大学生が有害投稿パトロール ネットの「割れ窓」ふさげ 風紋 Think! 4月30日 「これから会える人いますか」――。スマートフォンの画面を見つめる学生の指がとまった。「あ、これそうじゃないかな」「通報しましょう」 4月下旬、福山大学(広島県福山市)の学生らでつくる「CyPat(サイパット)FU」が防犯パトロールに取り組んでいた。この日見回っていたのはツイッター。「援助交際」に関するつぶやきを見つけて運営会社に通報し、削除を要請する。 直接的な言葉だけでなく、隠語や絵文字で援助 大学生が有害投稿パトロール ネットの「割れ窓」ふさげ
「冤罪は国の恥」 2つの再審決定が映す司法の穴 事件・司法 Nikkei Views 3月18日 江戸時代中期、尾張藩に徳川宗春という藩主がいた。8代将軍、徳川吉宗の「ライバル」といわれ、質素倹約を打ち出した吉宗に対抗して積極的な景気振興策をとった。幕府に疎まれて失脚するのだが、名古屋ではいまも名君として人気がある。 その殿様が「温知政要」という施政方針を書いた。第3条にこうある。現代語風に言うと「1000万人のうち1人でも誤って罰しても国持大名の恥」。国政は誤ってもすぐに修正すればいいが、 「冤罪は国の恥」 2つの再審決定が映す司法の穴
自転車ヘルメット着用1割 「努力義務」に効果はあるか Nikkei Views 編集委員 2月24日 自転車を取り巻く環境やルールが変わっている。昨年秋以降、悪質な違反者の取り締まりが強化され、この4月にはすべての利用者に乗車時のヘルメット着用が義務付けられる。自転車が絡む重大事故を減らすのが狙いだが、その効果はいかほどか。 「傘を差しながらの運転はダメですよ」「信号は守ってください」。2月半ば、東京都中央区の勝どき駅周辺で警視庁月島署が違反自転車を取り締まっていた。 小雨ながら通行量はそれなり 自転車ヘルメット着用1割 「努力義務」に効果はあるか
Dr.コトーから継いだバトン 持続可能な離島医療とは 風紋 コラム 1月29日 千葉県出身の斎藤学さん(48)が島の住民になって3年近くになる。 鹿児島県の沖合約30キロ、東シナ海に浮かぶ下甑島(しもこしきしま、薩摩川内市)の人口は約1800人。医師が常駐する医療機関が2カ所あり、斎藤さんはその1つ、下甑手打診療所の所長だ。2人の若手医師のほか、看護師、介護士ら約30人を束ねる。 訪問診療に同行した。細い山道を車で進むこと40分。内川内地区には約20人が暮らす。「先生にお灸 Dr.コトーから継いだバトン 持続可能な離島医療とは
人間の本質を探る 日弁連会長・小林元治さんの本棚 カバーストーリー 読書 1月21日 ■岡山県加茂町(現津山市)の山村に生まれ育った。高校生までは科学者になるつもりだった。 実家が農家だったので農業科学を学ぼうと思っていました。両親に楽をさせてあげたい、と。しかし東大紛争があったりして世の中が騒然とし始めた。こっそり上京し、反戦運動の学生らが集まっていた新宿西口に行ったこともあります。社会に関わり、影響を与える仕事に携わりたいと考えるようになり、文系コースに変更しました。 大学で 人間の本質を探る 日弁連会長・小林元治さんの本棚
部活動「地域移行」の成否 和歌山 章彦 時論・創論・複眼 沖縄 教育 編集委員 1月16日 公立中学の休日の部活動を民間事業者などに委ねる「地域移行」。少子化や教員の働き方改革が背景にあるが、指導者や施設の確保、費用負担など課題は少なくない。国は「2025年度末」としていた達成目標は設定しない方針に転じた。部活動という日本社会の「慣習」を刷新する道はあるのか。 ◇ ◇ ◇ ■「強制」脱して個人に委ねる 筑波大学教授 山口香氏 部活動が日本のスポーツの一つの柱を担ってきたのは間違 部活動「地域移行」の成否
「司法IT化」で何が変わる? 裁判、オンラインで完結も ニッキィの大疑問 10月29日 「司法分野のIT(情報技術)化が本格的に動き出したようだね。一般の人にはどんなメリットがあるのかな」「法廷の風景がガラッと変わるのかしら」 民事裁判や刑事裁判で、書類の電子化やオンラインの活用に向けた動きが本格化しています。日本は司法手続きのIT化の遅れが指摘されていますが、IT化で何が変わるのでしょうか。石川淳一編集委員に解説してもらいます。 名瀬さん「今の裁判の流れはどうなっていますか」 司 「司法IT化」で何が変わる? 裁判、オンラインで完結も
「上野のパンダ」来日50年 変わらぬ人気、移ろう役割 風紋 9月25日 「10月28日(土)曇り 18:50無事羽田着」「20:30動物園到着(略)急きょトラ舎の展示予定舎に収容することになる」 上野動物園(東京・台東)のジャイアントパンダの飼育担当者が引き継いできた観察記録。1冊目はこんな書き込みから始まる。1972年のこの日、カンカン、ランランが中国から来日した。 一般公開初日、見物の列は1キロに達した。集客力は他の動物とは桁違いで、この年の入園者数は前年より1 「上野のパンダ」来日50年 変わらぬ人気、移ろう役割
安倍晋三元首相銃撃許した「組織病」 成熟が生む隙間 安倍元首相銃撃 事件・司法 Nikkei Views 8月27日 綿密な計画もなく、稚拙ともいえる犯罪をなぜ防げなかったのか。「安易な前例踏襲」「セクショナリズム」「マネジメントの不在」。安倍晋三元首相の銃撃事件を巡り、警察庁が25日に公表した検証結果から浮かぶのは、こんな言葉だ。民主主義を揺るがした凶行の背景に、日本の多くの組織に共通する負の因子があったことは否定しがたい。 事件の約2週間前、同じ場所で茂木敏充・自民党幹事長が演説した。安倍元首相の警護計画は 安倍晋三元首相銃撃許した「組織病」 成熟が生む隙間
国民審査は「おまけ」か? 違憲訴訟が問うた意義 事件・司法 Nikkei Views 6月1日 最高裁裁判官の国民審査について、海外に住む日本人が投票できないのは憲法違反とする判断を最高裁が示した。国際化の流れを考えても当然の結論といえる。一方でこの訴訟は1つの問いを投げ掛けたように思える。「国民審査ってなんなの?」 辞めさせたいと思う裁判官の氏名に「×」をつけ、有効投票の半分を超えた裁判官が罷免される。憲法79条を読み返すまでもなく、手続きはほとんどの人が知っている。実際に投票したことも 国民審査は「おまけ」か? 違憲訴訟が問うた意義