号砲タイ総選挙、名門「民主党」は消え去るのか 高橋 徹 Asia Analysis 東南アジア 編集委員 3月28日 4年ぶりのタイ総選挙(下院選、定数500)の号砲が鳴った。プラユット首相が20日に下院を解散し、投開票は5月14日と決まった。タクシン元首相派の最大野党・タイ貢献党、親軍派の最大与党・国民国家の力党(PPRP)を軸とする戦いは前回と同様だ。 国政選挙で実に5連勝中のタイ貢献党の優位は動かない。タイ国立開発行政大学院による最新の世論調査では政党支持率が49.8%、首相候補の支持率もタクシン氏次女の 号砲タイ総選挙、名門「民主党」は消え去るのか
中国でネット配車運転手に求職者殺到 雇用の弱さ映す グローバルViews Think! 中国・台湾 3月27日 中国でネット配車業界のドライバーになろうとする人が増えている。新型コロナウイルスの厳格な感染対策「ゼロコロナ」が事実上終わって市民の移動が活発になるなか、若者らは気ままな稼ぎ口としてネット配車に期待している。ただ裏には製造業などでの雇用の回復遅れがあり、経済全体を薄雲が覆っている。 「全く予約ができない。どうにかしてほしい」。中国南部、広東省深圳市の男性は3月上旬、市政府へ投書した。ネット配車の 中国でネット配車運転手に求職者殺到 雇用の弱さ映す
ベトナム「輸出立国」に死角 問われる工業化の持続力 高橋 徹 Think! 東南アジア Nikkei Views 編集委員 3月20日 高い経済成長を続けるベトナムが、安定が売り物だったはずの内政で揺れている。共産党ナンバー2の国家主席が更迭され、後釜に書記局常務だったボー・バン・トゥオン氏(52)が昇格。16人の政治局員で最年少の同氏は、最高権力者グエン・フー・チョン書記長(78)の側近といわれ、党による経済統制の強化を心配する声もあがる。 「一罰百戒」で意思決定の遅れも だがいまの成長が内包する構造問題の方にも、もっと目を向 ベトナム「輸出立国」に死角 問われる工業化の持続力
テスラも部品も「ものづくり」 ソフトのみで革新困難 グローバルViews 自動車・機械 3月20日 電気自動車(EV)や自動運転技術の普及とともにハードウエアの価値は下がり、ソフトの競争になる――。自動車業界でこんな主張が増えたのは5年あまり前のことだ。実際、日本などの自動車メーカーは雪崩を打ったようにソフト開発を強化したが、ソフトで先頭を走る米国ではなぜか「ものづくり」の重要性を強調する場面が目立っている。 「地球は再生可能なエネルギー経済へと移行することが可能であり、皆さんが生きている間に テスラも部品も「ものづくり」 ソフトのみで革新困難
中国経済閣僚は異例の「大臣未満」、李強首相も執行役員 習政権ウオッチ 中沢 克二 Think! 中国・台湾 編集委員 3月15日 「大事な中央銀行の中心人物や、経済・財政の実務を担う重要閣僚が、『大臣級』に満たないクラスばかりになってしまった」「それを束ねる新たな総理(首相)も企業人事に例えるなら(ナンバー2の)副社長ではない。いや、取締役でさえない『執行役員級』かもしれない」 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が3月13日に閉幕した後、内情をうかがい知る関係者から嘆きが聞かれた。国家主席として3選を果たした習近平(シ 中国経済閣僚は異例の「大臣未満」、李強首相も執行役員
米国陣営に戻るフィリピン、墓穴を掘った中国 高橋 徹 米中衝突 Asia Analysis 中国・台湾 東南アジア 編集委員 3月14日 超多忙な国家指導者にとって異例の長さの滞在は、しっかり成果を伴った。2月8〜12日に就任後初めて日本を訪問した、フィリピンのマルコス大統領である。 240人もの企業関係者を同行し、日本の官民から130億ドル(約1兆7500億円)規模の投資や援助を引き出した。岸田文雄首相との首脳会談では、人道支援や災害援助で自衛隊をフィリピンへ派遣する際の手続きを簡素化する取り決めを交わした。 マルコス氏は1月、 米国陣営に戻るフィリピン、墓穴を掘った中国
米ハワード大学 国防研究、多様な人材で 大学 北米 3月8日 米国の首都ワシントンにあるハワード大学に1月、国防総省の大学付属研究センター(UARC)が開設された。最先端の国防技術の研究にあたる「戦術的自律研究所(RITA)」は、黒人の教育水準向上を狙いに設立された「歴史的黒人大学(HBCU)」に設置された初のUARCで、科学技術人材の多様化への貢献も期待される。 「歴史的だ」。黒人大学の最高峰といわれるハワード大学のフレデリック学長と、黒人初の国防長官で 米ハワード大学 国防研究、多様な人材で
「天の眼は見てる」凄みある李克強・中国首相最後の挨拶 習政権ウオッチ 中沢 克二 Think! 中国・台湾 編集委員 3月8日 新たな中国国務院総理(首相)が誕生する今回の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する直前、ものすごい勢いで中国内外に拡散した「問題映像」がある。国営中国中央テレビは、現時点でその重要場面を放送していない。いや、できないのだ。 それは、退任する首相、李克強(リー・クォーチャン、67)が、国務院弁公室を中心とする政府幹部ら800人に別れを告げる挨拶の言葉だ。そのなかに、解釈次第では共産党総書 「天の眼は見てる」凄みある李克強・中国首相最後の挨拶
レアアース巡る米中攻防戦、供給網の戦略的構築を 経営の視点 Think! コラム 中国・台湾 北米 3月5日 「なるべく早い稼働をめざせ」。中国西南部、雲南省の西端に位置する保山市でミャンマー国境から130キロメートルしか離れていない工業団地。2月に同地を訪れると、中国国有レアアース(希土類)大手、中国稀土集団の傘下企業がミャンマーから輸入したレアアースを精錬・加工する新工場の建設を進めていた。 米地質調査所(USGS)の推計によると、2022年のレアアース生産量は中国が世界最大の約7割を占める。ミャン レアアース巡る米中攻防戦、供給網の戦略的構築を
習近平直轄の公安・警察誕生も 白紙・白髪運動で強化 習政権ウオッチ 中沢 克二 Think! 中国・台湾 編集委員 3月1日 中国トップさえ直接、介入できなかった公安・警察と、国家安全を担う部門のボスだった元最高指導部メンバー、周永康の粛清から10年。究極の権力を意味する「極権」を手にした共産党総書記兼国家主席、習近平(シー・ジンピン)の下、思いもよらない形で公安、安全関連の組織が格段に増強される兆しがある。 それは2月28日に閉幕した第20期党中央委員会第2回全体会議(2中全会)がコミュニケに明記した「(共産)党と国 習近平直轄の公安・警察誕生も 白紙・白髪運動で強化