オペラとバレエのチケット値上げ 秋からの新国立劇場 値上げラッシュ 文化往来 3月27日 国立の劇場にも値上げの波がやってきた。オペラやバレエ、現代演劇を上演する新国立劇場(東京・渋谷)が、2023年秋〜24年夏のシーズンから、一部のチケット料金を1500円〜2000円程度値上げすると発表した。文部科学省出身で22年6月に就任した新国立劇場運営財団の銭谷真美理事長は「新型コロナウイルス禍の3年間、感染症対策で支出が増えた。物価高やエネルギー価格の高騰もあり、オペラとバレエのチケット料 オペラとバレエのチケット値上げ 秋からの新国立劇場
春の音楽祭、マスクは個人判断 「距離」など配慮続く 文化往来 3月13日 「マスク着用は個人の判断で」。3月13日に新型コロナウイルス対策についての政府の方針が変わったが、今春はコロナ下で規模を縮小、または中止していたクラシック音楽祭も本格復活する。高齢の観客も多いため、主催者は感染症対策の変更と、観客の不安解消を両立させた開催を目指している。 3月18日から約1カ月間、東京・上野公園周辺で開催される「東京・春・音楽祭」は、コンサートホールだけでなく美術館や博物館など 春の音楽祭、マスクは個人判断 「距離」など配慮続く
故・一柳慧さん(作曲家) 異分野の芸術出合う場求めて 追想録 1月27日 「ジョン・ケージに薫陶を受けた現代音楽の旗手」。前衛芸術の中心地だった1950年代のニューヨークで学んだ作曲家の一柳慧さんには、常にこうしたイメージがつきまとった。しかし、神奈川県民ホールの真野純館長は「本当はそんなレッテルが嫌だったのではないか。ケージを通してでなく自分の作品をもっと聴いてほしかったろうし、彼は『現代音楽』の枠を超えたかったと思う」と話す。同ホールは一柳さんが長く芸術総監督を務 故・一柳慧さん(作曲家) 異分野の芸術出合う場求めて
バイオリニスト樫本大進の見たベルリン・フィルと欧州 カバーストーリー 1月17日 バイオリニストの樫本大進(43)がベルリン・フィルの第1コンサートマスターに就いて10年余り。世代交代が進む中、世界の様々な危機にも即応するオーケストラでの経験を振り返った。 2022年9月、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を久しぶりに本拠地ベルリンで聴いた。世界一ともいわれるオーケストラだが、権威的な雰囲気はなく、若い奏者たちが生き生きと楽しげに演奏している姿が印象的だった。 「確か バイオリニスト樫本大進の見たベルリン・フィルと欧州
藤田真央・反田恭平・角野隼斗… 男性ピアニストが躍進 カバーストーリー 1月10日 日本の若い男性ピアニストが人気だ。コンサートのチケットは完売、動画配信で活躍し、理系の高学歴を手にする奏者もいる。背景には1990年代からの業界の努力と社会変化がある。 今の突出した人気者は藤田真央(まお)、反田(そりた)恭平、角野隼斗(すみの・はやと)の3人だろう。全員、国際コンクールで上位入賞した20代だ。 それぞれ個性は全く違う。藤田は国際的な活躍が目立つ。反田はピアノを弾くだけでなくジャ 藤田真央・反田恭平・角野隼斗… 男性ピアニストが躍進
自治体オケ、神戸市室内管弦楽団の40年と鈴木秀美 文化往来 1月9日 全国的にはあまり知られていないが、神戸市は、オーケストラと合唱団の両方を立ち上げた珍しい自治体だ。1981年に誕生した二十数人の小ぶりな楽団である神戸市室内管弦楽団と、89年に発足した神戸市混声合唱団だ。 創立40年にあたる2021年からは、古楽のスペシャリストでチェロ奏者でもある鈴木秀美が管弦楽団の音楽監督を務めている。神戸市生まれで、チェロ奏者として楽団の創立メンバーでもあった。「当時はチャ 自治体オケ、神戸市室内管弦楽団の40年と鈴木秀美
2022年の音楽 来日公演が本格再開、新時代の若手台頭も 吉田 俊宏 カバーストーリー 12月9日 ポピュラー音楽では、新型コロナウイルスの影響で2年半にわたって途絶えていた海外アーティストの来日公演が夏以降ようやく本格化した。 口火を切ったのは大型ロックフェスだった。2020年は中止、昨年は国内勢だけで開いたフジロックフェスティバルは7月、3年ぶりに「洋楽フェス」として開催され、ヴァンパイア・ウィークエンドやホールジーといった米国の人気者がトリを飾った。 8月のサマーソニックにも米人気ラッパ 2022年の音楽 来日公演が本格再開、新時代の若手台頭も
コンクール栄冠、フォルテピアノの 加藤美季がリサイタル 文化往来 11月28日 現代のピアノより少し前の18~19世紀初めの鍵盤楽器であるフォルテピアノの気鋭奏者、加藤美季が12月28日に東京・銀座のヤマハホールでリサイタルを開く。2022年春に山梨県の国際古楽コンクール鍵盤楽器部門で1位となった。毎回必ず1位を決める相対評価ではなく、なかなか1位の出ないコンクールでの快挙で、12月の公演はその受賞記念でもある。 幼い頃からピアノを学び、東京芸術大学楽理科2年のころフォルテ コンクール栄冠、フォルテピアノの 加藤美季がリサイタル
母国では延期 ポーランドの演出家によるロシア・オペラ 文化往来 11月22日 新国立劇場(東京・渋谷)が、ロシアのムソルグスキー作曲のオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」を上演している(11月15~26 日)。演出はポーランド国立歌劇場芸術監督のマリウシュ・トレリンスキで、当初は2022年4月に同劇場で上演してから東京公演の予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でポーランド公演は一旦中止となり、東京で初演することになった。 「ポーランドにとってウクライナは隣国で、避難民を 母国では延期 ポーランドの演出家によるロシア・オペラ
ピアノの藤田真央が世界デビュー モーツァルト全集発表 文化往来 11月14日 ピアニストの藤田真央が、2022年10月にソニークラシカルから本格的に世界デビュー、モーツァルトのソナタ全集のアルバムをリリースした。ソニークラシカルが専属ワールドワイド契約を結ぶ初めての日本人ピアニストとなった。 1998年生まれ。2019年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で2位となり、新型コロナウイルス下で人気が沸騰。今や国内でのコンサートは軒並みチケット完売、欧州の音楽祭や一流オ ピアノの藤田真央が世界デビュー モーツァルト全集発表