えるのが原則。ただ個人の流動性預金はコア預金なので長めのデュレーションを想定。
窪田真之
楽天証券 チーフ・ストラテジスト
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日本株アナリスト兼ファンドマネージャー歴25年。年間100社を超える企業調査を実施し、公的年金・投信など1,000億円超のファンド運用を担当してきた。2014年より現職。企業会計基準委員会の専門委員、内閣府「女性が輝く先進企業」表彰選考委員など歴任、著書に「株トレ」(ダイヤモンド社)、「IFRSで企業業績はこう変わる」(日経BP)など。
【注目するニュース分野】日本株、米国株、企業会計、働き方改革、サステナビリティ
日本株アナリスト兼ファンドマネージャー歴25年。年間100社を超える企業調査を実施し、公的年金・投信など1,000億円超のファンド運用を担当してきた。2014年より現職。企業会計基準委員会の専門委員、内閣府「女性が輝く先進企業」表彰選考委員など歴任、著書に「株トレ」(ダイヤモンド社)、「IFRSで企業業績はこう変わる」(日経BP)など。
【注目するニュース分野】日本株、米国株、企業会計、働き方改革、サステナビリティ